シンセサイザー

【シンセの音作りのコツ】Clean Banditで有名な「サイン波プラック」の作り方

プロが実際に使っている、シンプルだけど印象的なシンセの音作りがしたい!
プロはどうやって音作りをしているの?

今回はこのような疑問にお答えする内容です。

世界的に人気のエレクトロニックグループ「Clean Bandit」のメンバー・Jack Pattersonが教える「Clean Banditがよく使うサイン波Pluck」の作り方をまとめました。

Clean Banditと言えば、YouTube再生回数「億」を超えるヒット曲を数々出している人気グループ。

特に印象的なのは、彼らの楽曲の多くに入っているサイン波のPluckサウンドです。

たとえば、こちらの楽曲の前奏に入っている音や(0:31~)↓

Clean Bandit - Symphony (feat. Zara Larsson) [Official Video]

こちらの楽曲のVerse(Aメロ)に入っている音です(0:25)↓

Clean Bandit - Rather Be ft. Jess Glynne [Official Video]

今回は、Clean Banditのメンバー本人がAbleton Liveを使って、この音の作り方を解説しています。

ちなみにご本人も「かんたん」と言っているように、どのDAWでもかんたんにできますのでご安心ください。

作り方1.サイン波を用意する

まずは、使うサイン波を用意します。

いわゆる、普通のピュアなサイン波の音です。

Abletonの場合、まずオペレーターを開き、サイン波を選択します。

Serumなどの他のシンセでも、ウェーブテーブル(Wave Table)から「Sine(サイン波)」を選ぶことができます。

作り方2.サステインを調整する

この状態だと、音がベタっとしていてPluck感がありません。

そのため、Pluck感を出すためにエンベロープのサステインの値を少し下げます。

画像:動画より

こうすると、アタックがより強調されるような音になります。

作り方3.フェードアウトさせる

次は、音に余韻を残すいわゆる「フェードアウト」の部分を作ります。

そのため、エンベロープのリリース部分を長くします。

画像:動画より

作り方4.「揺れ」を足す

次は、ゆらゆらしている感じを足していきます。

LFOを使う

LFOを使うときは、ピッチに対してほんの少しだけ使います。

AmountとSpeedはほんの少し上げる程度でOK。

ここでAmountが大きすぎたりスピードが遅すぎると、実際にフレーズを弾いた時に元の音がわからなくなるぐらい揺れすぎてしまいます。

LFOは音を鳴らしている間(鍵盤を抑えている間)ずっと動いているものなので、音価が少し長くなった時も違和感がないレベルにするのがおすすめです。

エンベロープを使ってピッチをだんだん上げる

今回は「音を鳴らした最初だけピッチがだんだん上がる感じ」にしたいので、さらにエンベロープを使ってみましょう。

画像:動画より

ピッチに対してエンベロープを適用し、音を鳴らした最初だけピッチがだんだん上がるようにしていきます。

作り方5.微調整

あとは、演奏するフレーズに合うようにそれぞれのパラメータを調節していきます。

たとえば短い音価で「ポンッ、ポンッ」と鳴らしたい場合は、音と音の間に隙間ができすぎないように、リリースを少し長めにしてもよいでしょう。

特にLFOとエンベロープをピッチに適用すると、最初の純粋なサイン波の時よりも、とても悲しいイメージの音になることがお分かりいただけるかと思います。

LFOを適用することで「ウィンウィンウィン」というピッチの動きが、さらに音を悲しくさせているかもしれません。

作り方6.リバーブを加える

最後に、リバーブを加えていきます。

Abletonの場合、空のプロジェクトを作成すると最初からリバーブチャンネルが立ち上がっているので、このリバーブの値を上げて、お好みに合わせて微調整しましょう。


以上で完成です!

とてもシンプルですが、少し手を加えるだけでかなり印象が変わったと思います。

ぜひおためしください!

プロが使っているシンセテクニックについては、こちらでもまとめています↓


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