ソフト・プラグイン・機材

全DTMerにおすすめのプラグイン「ShaperBox」の使い方

Introduction to Cableguys ShaperBox 3

今回は、Cableguys社が解説する「ShaperBox 3の紹介」をまとめました。

Cableguys社のプラグイン「ShaperBox」は、作曲からミックスまで幅広く使える超万能プラグインです。

世界中のプロに愛用されているプラグインですが、いったいどんなことができるプラグインなのでしょうか?

この記事では、ShaperBoxの主な機能5つと、特に魅力的な機能の使い方をご紹介します。

ShaperBoxとは?主な機能5つ

https://youtu.be/f0c6kxUQgA4?si=qnfDw52WrgVagwRv

ShaperBoxとは、あらゆるエフェクトを好きなタイミングで好きな強さで使うことができるプラグインです。

使えるエフェクト

・Time(再生速度の変更)
・Drive(ディストーション)
・Noise(ノイズ)
・Filter(フィルター)
・Liquid(水のような音になる)
・Crush(ビットクラッシャー)
・Volume(音量)
・Pan(パン、音の位置)
・Width(音の広がり)
・Compressor(コンプレッサー)

ここでは、主な機能を5つご紹介します。

ShaperBoxの主な機能1.グラフを描くようにエフェクトが使える

エフェクトを使うタイミングと強さは、グラフを描くように自由自在に調整することができます。

https://youtu.be/f0c6kxUQgA4?si=qnfDw52WrgVagwRv

グラフの形はゼロから描く必要はなく、特定の形をベースにして描き始めることもできます。

https://youtu.be/f0c6kxUQgA4?si=qnfDw52WrgVagwRv

ShaperBoxの主な機能2.マルチバンド処理

「どの音域にはどのグラフの形を使ったエフェクトを適用する」のように、マルチバンド処理もすることができます。

音域は0.01Hz単位で、自由に決められます。

https://youtu.be/f0c6kxUQgA4?si=qnfDw52WrgVagwRv

例えば「200Hz以下の低音域だけ、このタイミングでDriveをかけたい」などの処理ができます。

ShaperBoxの主な機能3.エフェクトの追加・順番の変更

複数のエフェクトを好きな順番で使うこともできます。

そのため、エフェクトごとにプラグインを追加する必要がありません!

https://youtu.be/f0c6kxUQgA4?si=qnfDw52WrgVagwRv

ShaperBoxの主な機能4.トリガーの設定

https://youtu.be/f0c6kxUQgA4?si=qnfDw52WrgVagwRv

「このトラックが鳴っている間だけエフェクトを使用する」など、トリガーを使ってShaperBoxを動かしたいときもあるでしょう。

ShaperBoxならMIDIやオーディオトラックをトリガーとして使うこともできますので、このような動作もカンタンに設定できます。

Syncモード:常にShaperBoxをONにする
MIDIモード:指定したMIDIチャンネルでMIDI信号が出ている間はShaperBoxをONにする
Audioモード:指定したトラックが鳴っている間はShaperBoxをONにする
※AudioモードはオーディオトラックでもMIDIトラックでも使えます

ShaperBoxの主な機能5.エンベロープフォロワー

https://youtu.be/f0c6kxUQgA4?si=qnfDw52WrgVagwRv

ShaperBoxの画面右側ではエンベロープフォロワー(Enveloper Follower)が設定できます。
エンベロープフォロワーが使用できるエフェクト:Filter、Drive、Crush, Noise、Liquid、Reverb、Pan、Width

