ポップスの曲をリハーモナイズする方法①【ジャズフュージョンスタイル】

ポップスの曲をリハーモナイズする方法①【ジャズフュージョンスタイル】
普段よく聞いているポップスの曲を、かっこよくリハーモナイズしてみたいけど、どうやったらできる?

 

今回はこのような疑問にお答えする内容です。

 

 

ベーシストであり、数々の音楽理論の解説動画をアップしているAdam Neelyが解説する「ジャズフュージョンスタイルのリハーモナイズ」をかんたんにまとめてみました。

今回は、解説者であるAdamが実際にやった「ポップスの楽曲をジャズフュージョンスタイルにリハーモナイズする方法」のうち、

 

・ジャズフュージョンスタイルアレンジのはじまりはいつ?
・ダイアトニック・リハーモナイゼーション
・ノンサイクリックコードとサイクリックコード
・ハーモニックリズム

 

の4つについてまとめています。

 

Part1:「ダイアトニック・リハーモナイゼーション」「ノンサイクリックコードとサイクリックコード」「ハーモニックリズム」について

Part2:「テンションを入れる」「セブンスコードを使ったサイクル5ルートモーション」「トライトーン・サブスティテューション」

Part3:リハーモナイズにおけるメロディーとコードの関係、クロマティックにリハーモナイズ、リハーモナイズにおけるコードの選び方、ミラーコード、マルチ・トニックシステム、十二音技法

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Adamがポップスの楽曲をリハーモナイズすると…

 

まずは、動画の冒頭をご覧ください↓

 

 

こちらは、Adamがポップスの楽曲をリハーモナイズしたものです。

 

「ポップスの曲をなぜこのようにアレンジしたの?」

「何でこういうアレンジをやろうと思ったの?」

 

こう思った方もいるでしょう。

そこで、リハーモナイズの仕方を解説する前に、これらを今までの歴史を踏まえて少し解説していきます。

 

「とりあえずリハーモナイズの仕方が知りたい」という方は、「ポップスの楽曲を選ぼう」まで飛ばしてOKです。

 

「Dirty Loops」によるアレンジ

 

このリハーモナイズのスタイルは、実はDirty Loopsというスウェーデンのアーティストが2011年にやっています。

こちらは、Lady GaGaの「Just Dance」のカバー。

 

 

シンコペーションやリハーモナイズをポップスの楽曲に多用し、アレンジしています。

これはゴスペルとジャズフュージョンからアイデアや手法を得ているのですが、とても新鮮なサウンドに聞こえますよね。

 

ただ、Dirty Loopsのアレンジは「完全に新しいスタイル」というよりも、昔のスタイルの延長線上」という感じがします。

 

Hard Bop

 

少し歴史を振り返ると、およそ1950年代の始め頃は、ジャズのアーティストたちはTin Pan Alley(アメリカの大衆音楽業界の通称)やアメリカの音楽、アメリカの映画音楽で人気を集めます。

 

そしてこれらを、新しいスタイル「Hard Bop」で演奏する即興ジャズの力を発揮する場としていたのです。

たとえばSonny Rollinsの「The Surrey With The Fringe On Top」は、もとはミュージカル「Oklahoma!」の楽曲。

 

 

Miles Davisの「Someday My Prince Will Come」は、もとは映画「白雪姫」の楽曲です。

 

 

これらはカバーされていますが、いずれも多くの人の耳になじみのある当時のポピュラーカルチャーの楽曲。

今でいうと、ジャスティンビーバーぐらい知名度・なじみのある楽曲や作品ですね。

 

ではこれを踏まえて、楽曲をどのようにしたら「ハーモニー的に」アレンジできるのでしょうか?

つまり、コードをどのように変えたらこういったアレンジができるでしょうか?

 

ここからは、リハーモナイズの仕方を解説していきます。

 

ポップスの楽曲を選ぼう

 

まずは、好きなポップスの楽曲を選びましょう。

 

今回は、チャートにランクインしている楽曲から選んでみます。

Ed Sheeranの「Shepe of You」が1位になっているので、今回はこの楽曲をリハーモナイズしてみましょう。

 

 

曲の構成をチェック

 

次に、曲がどんなコードでできているかをチェックしていきます。

原曲はCmキーですが、今回はDmキーに直しています。

 

1:44~

 

画像:動画より

 

サビはこのコード進行になっていますね。

Dm Gm – Bb C

2小節で1つのかたまりになっていて、これが繰り返される構造になっています。

 

さて、ここにどんなスパイスを加えていこうか、考えてみましょう!

