「位相問題」とは?原因と対処方法も解説!【海外プロ解説】

こんな疑問にお答えする内容です。
今回はUniversal AudioのDaniel Keller氏による位相問題の解説を、かんたんにまとめてみました。
「位相」と聞くと、>レコーディングやミキシングのときのみ関係しているのでは?と思っている人がいるかもしれません。
そのため、こちらの記事はミキシングエンジニアやレコーディングエンジニアだけでなく、作曲家やアレンジャーなどにも関わる内容です。
位相と位相問題について理解し、より良い音楽を作れるようにしましょう!
原文ページにある画像を見ながら読み進めると、より理解しやすくなります。
スポンサードサーチ
位相の衝突が発生するケース
・一つのソースに対して1つ以上のチャンネルが使われる時によく発生する。
(1つのギターをステレオで録音する時など)
・使うマイクの数が多ければ多いほど、位相問題を避けづらくなる
スネアドラムの例
・普通は、スネアの上と下でマイキングする。トップヘッド・ボトムヘッドは動作に対して真逆に動く。
(例えばトップヘッドを打ったとき、トップヘッドは内側に動き、ボトムヘッドは外側に動く。この時、2つのマイクは真逆の位相で録音される。)
Delayの例
・ReverbプラグインにおけるPreDelayを含め、Delayでも位相問題が起こる。
・元の信号(Delayをかける前の音)と位相の問題を起こすようなDelayを作ってしまうことがある。
位相問題が起こるメカニズム
1.別の周波数の音波が別のマイクに異なるタイミングで到達する
2.他のマイクが負の位相をキャッチしている間、別のマイクでは正の位相をキャッチする
3.全ての音波の位相が予測できない状態になる
スポンサードサーチ
位相問題が起こるとどう聞こえる?
・位相打ち消しは低音成分に顕著に現れる
・基本的に低音がほとんどない、または全く無い薄い音に聞こえる
・キックやベースギターでは、ある一箇所から鳴っているような音ではなく、動き回っているように聞こえる
・中央にパンニングされた信号が消えたとき、片側にパンニングされた音が強く残る
(リードボーカルやソロ楽器に出てくるケース。メインパートは消え、リバーブだけ残る。)
位相問題チェック項目
・誤ってチャンネルの極性を反転させてしまっていないか?
(モニター配線を逆極にしていないか?)
・聞く音源をモノにしてみる。
(位相問題が起こっていると、前述「位相問題が起こるとどう聞こえる?」のように聞こえる。)
スポンサードサーチ
まとめ
位相問題について、以前よりもイメージできるようになったでしょうか?
冒頭では「音楽制作に関わる人に関係する」とお伝えしました。しかしご察しの通り、スピーカーを使っている方なら誰しも経験する可能性のある問題です。
まずはご自身のモニター環境のチェックから始めましょう!
もう少し音響科学を勉強したいなと思った方には、こちらがおすすめです。
-
前の記事
音楽関係者にスカウトされるための10のコツ【海外音楽ジャーナリストが教える】 2019.06.12
-
次の記事
「等ラウドネス曲線」とは?単位「Phon」の意味も解説します 2019.06.12