音楽ジャンル解説

【音楽ジャンル】ファンク(Funk)とは?どんな音楽?【James Brown編】

今回は英語版wikipediaの「ファンクミュージック」をまとめました。

この記事ではPart8として、ファンクの歴史(1960年代、James Brownの活躍)について解説します。

ファンクは音楽的にも歴史的にもとてもおもしろいため、このシリーズは長編になっていますが、読み進めれば必ずどこかで面白さがわかってきます!

初めてファンクのリズムを取り入れたロックバンド

James Brownは、ニューオリンズ発祥のLittle Richardの1950年代のR&B路線のバンドに対し、「初めてファンクのリズムを取り入れたロックバンド」という評価をしています。

Little Richard - Whole Lotta Shakin' Going On - It's Little Richard 1963

しかし彼はのちに1957年にエヴァンジェリスト(巡回説教者、福音を説く人)になるために一般音楽から撤退し、Little Richardのバンドメンバーの中にはBrownとthe Famosu Flamesに加わる人もおり、1958年にはヒット曲をリリースします。

James Brown & The Famous Flames Try Me 1958 Federal 12337

James Brownならではのグルーヴ

1960年代中盤までには、James Brownはダウンビートを強調したグルーヴを開発します。

これは、アフリカ系アメリカ音楽のようにバックビートを強調するのではなく、各小節の最初のビートを強調するもので、彼のサウンドを特徴付けるものでした。

Brownはよく「On the one!」の号令でバンドに合図を送り、パーカッションの強調する箇所を変えていました。

これは、ソウルの伝統的なバックビートの乗せ方である「2拍目・4拍目のバックビート」から、1拍目だけのバックビートに変える手法です。

しかしこれには、積極的・反復的なスイングの雰囲気を出している、イーブンノートシンコペーションを使ったギターのリズムが使われています。
イーブンノートシンコペーション:4/4拍子の楽曲なら、偶数拍の2・4拍目にアクセントを入れたシンコペーション

この1-3ビートはBrownの楽曲の大きな特徴で、1964年のヒット曲「Out of Sight」や、1965年のヒット曲「Papa's Got a Brand New Bag」や「I Got You (I Feel Good)」のころから使われ始めました。

Out Of Sight - James Brown (1964)
James Brown ~ Papa's Got A Brand New Bag (1965)
I Got You (I Feel Good)
関連記事

James Brownの音楽スタイルの特徴

Brownのファンクスタイルは、内部で絡み合う、対位法的な要素が特徴的です。

たとえばシンコペーションをしているベースラインやギターリフ、16ビートのドラムなどです。

「Ain't it Funky」で見られるメインギターのオスティナートは、ニューオリンズファンクを改良し洗練した良い例でしょう。

ダンサブルなリフ、リズムの本質だけを扱っていることがわかります。
オスティナート:同じフレーズを繰り返す手法

James Brown - Ain't it funky now (parts 1 and 2)

このような彼のイノベーションは、やがて彼と彼自身のバンドを、ファンクにおいて将来性の高いものへと導いていきます。

彼らは「Cold Sweat」「Mother Popcorn」「Get Up (I Feel Like Being A) Sex Machine)」などの楽曲で、ファンクの音楽スタイルをさらに前面へと押し出していきます。

James Brown - "Cold Sweat" (part 1 & 2)
Mother Popcorn - James Brown
Get Up I Feel Like Being A Sex Machine

ちなみにこの頃は、すでに彼の初期の音楽で使っていた「12小節ブルース」の構成は使っていませんでした。

代わりに、Brownの音楽では多様な伴奏をベースに「キャッチーで、アンセム(聖歌)を思わせるようなボーカル」を使っていきます。

このボーカルは「西アフリカ音楽のポリリズムと同じような、リズムセクションのパターンを用いた、頻繁に使われるぶつぶつ言うようなパーカッシブな楽器」として使われています。

この「西アフリカ音楽のポリリズム」というのは、アフリカ系アメリカ人のワークソング(Work Song)やチャント(Chants)などを指しています。


以上で今回の解説は終了です。

↓つづき「ファンクの歴史(1960年代後半〜1970年代前半)」


人気記事

1

今回は、oeksound社の人気プラグイン「soothe3」の新機能と、前作「soothe2」との違いをまとめました。2026年5月に発表されたsoothe3には、いったいどんな魅力があるのでしょうか?

2

今回は「絶対に買って損しない、おすすめDTM音源・プラグイン」をまとめました。特に多くの音楽プロデューサーに愛用され、世界中でベストセラーになり、買っても絶対に損しないと思えるプラグインはかなり絞られます。ここでは初心者からプロまで使えて「これさえ買っておけば問題なし」と断言できる「世界で愛用されているおすすめDTM音源・プラグイン」をご紹介します。

3

今回は、世界中のプロに愛用されているoeksound社「soothe3」の使い方をまとめました。とても使いやすく、初心者でもプロ並みのミックスができるようになるこのプラグインについて、その魅力や使い方を解説していきます。

4

この記事では、世界中の作曲家・音楽プロデューサーが使っているおすすめのブラス(金管楽器)音源をご紹介します。同じ楽器でも音源によって音色が少し異なりますので、複数持っていると使い分けることができるほか、レイヤーしたときもリアルさと壮大さを増すことができます。

5

今回は、IK Multimedia社「ReSing Japanese Pack」の使い方と実際のサウンドをご紹介します。ReSingはAIによって音をさまざまな声や楽器に変換できるツールですが、ついに日本語対応ボイスモデルを収録した「ReSing Japanese Pack」がリリースされました。今回はこちらをレビューしていきます。

6

今回は、「Sonarworks SoundID Referenceの使い方」をまとめました。

DTMをするなら絶対に持っておきたいこの製品について、なぜこの製品がおすすめなのか、どの種類を買うべきなのか、具体的な使い方と測定方法をご紹介します。

7

今回は、Waves社のリミッタープラグイン「L4 Ultramaximizer」の新機能と基本的な使い方をまとめました。最新作「L4 Ultramaximizer」は、これまでLシリーズを使ってきた方にもそうでない方にも非常におすすめできるプラグインですので、ぜひチェックしてみてください。

8

今回は、Samurai Guitarist(本名:Steve-san Onotera)が教える「音楽大学・専門学校は行くべきか?」をまとめました。 カナダの大学・Humber Polytechnicの音楽学部で音楽の学位(ギター専攻)を取得した彼が、音大での経験や音大卒業後の経験をもとに22の質問に答えます

9

この記事では、おすすめのDAWと購入リンクをまとめてご紹介します。通常版・クロスグレード版・アカデミック版に加え、各DAWのバージョンごとにもリンクを掲載しますので、ぜひチェックしてみてください!

10

今回は、Victor Zottmannが解説する「スマートフォンフィールドレコーディング」をまとめました。 スマートフォン+ちょっとしたアイテムがあれば、誰でも気軽に高音質のフィールドレコーディングが始められます。どれも数千円程度で購入できるアイテムばかりですので、ぜひ参考にして下さい。

-音楽ジャンル解説
-