エンベロープフォロワーを使うと、スレッショルド(Threshold)を超えた音が出たときにどれぐらいエフェクトを速く・強く適用するかを決めることができます。

これを利用すると、例えば「バスドラムが鳴ったときだけDriveをかける」「スネアドラムが鳴ったときだけフィルターがかかる」などの処理ができるようになります。

ShaperBoxの使い方&魅力5つ

それではここからは、具体的なShaperBoxの使い方と特に魅力的なポイントを5つご紹介します。

ShaperBoxの使い方&魅力1.ブラウザー

ShaperBoxは、プリセットを検索するためのブラウザーが非常に充実しています。

https://youtu.be/f0c6kxUQgA4?si=qnfDw52WrgVagwRv

「どんなエフェクト効果が欲しいのか?」という使用用途に合わせて検索できるようになっています。

また、画面の右側にはカラフルな点で「どのエフェクトが使われているのか」も表示されています。

https://youtu.be/f0c6kxUQgA4?si=qnfDw52WrgVagwRv

気に入ったプリセットにはお気に入り(ハートマーク)をつけることもできます。

https://youtu.be/f0c6kxUQgA4?si=qnfDw52WrgVagwRv

「Search Preset Names」という文字の左側にあるハートマークをクリックすると、お気に入りのプリセットだけを表示することができます。

https://youtu.be/f0c6kxUQgA4?si=qnfDw52WrgVagwRv

「MY PRESETS」タブでは、自作のプリセットを選ぶことができます。

過去に作った曲で使用したエフェクトをプリセットとして保存しておくと、とても便利です。

ブラウザーの解説 1:01~

Introduction to Cableguys ShaperBox 3

ShaperBoxの使い方&魅力2.オーディオトリガー

ShaperBoxでは「指定したトラックが鳴っている時だけエフェクトをかける」のように、トリガーを設定することができます。

https://youtu.be/f0c6kxUQgA4?si=qnfDw52WrgVagwRv

このトリガーを「Audioモード」にすると、指定したトラックで音が新しく発音されるたびにLFO(グラフ)が再スタートします。

Syncモードは常に同じ間隔でLFOが再生されますので、「表拍で鳴っている音にはエフェクトがかかるが、裏拍の音には全くエフェクトがかからない」など、タイミングによってエフェクトのかかり方に大きく差が出ることがあります。

意図しない形でエフェクトがかかったりかからなかったりすることを防ぐためにも「音が新しく発音されるたびにLFOを1からスタートし直す」という機能は便利です。

オーディオトリガーの解説 1:52~2:30

Introduction to Cableguys ShaperBox 3

ShaperBoxの使い方&魅力3.外部サイドチェイン

サイドチェイン(Sidechain)とは、「トラックAが鳴っているときはトラックBの音量を下げる」など、音が被らないようにするために使われる機能のことです。

最も多く使われるのは「バスドラムが鳴っている間はベースの音量を下げる」という用途で、音域が近い音を同時に鳴らしたいときに便利です。

ShaperBoxでは外部サイドチェイン(External Sidechain)が充実しており、音量だけでなくさまざまなエフェクトに対してサイドチェインをかけることができます。

https://youtu.be/f0c6kxUQgA4?si=qnfDw52WrgVagwRv

例えばShaperBoxを立ち上げて最初にエフェクトを選ぶとき、Volumeエフェクトの左下に「Sidechain」ボタンが出現します。

このボタンをクリックすると、サイドチェイン用のLFOが用意された状態でVolumeエフェクトが追加されます。

https://youtu.be/f0c6kxUQgA4?si=qnfDw52WrgVagwRv

この後は、ShaperBoxのSidechainをトリガーにしたいトラックに設定します。

https://youtu.be/f0c6kxUQgA4?si=qnfDw52WrgVagwRv

そしてShaperBoxでトリガーを「Audioモード」にし、外部サイドチェインボタンをONにします。

すると、Sidechainで指定したトラックが鳴るたびにLFOが再スタートします。

https://youtu.be/f0c6kxUQgA4?si=qnfDw52WrgVagwRv

ShaperBoxは画面左上でマルチバンド処理ができますので、「バスドラムが鳴っているときは、低音域だけにサイドチェインをかける」などもできます。

サイドチェインの解説 2:36~3:43

Introduction to Cableguys ShaperBox 3

ユニークなサイドチェインを使ってみよう

サイドチェインは「同じ音域の音が被らないようにする」という用途で使われることが多いですが、ShaperBoxは別の用途でサイドチェインを使うことができます。

例えばAudioトリガーモードを使い、「バスドラムが鳴るたびに、ベースにLiquidエフェクトをだんだんかけていく」などのユニークな使い方もできます。

ユニークなサイドチェインの使い方 3:22~3:43

Introduction to Cableguys ShaperBox 3

サイドチェインでゲートをかける方法

ShaperBoxなら、サイドチェインをゲート(Gate)として使うこともできます。

例えば「スレッショルドを超えた音に対してのみこのエフェクトをかける」という処理が可能です。

https://youtu.be/f0c6kxUQgA4?si=qnfDw52WrgVagwRv

トリガーをAudioモードにした後、歯車マークを点灯させると画面上部に波形が出てきます。

左側でスレッショルドを変更できますので、こちらを調整してみましょう。

ここで設定したスレッショルドを超えた音にのみ、指定したエフェクトがかかるようになります。

https://youtu.be/f0c6kxUQgA4?si=qnfDw52WrgVagwRv

例えばドラムセットに対して上記画像のようなVolumeエフェクトを使っているとき、バスドラムが鳴って音量がとても大きくなったときだけエフェクトが適用されるようにスレッショルドを調節します。

