用語解説

【DTM】「Pre Fader」と「Post Fader」の違いとは?

Logic Pro X - Pre-Fader vs. Post-Fader Metering

今回は、MusicTechHelpGuyが解説する「Pre Fader MeteringとPost Fader Meteringの違い」をまとめました。

DTMのSendエフェクトで使われる「Pre Fader」「Post Fader」「Post Pan」「Independent Pan」と一緒に覚えておきたい用語・機能です。

関連記事

全てのDAWに共通する「音量フェーダー」に関する大切な知識ですので、ぜひここでマスターしましょう!

「Pre Fader Metering」と「Post Fader Metering」とは?

「Pre Fader Metering」と「Post Fader Metering」は、両方とも「音量フェーダーに表示する数値」に関する用語です。

Pre Fader Metering

音量フェーダーを通る前の音量を表示する

Post Fader Metering

音量フェーダーを通った後の音量を表示する

実はこの2つをよく知っておかないと、音量フェーダーで見ている情報を勘違いしたまま見ていることになります。

それではここからは、具体的に2つの例を見ていきましょう。
※Pre Fader MeteringとPost Fader Meteringの設定方法はDAWによって異なりますので、「DAW名 Pre Fader Metering/Post Fader Metering」で検索してください。

「Post Fader Metering」を使った例

それでははじめに、シンプルなギターの音を使って「Post Fader Metering」の例を見ていきましょう。

音量フェーダーを動かしながら再生しますので、音量フェーダーのメーター(緑色)に注目してお聞きください。

Logic Pro X - Pre-Fader vs. Post-Fader Metering

単純に、音量フェーダーを上げればメーターも上がり、音量フェーダーを下げればメーターも下がりました。

このPost Fader Meteringがデフォルトで設定されていることが多いので、ここでは特に違和感を覚えない方が多いでしょう。

「Pre Fader Metering」を使った例

次は、「Pre Fader Metering」を使った例を見ていきましょう。

先ほどと同様に音量フェーダーを動かしながら再生しますので、音量フェーダーのメーター(緑色)に注目してお聞きください。

1:10~1:18

Logic Pro X - Pre-Fader vs. Post-Fader Metering

音量フェーダーを上げ下げすると、それに合わせて実際に聞こえる音の音量も変わりますが、メーターはそれに付随していません。

「音量フェーダーを下げたのにメーターが変わらないって、なんだか不便じゃない?」と思うかもしれませんが、これを踏まえて、この2つの機能の何に気を付けなければならないのかを解説していきます。

99%の人がクリッピング(音割れ)したときにやること

例えば「Post Fader Metering」にした状態で、ギタートラックにコンプレッサープラグインを追加し、プラグイン内で音量がとても大きくなるように設定をします。

こうすると、プラグインを使ったことでクリッピングが発生し、メーターが0.0dBを超えて赤色になります。

【DTM】「Pre Fader Metering」と「Post Fader Metering」の違いとは?【MIX・クリッピング対策】
https://www.youtube.com/watch?v=8YOv8sY6Kqk

このようなとき、普通であればクリッピングしないように音量フェーダーを下げ、メーターが緑色か黄色になるように対処するでしょう。

1:57~2:04

Logic Pro X - Pre-Fader vs. Post-Fader Metering

コンプレッサーを使ったことで音量が大きくなりすぎたので、音量フェーダーを調節して-0.2dBに収まるようにしました。

【DTM】「Pre Fader Metering」と「Post Fader Metering」の違いとは?【MIX・クリッピング対策】
https://www.youtube.com/watch?v=8YOv8sY6Kqk

基本的には「Post Fader Metering」がデフォルトの設定になっていることが多いので、多くの人がこのような方法でDTMをしているでしょう。

音量フェーダーを下げただけではクリッピングを防げない?

ここで、こちらの画像をご覧ください。

【DTM】「Pre Fader Metering」と「Post Fader Metering」の違いとは?【MIX・クリッピング対策】
https://www.youtube.com/watch?v=8YOv8sY6Kqk

これは、クリッピング(音割れ)していない元の音の波形(左)と、音量が上がりすぎてクリッピングされてしまった音の波形(中央)と、クリッピングした音の音量を下げた時の波形(右)です。

中央の波形はクリッピングしてしまっているので、音量が大きすぎる部分(波形のはじまり)が切り取られ、尖った形から少し四角っぽい形に変わっています。

右の波形はそのクリッピングされた音の形(中央)をそのまま小さくしただけなので、四角っぽく切り取られた形がそのまま残っています。

波形の大きさで見れば一番左の元の波形と同じぐらいに見えますが、よく見るとクリッピングによって切り取られた音の始まりの部分の形が大きく変わってしまっています。

これは、エフェクトプラグイン等を使ってクリッピングが発生し、波形が変わってしまったら、後から音量フェーダーを下げても直らないことを表します。

ドラムのようにアタックが強く、パンチのある音が欲しいときには致命傷です。

そのため、エフェクトプラグインを使った結果音量が上がりすぎてクリッピングが発生し、真ん中の波形のように音が潰れてしまったら、音量フェーダーでクリッピングを調整すればいいのではなく、エフェクトプラグインを使っている段階でクリッピングしないようにする必要があるのです。
※あえてクリッピングさせて音を歪ませたい場合は問題ありません

