【音楽史】ドラムの歴史 Part10【ビーバップとライドシンバル】
- 2020.03.12
- 2020.03.17
- 用語解説・音楽史

昔のドラムってどんな感じだったんだろう?
このような疑問にお答えする内容です。
今回はPart10として、ビーバップとライドシンバルの歴史を中心に振り返ります。
楽器の歴史を知ると、時代背景に沿った楽曲を作れるようになり、作曲の引き出しが増えますので、ぜひ最後までご覧ください!
(当時の再現演奏もあります!)
スポンサードサーチ
1941年ごろのドラム
これまでは、ジャズはダンスミュージックの1つとして考えられていました。
しかし、この頃から少しずつ新しい考え方が生まれてきます。
多くのジャズミュージシャン(特にアフリカ系アメリカ人)たちは、ただ踊る人たちのために演奏することよりも、もっと大事なことがあるのではないかと考えるようになりました。
これは、必ずしもミュージシャンたちが満足できるものではなかったからです。
彼らは、もっと演奏して、もっと経験を積んで、もっとジャズを推し出したい、そう思っていました。
ビーバップ
そこに現れたのが、ビーバップです。
1940年初期、「ビーバップ」とよばれる、即興をベースにしたスタイルが生まれました。
ミュージシャンたちは昔のスタンダードであったスタイルを利用し、メロディーをリライトするなどして、音楽をより複雑にし始めたのです。
初期ビーバップにおいては、Mad RoachやKenny Clarkなどのドラマーが有名です。
彼らは両方ともスイングドラマーでしたが、その時まだマーチングドラムのように大きなバスドラムが使われており、低音が非常に大きくブーンと鳴ることにうんざりしていました。
スポンサードサーチ
ライドシンバル
そこで考えたのが、「より小さなバスドラムを使う+さらに小さなシンバルを使う+逆により大きなシンバルを使う」という考え方です。
「小さなシンバル」というのは、現代のスプラッシュシンバルのような感じのシンバルですね。
「より大きなシンバル」というのは、今は「ライドシンバル」と呼ばれるものにあたります。
これをタムやバスドラム、ハイハットなどの上に置くようになりました。
このように新たな楽器を付け加えることで、よりメロディックなドラムになると考えたのです。
このビーバップスタイルは、ジャズをダンスミュージックらしくさせただけでなく、「ビーバップ」というスタイルそのものを確立するものになりました。
ドラマーたちは、ただ「人々を踊らせるためのドラム・音楽」ではなく、「芸術」としてドラムを叩くようになったのです。
ビーバップスタイルのドラミング↓
3:12~
ビーバップドラミングの特徴
前述の通り、ビーバップ時代のドラマーたちは、以前のドラムスタイルをベースとし、ただリズムを刻むだけではなく、よりメロディックに、複雑に演奏したいと考えていました。
では、以前と比べてドラミングはどのように変わっているでしょうか?
実際に演奏して聴き比べてみましょう。
まず、スイング時代のドラミングはこちら。
バスドラムは四つ打ちで、メロディーは「まぁまぁ掴める」という感じです。
4:40~5:00
これに対し、ビーバップスタイルのドラミングを見てみましょう。
バスドラムはより小さいものになり、シンバルはライドシンバルを含む大きなものから小さなものまであります。
スネアはヘッドをきつめに締めてあります。
5:40~5:57
つづきのPart11はコチラ
-
前の記事
【音楽史】ドラムの歴史 Part9【Gene Krupaと”Sing Sing Sing”】 2020.03.11
-
次の記事
【音楽史】ドラムの歴史 Part11【リズム&ブルース・シャッフル・バックビート】 2020.03.13