【音楽史】ブルースって、どんな音楽?【戦前のブルース編】

【音楽史】ブルースって、どんな音楽?【戦前のブルース編】
ブルースって名前は聞いたことあるけど、どんな音楽かいまいちよくわかってないな…
ブルースにはどんな歴史があるの?

 

このような疑問にお答えする内容です。

 

今回は英語版wikipediaの「ブルース」について、かんたんにまとめてみました。

 

今回はPart4として、戦前のブルースの歴史について解説します。

 

ブルースという名前を聞いたことがある方は多いと思いますが、実は非常に多くの音楽に影響を与えており、歴史も深い音楽ジャンルの一つです。

そのため、他のジャンルに比べてwikipediaの内容もかなりの長文になっていますので、こちらのシリーズは小分けにして解説していきます。

もし今後「ブルースの曲を作ってみたい」「参考資料が欲しいな」と思ったときは、ぜひこちらのページをご覧ください。

 

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ラグタイムと戦前のブルース

 

戦前、アメリカの楽譜出版業界は、非常にたくさんのラグタイム(当時はかなりの人気だった)の楽譜を出版していました。

1912年までには、ブルース要素のある楽曲を3曲(”Baby” Franklin Seals’s作曲のBaby Seals Blues、Hart Wand作曲の”Dalls Blues”、W.C.Handy作曲の”The Memphis Blues”発表しています。

 

W.C. Handy – Memphis Blues

 

ブルースの父

 

このうちW.C.Handyは、しっかりと音楽教育を受けたミュージシャン・作曲家・アレンジャーでした。

彼はバンドやシンガーたちと共にブルースの楽曲をシンフォニックスタイルにアレンジしており、これがブルースの普及に大きく貢献しました。

 

彼は「ブルースの父」と呼ばれていますが、彼の曲はブルースとラグタイム、ジャズを融合させたような楽曲でした。

しかし、ラグタイムの一部として使われていたキューバン・ハバネラのリズムの促進に貢献しています。

 

Louis Armstrong – Saint Louis Blues
Habanera rhythm (Tresillo over 2)
Habanera Rhythm on Bongos

 

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白人のリスナーにも

 

1920年代になると、前述のHandyのアレンジや、昔から活躍している女性ブルースシンガーたちの活躍により、白人のオーディエンスにも知れ渡るようになります。

 

Bo Carter – Your Biscuits Are Big Enough For Me
Jimmie Rodgers – Waiting for a Train/Daddy andHome/BlueYodel

 

そしてブルースはアフリカ系アメリカ人、そしてアメリカのポピュラーミュージックのメジャーなジャンルの1つとなります。

レコーディング業界が成長してくるにつれ、カントリーブルース(1900年代初期にアメリカの農村で生まれたブルース)のパフォーマーたちは、アフリカ系アメリカ人のコミュニティの中で人気になっていきます。

 

スライドギターの誕生

 

ケンタッキー州出身のSylvester Weaverは、1923年にはじめて「スライドギタースタイル」の楽曲を発表します。

これはボトルのネック部分を切ったものやナイフの刃をフレットに押し付けて演奏する奏法です。

スライドギターは「デルタブルース(音楽ジャンル)」における重要な要素となりました。

 

DEMO: The Edge "Pocket Knife" Guitar Slide – Deep, 1920's Blues