エフェクトプラグインを使っている段階でクリッピングを防ごう

このことから、「Post Fader Metering」にしているとき…つまり「エフェクトプラグインを通った後の音を音量メーターに表示している場合」は、音量フェーダーを使ってクリッピングを無理やり解決しようとするのではなく、エフェクトプラグインを使っている段階で(音量フェーダーを通る前の段階で)クリッピングしないようにするのがおすすめです。

例えばコンプレッサーには「Make Up Gain」など、コンプレッサーを使った後の音量を調節できるパラメーターがあったり、ディストーションプラグインにも「Gain」のパラメーターがありますので、そちらを活用するとよいでしょう。

「Pre Fader Metering」を活用しよう

これまでの内容を踏まえると、「音量フェーダーを上げても下げてもメーターが変動しない」という「Pre Fader Metring」も、実はとても使える機能だということがお分かり頂けると思います。

この機能は「エフェクトプラグインを通った後で、音量フェーダーを通る前の音」の音量をメーターに表示することになります。

つまり、Pre Fader Meteringを使っている状態でクリッピングしていなければ、「エフェクトプラグインを通った後の音は、クリッピングしていない=キレイな音」ということになります。

パンチがある&キレイなMIXをするコツ

今回は音量フェーダーに関する内容でしたが、パンチのある音&キレイな音を作るためには大切な知識をご紹介しました。

この他にも、当サイトでは他にもパンチがある&キレイなMIXをするコツをご紹介していますので、ぜひこちらもご覧ください↓


人気記事

大きいスピーカーを買った方がいいミックスができるのか?おすすめのスピーカーは? 1

今回は「大きいスピーカーを買えばいいミックスができるのか?」をまとめました。一般家庭の部屋に置くには大きすぎるサイズのものもありますが、プロになるのであれば大きいスピーカーを買わなければならないのでしょうか?言い換えれば、大きいスピーカーを買えば、いいミックスやマスタリングができるようになるのでしょうか?

2

今回は、DTMで伝説と言われているEQの1つ「Pultec EQ」の魅力と使い方ついてまとめました。なぜこのEQが世界中で使われているのか、Universal Audio社のプラグインを使いながらその魅力と使い方をご紹介します。

3

今回は「UAD社「Apollo Twin X」は高いけど買うべき10の理由」をまとめました。他社では2万円程度の製品がある中で、Apollo Twinは約10万~20万円です。この記事では、Apollo Twinは値段相応の価値があるのかについて解説します。

4

今回は、「Sonarworks SoundID Referenceの使い方」をまとめました。

DTMをするなら絶対に持っておきたいこの製品について、なぜこの製品がおすすめなのか、どの種類を買うべきなのか、具体的な使い方と測定方法をご紹介します。

5

今回は、オンラインレッスンに対応しているDTMスクール・音楽教室をまとめました。 対面・オンラインの両方に対応しているスクールもありますので、対面でじっくり教わりたい方、遠方に住んでいて通学が難しい方 ...

6

今回は低音域の吸音が重要な理由をまとめました。200Hzの低音域は部屋でどのように鳴り、人間の耳にはどのように聞こえ、それが映画や音楽を楽しむときにどう影響するのか、どのような吸音材を選べばいいのか、おすすめの吸音材もまとめてご紹介します。

7

今回は、Waves社のリミッタープラグイン「L4 Ultramaximizer」の新機能と基本的な使い方をまとめました。最新作「L4 Ultramaximizer」は、これまでLシリーズを使ってきた方にもそうでない方にも非常におすすめできるプラグインですので、ぜひチェックしてみてください。

8

今回は、カナダの大学・Humber Polytechnicの卒業生であるSamurai Guitaristが教える「音楽大学・専門学校は行くべきか?」をまとめました。大学の音楽学部で音楽の学位(ギター専攻)を取得した彼が、音大や音楽専門学校に行く前に考えるべきことと、入学した後にやるべきことを解説します。

9

今回は、Big Zが解説する「リバーブをかける前に見てほしい動画」をまとめました。リバーブは音に残響を加えるエフェクトですが、よりよい楽曲づくりやキレイなミックスのためには、よく使い方を考える必要のあるエフェクトでもあります。この記事では、リバーブを適切に・効果的に使うために必要なコツを3つご紹介します。

10

今回は「DTMで音を広げる7つの方法」をまとめました。 真ん中から聞こえる音を左右から聞こえるようにしたい 音を完全に左右に広げたいけど、音が変になる…このようなお悩みを解決できる内容になっていますので、ぜひお試しください。

-用語解説