 

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ダイアトニック・リハーモナイゼーション

 

まずは、ダイアトニック・リハーモナイゼーションを使ってみます。

マイナーキーの曲において、曲の雰囲気を変えたい時は「レラティブ・メジャーキー」のコードを使うのが手っ取り早いです。

 

「五度圏」の表を見るとわかりますが、Dマイナーキーのレラティブ・メジャーキーはFメジャーキーですね。

 

画像:https://dn-voice.info/music-theory/godoken/より

 

つまり、Fメジャーキーで使われているコードを「借りてくる」ことができます。

 

元は

Dm Gm – Bb C

でしたが、これを

F F/A – Bb C

このように変えることができます。

 

画像:動画より

 

実際の音がこちら↓

 

2:05~

 

かなり雰囲気が変わりましたね。

コードを変えることが、曲のムードを変えるのにどれだけ影響があるかがお分かり頂けたかと思います。

 

メロディーもちょっと変える

 

このリハーモナイズをするとき、メロディーも少し変えてOKです。

今回は、リハーモナイズ後のコードにフィットするよう、もともとはDだった音をFに変えている部分があります。

コードとメロディーがきれいにマッチするよう、メロディーにも気をつけてみましょう。

 

メロディーを変えずに、ダイアトニック・リハーモナイゼーションをしたい時は?

 

とはいえ、

 

メロディーは変えたくない。
でもダイアトニック・リハーモナイゼーションのテクニックは使いたい…

 

こういうときもあるでしょう。

 

ここで使えるのは、「ノン・サイクリック・コード」です。

 

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ノン・サイクリック・コード(Non-Cyclic-Chord)

 

まず「サイクリック・コード」とは、その小さなコード進行のかたまりの中で完結するものを指します。

ダンスミュージックやポップスでよく使われ、今回取り扱っている「Shape of You」でも使われています。

 

サイクリック・コードは使いやすいのですが、それとは裏腹に音楽的に制限される部分も出てきます。

 

しかし、もしこのコード進行をさらに延長することができるとしたら?

今回の楽曲でいうなら、「2小節で1つのかたまり」にしているところを、「4小節で1つのかたまり」にすることができたら…?

 

ノン・サイクリック・コードを使ってみよう

 

それでは実際に、やってみましょう。

 

2:57~

 

画像:動画より x2

 

F Gm – Bb A7

Dm Bb – Gm C

 

原曲の「2小節でひとかたまり」よりも、ストーリー性のある響きになりましたね。

 

最初はFメジャーコードから始まり、2小節目の最後はA7コードにしています。

このA7コードはDマイナーキーのV7(ドミナントセブンスコード)で、3小節目にDマイナーコードへと進行します。

落ち着いた印象のある進行ですね。

 

実はこれは、「ハーモニックリズム」のおかげでもあります。

 

ハーモニックリズム(Harmonic Rhythm)

 

これは「コードがどれぐらいのスピードで変化していくか?」を表すもので、「ハーモニックテンポ」とも呼ばれています。

今回の場合、2拍ごとにコードが変わっているので、ハーモニックリズムは「2拍」です。

 

ハーモニックリズムを変えてみる

 

しかし、もう少しコード進行にストーリー性を持たせるために、そのストーリーに沿ってハーモニックリズムをスピードアップさせてみたらどうなるでしょうか?

 

画像:動画より

 

F Gm – Bb C A7/C#

Dm Bb Am – Gm C

 

このような進行にしてみました。

2小節目と3小節目には、2分音符・4分音符・4分音符と、音価を短くしたパターンを2つ入れています。

 

ハーモニックリズムを変えてみるだけで、コード進行によりストーリー性が加わったことがわかりますね。

 

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ジャズっぽいリハーモナイズをしたいんだけど!

 

さて、ここまでご覧いただいた皆さんの中には、「もっとジャズっぽいリハーモナイズをする方法を知りたいんだけど?」と思っている方もいらっしゃると思います。

ここからは、よりコード進行をジャズっぽくする方法をご紹介します↓

 

ポップスの曲をリハーモナイズする方法②【ジャズフュージョンスタイル】