ミキシングのコツ

【DTM・MIX】正しいPanの振り方〜8つの方法〜

How Panning Can Dramatically Improve Any Song

今回は、音楽プロデューサーのAlex Romeが解説する「どんな曲も劇的に改善するPanのやり方」をまとめました。

Pan(パン)とは、音が聞こえてくる方向を決めるパラメーターです。

Panを左右に動かすと楽曲全体に広がりが出たり、音が被らなくなって各楽器の音がさらに聞こえやすくなることがあります。

一方、やり方によっては音がとても不自然に聞こえてしまうことがあります。

そこでこの記事では、DTMで上手にMIXするためにはPanをどのように調整すればいいのか、そのコツを8つご紹介します。

どのジャンルでも使えるテクニックですので、ぜひお試しください。

はじめに:Panを使う前の曲を聴いてみよう

はじめに、Panを使う前の音をお聴きいただきます。

0:55~1:02

How Panning Can Dramatically Improve Any Song

それではここからは、この楽曲のPanやステレオイメージ(広がり)を調整しながら、正しいPanの振り方を解説していきます。

正しいPanの振り方1.そもそもPanが必要かどうかを考える

Panを振るときに大切なのが、そもそもPanを振る必要があるのかどうかを考えることです。

「広がりを出すためにPanを使う」など、きちんと目的を持ってPanを振ることが大切です。

Panを振った方が理想の音になるのであれば、Panを振った方がいいでしょう。

一方、Panを振らない方がいい音もあるので、必ずしもPanを振る必要はありません。

また、Panのパラメーターを調整するのではなく、他のパラメーターやエフェクトを使ってPanを振っているように聞かせる方がいいときもあります。
この方法については後述でたくさんご紹介します

正しいPanの振り方2.キック・スネア・ベース・リードはPanを振らない

Panの基本として、キック・スネア・ベース・リードの4つはPanを振らないのがセオリーとされています。
リード:ボーカルを含む、メインメロディーを担当する楽器

逆に言うと、この4つ以外の楽器はすべてPanを振っても構いません。

このセオリー通りにすると、基本的にはバランスのいいステレオイメージ(音の広がり方)になります。

正しいPanの振り方3.「Panマップ」を書いてみる

https://youtu.be/uPqdBUvepPo?si=P_M6xjsqhCkwjTn9

たくさん楽器を使っていると、どの楽器がどの位置にいるのか・どの位置にしたいのかを覚えるのが大変です。

そのため、あらかじめ「Panマップ」を作って、自分のゴールを明確にしておくと便利です。

実際にやってみると「役割が被っている楽器があるな」「この位置にいる楽器同士でマスキングが発生しそう」など、問題点も見つけやすくなります。

正しいPanの振り方4.サンプルディレイを使う

https://youtu.be/uPqdBUvepPo?si=P_M6xjsqhCkwjTn9

コードを演奏している楽器など、リード(メインボーカル等)を邪魔しそうな楽器のPanを調整することがあるでしょう。

このときに使えるのが、サンプルディレイです。

サンプルディレイは、音を左右2つに分割して、どちらか一方から鳴る音を遅くすることにより、左右に広がりを出すタイプのディレイです。

Panを使うと左右どちらか片方に音が寄ってしまいますが、サンプルディレイなら左右両方に音を広げることができます。

今回はLogic Pro付属のプラグイン「Sample Delay」を使い、Pluck系のコード楽器のPan(広がり)を調整します。

サンプルディレイを使う例 2:15~2:47

How Panning Can Dramatically Improve Any Song

コード系の楽器は左右どちらか片方で鳴らすのではなく、左右両方に広げて同時に鳴らしたいことが多いでしょう。

そのため、リード楽器を邪魔しないようにサンプルディレイを使うとよいでしょう。

おすすめのサンプルディレイプラグイン(ステレオワイドニングツール)