すると、バスドラムが鳴ったときだけ音量がすぐに下がるようになりますので、バスドラムがとてもタイトに聞こえ、ハイハットやスネアドラムだけが鳴っているときは音が長くゆるやかに聞こえるようになります。

もう少しスレッショルドを下げて「バスドラムとスネアドラムが鳴ったときだけ」にすると、ハイハットだけ音が長く聞こえるようになり、バスドラムとスネアドラムがタイトに聞こえるようになります。

同様に「バスドラムとスネアドラムが鳴ったときだけTimeエフェクトをかける」などのクリエイティブな使い方もできます。

サイドチェインでゲートをかける方法 3:48~4:45

Introduction to Cableguys ShaperBox 3

ShaperBoxの使い方&魅力4.Liquidエフェクト

ShaperBox3では新しく「Liquidエフェクト」が追加されました。

フェーザーやフランジャーなどを使うことで、音が液体(Liquid)を感じさせるようなサウンドになります。

従来のフェーザーやフランジャーと異なるのが、エフェクトをかける強さ(周期)とタイミングを自由に設定できる点です。

通常はエフェクトの速さが一定になるので、エフェクトがかかる速さや強さはオートメーションを使わないと自由に変更できませんでした。

ShaperBoxなら自由に&カンタンにLFOの形を描くことができるので、従来の煩わしさはなくなりました。

Liquidエフェクトは、実際に音を聴いてみるとその面白さを実感しやすいので、ぜひこちらの例をお聴きください。

Liquidエフェクトの例 4:47~5:58

Introduction to Cableguys ShaperBox 3

Liquidエフェクトなら音の質感を変えずにステレオ感を出せる

音に広がりを出すためにフェーザーやフランジャーを使うときもあるでしょう。

しかし、従来のエフェクトでは音を横に広げるほど音程に違和感が出るなど、副作用もありました。

ShaperBoxのLiquidエフェクトなら、音の質感や音程を大きく変えずに、音の広がり具合だけを変更することができます。

https://youtu.be/f0c6kxUQgA4?si=qnfDw52WrgVagwRv

「Stereo」というパラメーターがありますので、ぜひご活用ください。

Stereoの調整例 5:48~5:59

Introduction to Cableguys ShaperBox 3

ShaperBoxの使い方&魅力5.LFOの編集

ShaperBox3では、LFO(グラフ)が編集しやすくなりました。

LFO(グラフ)の基本操作

ポイントの作成(白丸・直線):グラフ上を1クリックor黒丸をクリック
ポイントの作成(黒丸・曲線):線をドラッグor白丸をクリック
ポイントの削除:ダブルクリック
複数ポイントの選択:グラフの空白部分をドラッグ

ゴミ箱:選択しているポイントを削除する
サイコロ:ランダムにLFOを作成する
2x:現在作成しているグラフを2倍にする
◀︎ ▶︎:グラフ全体を左右にズラす
曲線矢印:Undo・Redo
Smooth:ポイントのつなぎ目のなめらかさ(なめらかにするとクリックノイズなどが出にくくなります)

白点3つ「・・・」のメニュー

Select all points:すべてのポイントを選択する
Move points to grid:最も近いグリッド(罫線)に合わせる
Flip horizontal:グラフを横方向に反転する
Flip vertical:グラフを縦方向に反転する
Copy wave:グラフをコピーする
Paste wave:コピーしたグラフをペーストする

Triplet:点灯させると3連符をベースにしたグリッドに変更します
Snap on by default:点灯させるとShaperBox起動時から自動的にグリッドに合わせてグラフを作成できます
OSCILLOSCOPE(4種類):グラフの背景に描くオシロスコープ(波形)のスタイルを変更できます

ポイント上で右クリックして表示されるメニュー

ANGLE:角度(勾配)を決めます。
Softは「黒丸」、Hardは「白丸」、MediumはShiftキー+クリックすると白丸の状態で少しゆるやかな曲線になります
DELETE:ポイントを削除する(ダブルクリックでも可能)

LFO(グラフ)左側のツールバー

マウスカーソル:ペインターツール。グラフを編集します。
磁石マーク:点灯させると自動的にグリッドに合わせて編集します。
四角マーク:全範囲を選択をします。

横直線マーク:クリックすると直線を追加します。
ドラッグすると長さや方向を自由に変更できます
円弧マーク:ドラッグすると長さや円弧の角度を自由に変更できます
曲線マーク:ドラッグすると長さや方向を自由に変更できます
外向き矢印:画面上部の詳細設定欄を隠し、LFOグラフを拡大表示します。

