【音楽史】ファンク(Funk)って、どんな音楽?【1970年代・ジャズファンク編】

【音楽史】ファンク(Funk)って、どんな音楽?【1970年代・ジャズファンク編】

ファンクって名前は聞いたことあるけど、「どんな音楽か」と聞かれると、ちゃんと答えられないな…

ファンクにはどんな歴史があるの?

 
このような疑問にお答えする内容です。
 

今回は英語版wikipediaの「ファンクミュージック」について、まとめてみました。

 
今回はPart10として、1970年代のファンクついて解説していきます。
 
Part1: 概要編(ファンクのざっくりした説明、言葉の定義と語源、このジャンルで有名なアーティスト、ざっくりした音楽的な特徴)

Part2: よく使われるリズム、テンポ、コード、スケール

Part3: ファンクにおけるベースの特徴

Part4: ファンクにおけるドラムの特徴

Part5: ファンクにおけるギターと鍵盤楽器の特徴

Part6: ファンクにおけるボーカル・歌詞・ホーンセクションの特徴

Part7: ファンクの歴史(初期、ニューオリンズ)

Part8: ファンクの歴史(1960年代、James Brownの活躍)

Part9: ファンクの歴史(1960年代後半〜1970年代前半)

Part10: ファンクの歴史(1970年代、ジャズファンク)

Part11: ファンクの歴史(1980年代、シンセファンク、Prince、YMO)

Part12: ファンクの歴史(1980年代後半〜2000年代)

 

ファンクは音楽的にも歴史的にもとてもおもしろいため、このシリーズは長編になっていますが、読み進めれば必ずどこかで面白さがわかってきます!
 
ぜひ最後までご覧ください。
 

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ファンク全盛期

 
1970年代は、ファンクにとって「最もメインストリームで高い人気を得ていた時代」と言えるでしょう。
 
前回までにご紹介している以下のアーティストたちは、ラジオでプレイされることで人気を得ていました。
 

Parliament Funkadelic
Sly and the Family Stone
Rufus & Chaka Khan
Bootsy’s Rubber Band
the Isley Brothers
Ohio Players
Con Funk Shun
Kool and the Gang
the Bar-Kays
Commodores
Roy Ayers
Stevie Wonder

 

ディスコとファンク

 
またこの頃は、Discoがファンクに支えられている部分がありました。
 
多くの初期のディスコの楽曲やパフォーマーたちは、ファンクのバックグラウンドを持っていたのです。
 
実際にディスコのヒット曲を聞いてみると、ファンクから来ているリフやリズムが見られます。
 

 

Donna Summer – Love To Love You Baby

 

Diana Ross – Love Hangover

 

I'm Your Boogie Man-KC And The Sunshine Band (With lyrics)

 

Chaka Khan – I'm Every Woman (Official Music Video)

 

CHIC – Le Freak (Official Music Video)

 

1976年には、Rose Royceがダンスファンクの楽曲「Car Wash」でNo.1ヒットを獲得します。
 
このようにディスコも人気を得ていきますが、それでもなお、1980年初期までファンクの人気は上がり続けていきます。
 

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アフリカでも人気に

 
この頃、ファンクはアフリカにも進出。
 
アフリカの歌とリズムを融合させ、「アフロビート」ができました。
 
ナイジェリアのミュージシャンFela KutiはJames Brownの影響を大きく受けている人物で、「アフロビート」のスタイルで非常に評価を受けています。
 

Fela Kuti – Water no get enemy

 

ジャズファンク

 
「ジャズファンク」は、ジャズのサブジャンルの一つです。
 
強いバックビートと電子系のサウンドが特徴で、初期のアナログシンセサイザーの普及に貢献したジャンルでもあります。
 
バックビートって何?という方はこちらをご覧ください↓
 

【音楽】アップビート・ダウンビート・オンビート・オフビート・バックビートの違い


 

ファンク・ソウル・R&Bがジャズに統合したことで、ジャズの非常に広い即興性の幅を、ジャズのアレンジ・リフ・ソロ、そして時々ソウルのボーカルとともに、ファンク・ソウル・ディスコに取り入れていきます。
 
ジャズファンクはアメリカの音楽ジャンルとして捉えられており、1970年から1980年代初期に人気になりました。
 
しかし1970年代中盤には、クラブ周りをしているイングランドの人々からも人気を集めます。
 

ソウルジャズ、ジャズフュージョンとの違いは?

 
ジャズファンクと似ているジャンルとして、ソウルジャズ、ジャズフュージョンがありますが、これらはジャズファンクと全く同じというわけではありません。
 
ちなみに、ポップスをジャズフュージョンスタイルにアレンジする方法をまとめた記事はこちら↓
 

ポップスの曲をリハーモナイズする方法①【ジャズフュージョンスタイル】


 
特に、ジャズファンクはボーカルが少なく、ソウルジャズに比べて即興やアレンジを多く取り入れており、強いグルーヴ感があります。
 
ジャズファンク
 

Jazz Funk – Wayne Carter – Wahoo

 

ソウルジャズ
 

Grant Green – Time to Remember

 
ジャズフュージョン
 

Ralf Nowy ‎– Escalation (1974)

 

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「Headhunters」

 
1970年代になると、ジャズミュージシャンたちはジャズとロックを組み合わせて「ジャズフュージョン」を作ったり、メジャーなジャズパフォーマーたちはより様々なファンクのスタイルを見つけようとし始めます。
 
ジャズでダブルベースやアコースティックピアノを使っていたところを、ジャズハンクではリズムセクションとしてエレキベースやエレクトリックピアノを使っています。
 
ピアニスト・バンドリーダーのHebie Hancockは、10年に渡りファンクを取り入れ続けた最初のジャズアーティストです。
 
彼のバンド「The Headhunters」では、実際にジャズファンクスタイルの楽曲をリリースしています。
 

Head Hunters | Herbie Hancock | 1973 | Full Album

 

Headhuntersの楽曲・楽器編成では管楽器奏者はBennie Maupin一人しかおらず、彼の新しい音楽の方向性が現れています。
 
また、彼は打楽器奏者・ドラマーとしてBill Summersを採用。
 
Summersはアフリカ音楽・アフロキューバン・アフロブラジリアンの楽器やリズムを、 Hankcockのジャズファンクのサウンドに取り入れています。
 

 

「On the Corner」

 

Miles Davis – On The Corner (1972) – full album

 
Miles Davisが1972年にリリースした楽曲「On the Corner」は、彼をジャズファンクの世界に大きく進出させる楽曲となりました。
 
彼のそれまでの経験のように、On the Cornerはとても実験的な音楽でした。
 
Davisは、ロックやファンクに夢中になりジャズを見捨てていた若い黒人のオーディエンスと繋がろうと試みたのです。
 
使う楽器の中にはファンクの影響を受けたものも見受けられますが、インドのタンボラ(Tambora)やタブラス(Tablas)、キューバのコンガ(Conga)やボンゴ(Bongo)など、様々な音程楽器・リズム楽器を組み合わせて使っていました。
 


 
 
以上で今回の解説は終わりです!
 

ちなみに、今回の内容を踏まえてファンクの打ち込みを練習したい方はこちらがおすすめ!
 
楽譜を見ながら打ち込めば、ファンクの打ち込みテクニックを身につけられます。
 
ファンク以外にも数多くのジャンルのパターンを網羅できますので、ぜひチェック!↓
 

 
↓つづき「ファンクの歴史(1980年代、シンセファンク、Prince、YMO)」
 

【音楽史】ファンク(Funk)って、どんな音楽?【1980年代・シンセファンク・電子楽器編】