【音楽史】ドラムの歴史 Part5【ジャズと各楽器の歴史】

【音楽史】ドラムの歴史 Part5【ジャズと各楽器の歴史】
ドラムってどんな歴史があるの?
昔のドラムってどんな感じだったんだろう?

 

このような疑問にお答えする内容です。

 

History of the Drumset – Part 5, 1917 – New Orleans Style Drumming

 

ドラムスティック・マレットを開発している世界的なメーカーVic Firthが解説する「ドラムの歴史」をかんたんにまとめてみました。

 

今回はPart5として、ジャズとニューオリンズ、そしてドラムセットに使われている楽器の歴史を振り返ります。

 

楽器の歴史を知ると、時代背景に沿った楽曲を作れるようになり、作曲の引き出しが増えますので、ぜひ最後までご覧ください!

(当時の再現演奏もあります!)

 

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ジャズのはじまり

 

ニューオリンズ出身の「オリジナル・ディキシーランド・ジャズ・バンド」は、ニューヨークに渡り、のちに世界的なヒット曲となる曲のレコーディングを行います。

 

これが今私たちが「ジャズ」と呼ぶスタイルのはじまりとなります。

「最初に正式にレコーディングされたジャズ」と呼べるでしょう。

 

Original Dixieland Jass Band – Livery Stable Blues (1917)

 

当時のニューオリンズにはたくさんのバンドが存在しており、このスタイルの音楽をやっているバンドは非常に多かったのです。

 

ルーディメンツとスイング

 

みなさんがご存知のドラマーには、たとえばBABY DODDS やZutty Singleton、Tony Sbarbaro(オリジナル・ディキシーランド・ジャズ・バンドのドラマー)がいるでしょう。

 

BABY DODDS – "Maryland" (drum demonstration)
Zutty Singleton – Drum Face
The Amazing Tony Sbarbaro (Spargo) with the ODJB

 

彼らがやっていたのは、以前のシリーズでもお伝えした、マーチングバンドアイデアを利用していたということです。

しかし、このときにはすでにバスドラムやスネアドラム、そして移民達がもたらしたシンバルやタム、ウッドブロックやカウベルなどの数々の民族楽器を合体させ、「ドラムセット」として同時に演奏していました。

このスタイルは当時人気だったラグタイムで用いられ、「ルーディメンツをベースとした楽器」から「ジャズで使われる楽器」に映り変わりつつありました。

 

当時のニューオリンズのドラマー達は、マーチングで用いられていたルーディメンツに加え、スイングのスタイルも取り入れていきます。

たとえば、オープンロールや押し込むようなロールなどですね。

 

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フィルを使い始める

 

この頃から、ドラマー達はフィル(フィルイン)を使い始めます。

当時は、こんな感じの演奏でした。

 

3:21~4:17

History of the Drumset – Part 5, 1917 – New Orleans Style Drumming

 

当時のドラムセットに使われていた楽器

 

ここからは、当時のドラムセットに使われていた楽器を紹介していきます。

 

ウッドブロック

 

画像:https://en.wikipedia.org/wiki/Jam_block

 

ウッドブロックは、中国や韓国から渡ってきた楽器です。

写真はプラスチック製のもの。

 

カウベル

 

画像:https://www.thomann.de/gb/meinl_stb625_cowbell.htm

 

カウベルは様々な国・文化間で使われていました。

 

シンバル

 

画像:動画より

 

上の画像のうち左のシンバルはトルコで使われていたタイプのシンバルで、有名なシンバルメーカー「Zildjian」のシンバルです。

Zildjianは20世紀初期にアメリカに渡ったトルコのメーカーで、これまでお伝えしてきた移民グループの1つでした。

(ちなみにZildjianの会社自体は1623年にトルコで誕生しています)

 

一方右側のシンバルはチャイナシンバルで、中国で使われていたシンバルです。

 


つづきのPart6はコチラ

【音楽史】ドラムの歴史 Part6【シカゴスタイルのドラム】