LFO(グラフ)の再生サイクル・ループの設定

上部画像のうち「1 Bar」と書いてある欄で、LFOの再生サイクル(速さ)を変更できます。

クリックするとさまざまなリズム・速さの単位を選択できます。

歯車マークとサイドチェインマークの間にあるループマークでも、LFOの再生サイクルを変更できます。

ON(点灯時):MIDIやオーディオが再生されている間はLFOがループして適用されます。
OFF(消灯時):MIDIやオーディオが1度鳴ったら、新しい音が再生されるまでLFOが再スタートしません。

例えばLFOのサイクルを「1/4」にしており、音を4拍伸ばしている場合は、ループモードをONにしているとLFOが4回ループしますが、OFFにすると1回(1拍分)しか再生されません。

「音を鳴らしている間は常にLFOを動かし続けたい」という場合は、ONにしておくとよいでしょう。

LFOの編集例 6:04~6:49

Introduction to Cableguys ShaperBox 3

その他便利機能「Master Mix」

ShaperBoxの効果をどれぐらい強く適用するかは、画面上部の「Master Mix」で変更できます。
エフェクトによくある「Dry/Wet」と同じ機能です

ShaperBoxがかかっている音とかかっていない音の割合を自由に調整できます。

Cableguys社「ShaperBox」を購入する

以上でShaperBoxの使い方解説は終了です。

1つのプラグインでたくさんのエフェクトが使えるだけでなく、その自由度も無限大であるところがShaperBox最大の魅力です。

一生使えるプラグインですので、まだお持ちでない方はぜひGETしてください!

Cableguys社「ShaperBox」を購入する


人気記事

1

この記事では、ヒット曲を作曲するための方法を解説した記事をまとめています。作曲・編曲・ミキシング・マスタリングなど、音楽制作の工程ごとに分けてご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

2

今回は、Doctor Mixが解説する「歴代のシンセサイザーTOP10」をご紹介します。みなさんがよく耳にする「あの音」は、実はこれらのシンセサイザーの音かも…!?「聞いたことある!」「あの音って、このシンセの音だったんだ!」と驚くこと間違いなしです!

3

CメジャーキーとAマイナーキーって、どう違うの? 聞き分け方はある? 今回はこのような疑問にお答えする内容です。 https://www.youtube.com/watch?v=lPDVo-7Ua28 ...

4

今回はバークリー音大卒業生のBasiaによる「バークリーQ&A バークリーに行く前に知っておくべきこと」をまとめました。Basiaはバークリー音大の作曲専攻を卒業しており、現在はシンガーソングライターとして活動しています。そんな彼女が、バークリー音大に憧れている人や受験を真剣に考えている人のために15の質問に答えます。

5

今回は、オーディオエンジニアのSean Divineが教える「複数楽曲のLUFS(ラウドネス)を統一する方法」をまとめました。曲のアルバムには複数の楽曲が入っており、「1曲目から最後の曲まで通して聴く」というリスナーもいます。そんなリスナーのために、LUFS(ラウドネス)を統一する方法をご紹介します。

ミクソリディアンモードを使ったゲーム音楽 6

今回は、8-bit Music Theoryが解説する「ミクソリディアンモードを使ったゲーム音楽」をまとめました。ゼルダ、FF、ポケモン、マリオなど、ゲーム音楽にはミクソリディアンモードを使った楽曲が数多くあります。「モードを使った作曲にチャレンジしたい!」という方には必見の内容です!

大きいスピーカーを買った方がいいミックスができるのか?おすすめのスピーカーは? 7

今回は「大きいスピーカーを買えばいいミックスができるのか?」をまとめました。一般家庭の部屋に置くには大きすぎるサイズのものもありますが、プロになるのであれば大きいスピーカーを買わなければならないのでしょうか?言い換えれば、大きいスピーカーを買えば、いいミックスやマスタリングができるようになるのでしょうか?

8

今回は、人気音楽プロデューサーのVirtual Riotが解説する「Serum 2の全新機能の解説」をまとめました。Xfer Records社「Serum2」で新しく追加されたプリセットの制作にも携わったVirtual Riotが、新機能17項目を徹底解説します。

9

今回は「カリッとしたボーカルにするためのMIXテクニック」をまとめました。全部で9個あり、組み合わせて使うことで非常に魅力的な音にすることもできます。初心者の方から上級者の方までお試しいただける内容ですので、ぜひご覧ください。

クロマティック・ミディアント(Chromatic Mediant)とは 10

今回は、イギリスの作曲家・Guy Michaelmoreが教える「クロマティック・ミディアント(Chromatic Mediant)とは?」をまとめました。映画音楽界で活躍する本人が、映画音楽でよく使われるクロマティック・ミディアントについて解説します!

-ソフト・プラグイン・機材