Soundtoys MicroShift

soundtoys社の「MicroShift」は、どんな楽器にも使えるステレオワイドニングツールです。

これを使うだけで左右に音を広げることができ、ビリー・アイリッシュの楽曲を作っているフィニアス氏も愛用しているプラグインです。

全楽器・全ジャンルに使えるとても便利なプラグインですので、まだお持ちでない方はぜひチェックしてみてください。

おすすめプラグイン「Microshift」

正しいPanの振り方5.ステレオディレイを使う

先ほどは「ベースは基本的にPanを振らない方がいい」とお伝えしましたが、ベースに広がりを加えたいときもあるでしょう。

そのようなときは、Panを左右に振るのではなく、ステレオディレイを使うという方法もあります。

ステレオディレイは、ディレイ音(エコー音)が左右を行き来するタイプのディレイです。

Panを使わず、ベースを真ん中で鳴らしたまま音を左右に広げることができます。
Feedback(ディレイの量・数)は少なめにするのがおすすめです

ベースの調整例 2:56~3:42

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正しいPanの振り方6.トレモロを使う

キック・スネア・ベース・リード以外の楽器は、思い切ってPanを振るとよいでしょう。

例えば今回は、パラパラと鳴っているシンセサイザーのアルペジオがあります。

そのため、トレモロのエフェクトを使って音が左右に大きく往復するようにします。
今回使っているのはShaperBoxの「Pan」エフェクトですが、やっていることは通常のトレモロのエフェクトと同じです。

ベースの調整例 3:46~4:49

How Panning Can Dramatically Improve Any Song

今回の解説で使っているCableguys社「ShaperBox」は、Pan以外にもディストーションやリバーブなど、さまざまなエフェクトを自由自在に使うことができます。

とても便利なプラグインですので、まだお持ちでない方はぜひチェックしてみてください。

おすすめプラグイン「ShaperBox」

関連記事

正しいPanの振り方7.ドラムは一部だけPanを振る

ドラムにステレオ感(広がり)を加えたいときは、一部の音だけPanを振るのがおすすめです。

例えば、こちらのドラムをお聴きください。

5:10~5:18

How Panning Can Dramatically Improve Any Song

キック・スネア・クラップは基本的に真ん中で鳴らしたいので、これらのPanを振らないことが多いでしょう。

しかし、Panの振り方次第ではとても魅力的なサウンドになることがあります。

ゴーストノートだけPanを振る方法

スネアやクラップの中にはゴーストノートなど、小さい音量で鳴らしている音もあるでしょう。

このようにメインで強く鳴らしている音以外の小さな音のPanを振ると、ほどよいステレオ感を出すことができます。

https://youtu.be/uPqdBUvepPo?si=P_M6xjsqhCkwjTn9

上記画像では、青いリージョンの音はメトロノーム通り(表拍)で鳴らしていますが、紫色の音は裏拍で鳴らしています(ゴーストノート)。

そのため、この紫色の音だけPanを振ってみます。

https://youtu.be/uPqdBUvepPo?si=P_M6xjsqhCkwjTn9

Panを振るときは、わかりやすいよう上記画像のようにトラックを分けるのがおすすめです。

例えば「右に20振ったトラック」「左に25振ったトラック」など、Panごとにトラックを分けると、リージョンを動かすだけでPanを振ることができます。

ゴーストノートだけPanを振った例 5:55~6:04

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ハイハットのPanの振り方

先ほどのドラムのフレーズに、ハイハットを入れたバージョンを聴いてみましょう。

6:14~6:18

How Panning Can Dramatically Improve Any Song

このままでも十分なのですが、もう少しステレオ感が欲しいところです。

そこで、まずは細かいハイハットの音を追加し、Panを左右どちらかに20程度振ります。

レイヤーしたハイハットを右に23振った例 6:28~6:43

How Panning Can Dramatically Improve Any Song

このままではPanを振った方向に音が偏ってしまうため、さらにレイヤーをします。

2回目に追加したレイヤーは、1回目に追加したレイヤーと反対方向にPanを振ります。

レイヤーした2つのハイハットの聞こえ方 6:57~7:03

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正しいPanの振り方8.リード楽器で一部だけPanを振る

今回の楽曲では、ボーカルチョップをリード楽器として使っています。

このボーカルチョップのうち、1フレーズだけPanを振ると、面白いサウンドになります。

例えば1小節かけて左から右に移動するようなPanにしてみると、このようになります。
Panのパラメーターを調整しても、トレモロのエフェクトを使ってもOK

リード楽器の一部だけPanを加える例 7:12~8:13

How Panning Can Dramatically Improve Any Song

以上で解説は終了です。

当サイトでは他にも音に広がりを加える方法についてまとめていますので、ぜひこちらもご覧ください↓


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