音楽ジャンル解説

【音楽ジャンル】ファンク(Funk)とは?どんな音楽?【概要編】

今回は英語版wikipediaの「ファンクミュージック」をまとめました。

この記事ではPart1として、ファンクのざっくりした説明(言葉の定義と語源、このジャンルで有名なアーティスト、音楽的な特徴)をします。

ファンクは音楽的にも歴史的にもとてもおもしろいため、このシリーズは長編になっていますが、読み進めれば必ずどこかで面白さがわかってきます!

「ファンク」とは?

ファンクとは、1960年代中盤にアフリカ系アメリカ人のコミュニティの中でできたジャンルのことです。

音楽ジャンルの名前を使って説明すると、ソウル・R&B・ジャズを融合させた、リズミカルでダンサブルな「新しい音楽の形」です。

Top 25 Greatest Funk Songs Of All Time

最近の曲だと、Bruno MarsとMark Ronsonの「Uptown Funk」が有名です。

Mark Ronson - Uptown Funk (Official Video) ft. Bruno Mars

ファンクのざっくりとした音楽的な特徴

ファンクとは?

ここからは、かんたんにファンクのメロディーやリズム、コード進行の特徴について解説します。

ファンクはメロディー・コードよりもリズム・グルーヴ感

ファンクではメロディーやコード進行の主張はやや弱く、その代わりにベースやドラムの強いリズム感・グルーヴ感が目立ちます。

実際にファンクの曲を聞いてみると、コード進行は他のジャンルに比べてやや分かりづらく、どちらかというと「リズムを楽しむ音楽」という印象を受けると思います。

テンポは、他のジャンルに比べると遅めの曲が多いです。

複雑に絡み合うリズム

アフリカ系アメリカ人によって生まれた音楽(ソウルやR&Bなど)の特徴として挙げられる「複雑に絡み合ったリズム楽器」はファンクにもあり、これが「催眠的・心酔する感じ」「踊りたくなる感じ」を演出しています。

10 Funky Guitar Riffs (guitar cover with tabs & chords)
Funk Drum Groove (105 BPM)

ファンクのコード進行

コードでは、テンションコードがよく使われています。

これはビバップジャズ(音楽ジャンル)でよく使われているもので、「マイナーコード+7thや11th」「ドミナント7th+9thもしくは13th」が多く見られます。

FUNK CHORDS! (everyone should know)

ファンクはいつ誕生した?

ファンクは1960年代中盤にできたジャンルです。

「ソウルのゴッドファーザー」とも呼ばれたJames Brownが、ダウンビートを強調したグルーヴを開発したのが始まりです。

これに加えて、拍子の最初(1拍目)を強調し、ベースやドラム、ギターのリフにはスイングさせた16分音符やシンコペーションを多用します。

1拍目(ダウンビート)を強調する例

Soul Deep - James Brown - The one

ファンクで著名なアーティスト

James Brownがファンクのスタイルを確立した後、以下4組のアーティストがその後のファンクの発展に貢献しました。

Sly and the Family Stone

Sly & The Family Stone Thank You (Falettinme Be Mice Elf Agin) HQ Audio

The Meters

The Meters - Funky Miracle

Parliament-Funkadelic

Parliament Funkadelic - Bring The Funk

Rufus

Rufus -Take it to the top (1983) FUNK

ファンク(Funk)という言葉の由来は?

Funkは、「強いにおい(Strong Odor)」という言葉や意味が元になっているとされています。

もともとラテン語に「Fumigare」という言葉があり、これは英語で「Smoke」を表す言葉です。
(これが英語で最初に記録されているのは1620年)

そして1784年になると、「Musty(カビ臭い・時代遅れ)」を表す「Funky」という言葉が出現します。

さらに1900年ごろになると、ジャズにおけるスラングで「深い・強い感じ」を表す「Earthy(土っぽい、洗練されてない・粗野な)」という意味合いになっていきます。

Funk = 体臭?努力?

他の説として、中央アフリカの言葉「lu-funki」が由来だという説、コンゴ語の「lu-fuki」が由来だという説がありますが、いずれも「体臭」を意味する言葉です。

コンゴ語の説においては、「lu-fuki」という言葉はもともとアフリカのミュージシャンたちの間で「その芸術の完全さ」を称賛するために使われたり、目標達成するために努力したことを称賛するために使われていた言葉とされています。

白人文化と黒人文化での違い

当時の白人文化においては、「ファンク」という言葉は「臭い」の意味合いがあったり、「イヤなムードの中にいる」といった、ネガティブな意味で使われていました。

一方アフリカ系アメリカ人のコミュニティでは、「臭い」という意味にはやや関連しているものの、「ミュージシャンたちが努力している」「汗水垂らして誠実に頑張っている」など、素晴らしいフォーマンスをするために行われた身体的な努力といった、ポジティブな意味で使われていました。

