【音楽史】ドラムの歴史 Part13【ロカビリー】
- 2020.03.15
- 2020.03.17
- 用語解説・音楽史

昔のドラムってどんな感じだったんだろう?
このような疑問にお答えする内容です。
今回はPart13として、ロカビリーとドラムの歴史を振り返ります。
楽器の歴史を知ると、時代背景に沿った楽曲を作れるようになり、作曲の引き出しが増えますので、ぜひ最後までご覧ください!
(当時の再現演奏もあります!)
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1954年、ロックンロール
1954年は、人々にとっての「音楽」の概念が大きく変わる年となります。
そう、ロックンロールの誕生です。
ロックンロールのキーとなるのが「ロカビリー」なのですが、この言葉をあまりご存知ない方が多いでしょう。
今回は、このロカビリーについて解説していきます。
ロカビリー
ロカビリーはテネシーやテキサスなど、アメリカ南部に関わる音楽です。
基本的にはカントリーミュージックをベースにしており、これにドラムなどの「ビート」を加えているのが特徴。
ロカビリーの進化において、ドラムは非常に重要な役割を果たしています。
カントリーは、もとはヨーロッパから来た、アコースティック楽器をベースにした音楽です。
ドラムは使われておらず、アコギやバンジョーなどの弦楽器を中心に使っています。
しかし、1950年代になると他の音楽ジャンルがドラムを使い始め、カントリーも「よし、カントリーでもドラムを使ってみるか」と、新しい風潮が生まれます。
カントリー+ドラムという組み合わせは、ロカビリーというジャンルにおいて見られました。
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SUN STUDIO(Sun Recordings)
ロカビリーは、SUN STUDIOというレーベルで誕生しました。
ここは、Elvis PresleyやJohnny Cash、Jerry Lee LewisCarl PerkinsRoy Orbisonなどがレコーディングを行ったレーベルとして有名です。
彼らはいずれも、クールなロカビリーサウンドを追求していました。
ロカビリーのサウンド
ロカビリーにおいて、ドラムはそこまで目立つ役割ではありません。
時折「チッキ・チッキ・チッキ・チッキ」というクリック音が聞こえますが、これはドラムではなく、スラップベースによるもの。
コントラバスを弾いて演奏する「スラップベース」がリズムを刻んでいるので、そういった音が聞こえるのです。
「デッドストリングギター」というサウンドも、ロカビリーの特徴の一つです。
デッドストリングギターとは、コード音を鳴らさず、弦のパーカッシブなアタック音を鳴らす奏法です。
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「静かなドラム」再び
ロカビリーにおけるドラムは「控えめ」で、ブラシを使っていました。
ドラムにブラシを使う具体的な理由は、以前のPart4でお伝えした通りです。
初期ロカビリーのヒット曲は、Carl Perkinsの「Blue Suede Shoes」です。
この曲でも、前述のブラシ、デッドストリングギター、「チッキ・チッキ」のリズム、スラップベースが使われています。
聞いてみると、カントリーでもリズムアンドブルースでもなければ、ロックンロールでもない…
どちらかというと、全てを混ぜ合わせたようなサウンドであることがわかります。
これが「ロカビリー」です。
つづきのPart14はコチラ
https://www.mizonote-m.com/the-history-of-drums-vic-14/
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