楽器解説

【音楽史】ドラムの歴史 Part1【ドラムのはじまり】

ドラムってどんな歴史があるの?
昔のドラムってどんな感じだったんだろう?

このような疑問にお答えする内容です。

History of the Drumset - Part 1, 1865 - Double Drumming

ドラムスティック・マレットを開発している世界的なメーカーVic Firthが解説する「ドラムの歴史」をまとめました。

今回はPart1として、ドラムの歴史がスタートした1865年ごろを振り返ります。
(当時の再現演奏もあります!)

ドラムのはじまりは1865年

ドラムの歴史のはじまりは、1865年ごろです。

なぜ「1865年」とはっきり言えるかというと、この年はアメリカの南北戦争が終わった年だからです。

南北戦争が終わり奴隷制度が崩壊したことで、奴隷として扱われていたアフリカ系の人々とその子孫たちは自由の身になり、アメリカ社会で新しい人生をスタートさせ、アメリカ音楽に大きく貢献することになります。

後ほどのドラムの歴史シリーズでも解説しますが、このアフリカ系アメリカ人たちが、ドラムセットと演奏法の発展に大きく貢献することになります。

寄席とドラム

1865年に、もう一つ大きな出来事が起こります。

それは、「1個以上の楽器を同時に演奏する」という奏法を、ドラマーたちがはじめたことです。


画像:マーチングバンド(https://ae.vicfirth.com/wp-content/uploads/27.webp)

もともとはマーチングバンドやオーケストラスタイルの演奏法が主流で、バスドラム担当・スネアドラム担当・シンバル担当、といったように、各個人が1つの楽器を担当していました。

しかしこの年になると寄席がさかんになり、ドラマー達が「1人の人間が複数の役割をこなすにはどうしたらいいだろうか?」と考えるようになります。

1865年に流行っていた音楽


画像:ダブルドラミング(https://ae.vicfirth.com/wp-content/uploads/09.webp)

1865年に流行っていた音楽は、マーチングバンド音楽でした。

当時はまだジャズもロックもブルースもなかった時代です。

マーチングバンドでは、ルーディメンツやバスドラムやスネアドラムなどの楽器、そして「ドンチャ・ドンチャ」というリズムが使われています。

ドラマー達は、このマーチングバンドで使われていたアイデアを「同時に1個以上の楽器で演奏しよう」と考え、バスドラムとスネアドラムを同時に演奏する方法を編み出したのです。
(しかし、このころはまだバスドラムにペダルがありませんでした)

これは「ダブルドラミング」と呼ばれています。

ダブルドラミングの再現演奏(2:11~2:45)

History of the Drumset - Part 1, 1865 - Double Drumming

この演奏を見てお分かりの通り、バスドラムはダウンビートに体重がかかるような演奏をしています。

マーチングバンド音楽は道いっぱいにいる兵士の軍隊を行進させるために使われていたものです。

そのため、非常にシンプルでわかりやすいスタイルである必要がありました。

Part2でご紹介する「ラグタイム」という音楽では、このマーチングの基本的なアイデアをベースに、シンコペーションを用いたスタイルが使われています。

こちらはよりダンスミュージックに近い形になります。


Part2はコチラ↓


人気記事

1

今回は、DTMプラグインの中で最も有名な製品の1つであるSpectrasonics社「Omnisphere 3」の新機能と使い方をまとめました。2025年10月に発表された今作ですが、前作の「Omnisphere 2」と何が変わったのか、新機能とその使い方を解説していきます。

2

この記事では、世界中の作曲家・音楽プロデューサーが使っているおすすめのブラス(金管楽器)音源をご紹介します。同じ楽器でも音源によって音色が少し異なりますので、複数持っていると使い分けることができるほか、レイヤーしたときもリアルさと壮大さを増すことができます。

3

今回は「DTMer&ボカロPには外付けHDDよりNASをおすすめする3つの理由」をまとめました。NASはDTMerや動画編集者など「大容量のデータを管理する人」「外付けHDDをどんどん買い足さなければならない人」にはとてもおすすめですが、なぜ外付けHDDよりNASをおすすめするのか、その理由を3つご紹介します。

4

今回は、音楽プロデューサーのNathan James Larsenが教える「プロのようにポップ・ファンクのブラスを作る方法」をまとめました。プロがどのようにしてブラスを打ち込んでいるのか、コツを8つご紹介します。

5

今回はボーカル定番マイク「SM7B vs SM58」をまとめました。ボーカルやギターのレコーディングによく使われるのが、SHURE社のSM7BとSM58です。どちらも超定番のマイクですが、一体何が違うのでしょうか?この記事ではそれぞれの特徴をじっくりご紹介しながら、どちらのマイクを選ぶべきか、その基準を解説します。

6

今回は、初心者からプロまで使えるおすすめのDTMスピーカー21選をまとめました。 この記事では、以下2つの条件を満たしているスピーカーだけをご紹介します。 ・2025年1月現在、日本の通販で誰でも新品 ...

7

今回は、音楽プロデューサーのIZZYが解説する「プロのようなボーカルミックスをする秘密の公式」をまとめました。作曲においてプロとアマチュアを分けるポイントの1つが、ボーカルミックスのクオリティです。この記事では、どのようにすればプロのようなボーカルMIXができるのかを解説していきます。

8

今回は、音楽好きの方や音楽家・DTMerにおすすめのふるさと納税返礼品をまとめてご紹介します。楽器本体、楽器関連機器、パソコン関連機器、音楽関係のチケット、音楽関係の雑貨など、音楽に関係する返礼品は非常にたくさんあります。気になる返礼品があれば、ぜひチェックしてみてください!

9

今回は、「Sonarworks SoundID Referenceの使い方」をまとめました。

DTMをするなら絶対に持っておきたいこの製品について、なぜこの製品がおすすめなのか、どの種類を買うべきなのか、具体的な使い方と測定方法をご紹介します。

-楽器解説