「Funk」の使われ方

1907年になるころには、ジャズの楽曲で「Funky」に関連するタイトルが付けられています。

たとえばBuddy Boldenは「Funky Butt」という楽曲をリリースしています。

Funky Butt

1950年代後半から1960年代前半には、FunkやFunkyという言葉はジャズに関連する意味合いで多く使われ始めます。

しかし、依然としてフォーマルな会社などでは、不適切な表現として扱われていました。

「Funky」の意味の変化

ニューオリンズ生まれのドラマーEarl Palmerは、「Funkyという言葉が最初に使われたのは、”もっとシンコペーションして踊れるような楽曲にするべきだ”ということを他のミュージシャンに伝えたとき」としています。

実際に、ファンクは後に勢いよく、リズムを強調し、より”肉質的”であることを示すようなスタイルになっていきます。

そして「ゆっくりと、セクシーで、ルーズな感じで、リフ志向の、ダンサブルな音楽」として親しまれるようになります。


以上で概要編の解説は終了です。

ここからは、ファンクについてより具体的な解説に入ります。

↓つづき「ファンクのリズム・テンポの特徴、よく使われるコード進行やスケール」


人気記事

1

今回は、大人気プラグインメーカーのCableguysが解説する「音にまとまりを出す方法4選」をまとめました。ボーカル、ギター、ベース、キーボード、ドラム...どれも1つ1つしっかり作っているのに、全体で聞くとなんとなくまとまりがなく、バラバラに聞こえる…こんなお悩みにお答えする「音にまとまりを出す方法」を4つご紹介します!

2

今回は、SynthHackerが解説する「2024年を制するボーカルチョップトリック」をまとめました。ボーカルチョップは、フューチャーべース(Future Bass)やEDMなどによく使われるボーカルテクニックで、とてもかっこいいアレンジ方法の1つです。この記事では、誰でも無料でイマドキのかっこいいボーカルチョップを作るコツをご紹介します。

3

ボーカルやギターなどの楽器の録音におすすめのマイクはある?ダイナミックマイクとコンデンサーマイクってどう使い分ければいいの?今回はこのような方のために、おすすめのマイクをご紹介します!1万円代&高品質のマイクを解説していきます。

4

今回は、Sage Audioが解説する「ボーカルミックスの最終ステージ」をまとめました。ボーカルミックスでよくあるのが、ボーカルがインストに埋もれてしまって聞こえづらいという問題です。今回はこの問題の対処方法を3つご紹介します!

5

今回は、Make Pop Musicが解説する「超広がりのあるシンセサウンドを作る6つのテクニック」をまとめました。「バーンと壮大に広がりがあるような音にならない」「音を広げようとしたけどなんだか曲になじまない…」という方も、6つのテクニックを使えば、このような広がりと重厚感・迫力のあるサウンドを作ることができます。

6

今回は、DTMにおすすめのコンパクトなスピーカーを5つご紹介します。いずれも小さな机で手軽に使える上に、値段もお手頃で数万円程度で購入できます。世界的なプロも愛用しているスピーカーもありますので、初心者の方も、本格的にDTMをしたい方もぜひチェックしてみてください!

7

今回は、ユニークな音がすぐ作れるおすすめのマルチエフェクトプラグインを5つご紹介します。 いずれも1つのプラグインでさまざまなエフェクトが使えますので、1つ持っておくだけでもサウンドデザインの幅が広がります。 「何でもいいから何か変化を加えたい」というときにも効果的ですので、ぜひチェックしてみてください。

8

今回は「絶対に買って損しない、おすすめDTM音源・プラグイン」をまとめました。特に多くの音楽プロデューサーに愛用され、世界中でベストセラーになり、買っても絶対に損しないと思えるプラグインはかなり絞られます。ここでは初心者からプロまで使えて「これさえ買っておけば問題なし」と断言できる「世界で愛用されているおすすめDTM音源・プラグイン」をご紹介します。

9

今回は低音域の吸音が重要な理由をまとめました。200Hzの低音域は部屋でどのように鳴り、人間の耳にはどのように聞こえ、それが映画や音楽を楽しむときにどう影響するのか、どのような吸音材を選べばいいのか、おすすめの吸音材もまとめてご紹介します。

10

今回は、Nathan James Larsenが解説する「音楽の学位は基本的に意味がない」をまとめました。 ネブラスカ大学の音楽学部(作曲&音楽理論)を卒業し、現在はプロの音楽プロデューサーとして活動しているNathanが「音大に行く意味がないと思う理由」を5つ解説します。

-音楽ジャンル解説
-