【音楽史】ヒルビリーミュージックの歴史

【音楽史】ヒルビリーミュージックの歴史
ヒルビリーミュージックって何?
カントリーミュージックと関係あるみたいだけど、何が違うの?

 

今回はこのようなお悩みにお答えする内容です。

 

 

音楽史なんて知る必要ないんじゃ?と思うかもしれませんが、これを知っておくことで「なんとなく」ではなく「意図を持ってそのジャンルの曲を自在に作れるようになります。

作曲の引き出しが増えますので、ぜひご覧ください!

 

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「ヒルビリー」という名前

 

ヒルビリーとは、「田舎者」「田舎っぺ」という、ちょっと差別的な意味合いがある言葉です。

もともとアメリカの田舎の人たちを中心にやっていた音楽でしたので、ヒルビリーミュージックは「田舎者がやってる音楽」という認識でした。

ちなみに地域でいう「ヒルビリー」は、アメリカ南部の田舎、アパラチア山脈やオザーク高原付近を指します。

 

「ヒルビリーミュージック」という言葉の誕生

 

ヒルビリーミュージックは、かつてはカントリーミュージックとしてよく知られていた”ラベル(言葉)”です。

1925年にピアノストのAl Hopkinsによってこの言葉が作られ、1950年まで続いていました。

 

「ヒルビリーミュージック」のカテゴライズは、ブルーグラス、カントリー、ウエスタン、ゴスペルなど、多岐に渡ります。

 

アパラチアンフォークソングは、「ヒルビリー」というラベルより前にすでに存在していました。

のちに市場が「伝統的なアパラチアンフォークソング」を取り扱い始め、手を組みはじめたところで「ヒルビリーミュージック」が誕生します。

 

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20世紀初期:「ヒルビリー」が広まり始める

 

20世紀初期、アーティストたちは”ヒルビリー”というラベルを利用しはじめます。

OKeh RecordsのレコーディングディレクターRalph Peerは、バージニア(アメリカ南東部)に行ってこの音楽をレコーディングしたとき、この言葉が南部の人々すべてに使われていると知ると、それ以降この言葉はどんどん広まっていきました。

 

The York Brothersは楽曲の一つに「Hillbilly Rose」という名前をつけ、the Delmore Brothersは「ヒルビリーブギ」を推し始めました。

 

 

(Hillbilly Roseの音源は見つかりませんでした…)

 

 

1927年ごろ:白人リスナーにも広まり始める

 

1927年になると、インディアナ州リッチモンド(アメリカ中西部)にあるGennett Studiosが、黒人フィドル奏者Jim Bookerのレコーディングを行います。

そしてその時の曲には”Made For Hillbilly”というラベルを使い、白人のリスナーにも売り出し始めました。

 

 

また、Columbia RecordsはAl HopkinsやFiddlin’ Charlie Bowmanなどの「ヒルビリーズ」とともに大きな成功を遂げていきました。

 

 

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1940年代後半:ラジオ局もヒルビリーミュージックを使い始める

 

1940年代後半になると、ラジオ局も”ヒルビリーミュージック”のラベルを使い始めます。

もともと「ヒルビリー」はフィドル奏者やストリングスバンドに対して使われていた言葉でしたが、今では伝統的なアパラチアンミュージックを指す言葉として使われています。

アパラチアンの人たちは、自分たちの曲に対してこの言葉を使うことはありませんでした。

 

また、ヒルビリーとアフリカ系アメリカ人の音楽両方の特徴を備えたポピュラーソングは、「ヒルビリーブギ」「ロカビリーブギ」と呼ばれていました。

ロカビリー:ロックンロール+ヒルビリー

 

ヒルビリーブギ

 

ロカビリーブギ

 

エルヴィス・プレスリーはロカビリーのプレイヤーとして有名で、最初の頃は「ヒルビリーキャット」として知られていました。

 

 

1958年にカントリーミュージック協会が設立されると、「ヒルビリーミュージック」は徐々に使われなくなっていきます。

音楽業界がヒルビリーミュージック、ウエスタンスイング、カウボーイミュージックをまとめて「C&W(カントリーアンドウエスタン)」という名前にまとめるようになったのです。

 

Hank Williamsなど、一部のアーティストとそのファンたちは「ヒルビリーミュージック」という言葉が使われることを嫌っていました。

最近では頻繁に使われることはなくなりましたが、オールドタイムミュージックやブルーグラスなどのジャンルにおいては、この言葉が使われることもあります。

 

たとえば、「WHRBブロードキャスト」では、「Hillbilly at Harvard」というタイトルの人気番組があります。

この番組はオールドタイムミュージックやブルーグラス、伝統的なカントリー&ウエスタンの楽曲をミックスして放送しています。

 

 


 

ちなみに今回の話にも出てきた「アパラチアンミュージック」については、こちらでまとめています↓

 

【音楽史】アパラチアンミュージックとは?【概要編】