楽器解説

【音楽史】ドラムの歴史 Part4【ドラムブラシの誕生】

History of the Drumset - Part 4, 1913 - Jazz Brushes... Fly Swatters??

今回は、ドラムスティック・マレットを開発している世界的なメーカーVic Firthが解説する「ドラムの歴史」をまとめました。

この記事ではPart4として、ドラムブラシの誕生を振り返ります。

ドラムブラシの誕生

ジャズなどによく用いられる「ブラシ」ですが、これには非常におもしろい歴史があります。


画像:動画より

1912年の資料を見ると、ハエたたきの特許が取得されていることがわかります。

実は、これとブラシには深い関係があるのです…

ドラムの音量問題

当時のドラマー達は、常に大きな音で演奏しており、他の楽器の音をかき消してしまうという問題を抱えていました。

20世紀はまだPAシステムがありませんので、アンプもありませんし、マイクもありません。

しかしドラムは現代とほぼ同じ大きさですので(バスドラムは現代より大きいですが)、生楽器の音を簡単にかき消すほどのうるささでした。

そのため「もっと小さい音量で演奏できるものがないか」と、人々は考え始めました。

ハエたたきとドラムブラシ

そこで思いついたのが、「ハエたたき」です。

この頃はまだプラスチックが誕生する前の時代ですので、現代のようにハエたたきはプラスチックではなく、金属毛でした。

伸縮式の製品も開発され、好きな長さに固定することもできました。

こうして、ドラム製品を開発していた企業は、まだあまり注目されていないこの「ハエたたき」をベースに「ドラムブラシ」を生産していこうと決めたのです。

1920年ごろのブラシの使い方

1920年ごろに本格的に使われ始めたブラシですが、実は今とは違った使い方をされていました。

当時のドラマー達は、「スティックの静か版」としてブラシを使用していたのです。

2:27~2:37

History of the Drumset - Part 4, 1913 - Jazz Brushes... Fly Swatters??

1920年から1930年にかけて、人々は様々なブラシの使い方を発見していきます。

ブラシをスネアドラムにこすりつけて演奏するスタイルも、この頃に生まれました。

2:58~3:11

History of the Drumset - Part 4, 1913 - Jazz Brushes... Fly Swatters??

そして1930年代になると、人々はただのスティックの代用としてではなく、ブラシのサウンドそのものを求めてブラシを使うようになります。

3:30~4:16

History of the Drumset - Part 4, 1913 - Jazz Brushes... Fly Swatters??

つづきのPart5はコチラ


人気記事

1

今回は、BeatsbyVinityTVが解説する「Skrillexのようにリミッターとクリッパーを使って音圧を上げる方法」をまとめました。Skrillexと言えば、激しい音楽と爆発的な音圧が特徴的です。今回は、彼のように音圧を爆上げするにはどうしたらいいのか、その方法を解説していきます。

2

今回は「SM7B vs SM58」をまとめました。ボーカルやギターのレコーディングによく使われるのが、SHURE社のSM7BとSM58です。どちらも超定番のマイクですが、一体何が違うのでしょうか?この記事ではそれぞれの特徴をじっくりご紹介しながら、どちらのマイクを選ぶべきか、その基準を解説します。

スプリングリバーブとは 3

今回は、Sweetwaterが解説するよく使われる5種類のリバーブ(Hall・Chamber・Room・Plate・Spring)の違いについてまとめました。これら5種類のリバーブの特徴や違いをそれぞれ解説しますので、読み終わる頃には、自分が今欲しいリバーブをすぐに判断できるようになります!

4

この記事では、ヒット曲を作曲するための方法を解説した記事をまとめています。作曲・編曲・ミキシング・マスタリングなど、音楽制作の工程ごとに分けてご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

5

今回は、Cableguysが解説する「ShaperBox 3の紹介」をまとめました。Cableguys社のプラグイン「ShaperBox」は、作曲からミックスまで幅広く使える超万能プラグインです。この記事では、ShaperBoxの主な機能5つと、特に魅力的な機能の使い方をご紹介します。

6

今回は、数々のモニタースピーカーを販売しているAdam Audio社が解説する「自宅スタジオ~3レベル~」をまとめました。自宅の小さな寝室でDTMをしている方からプロを目指している方まで、レベル別におすすめのDTMセットをご紹介します。

Oeksound 「Soothe2」の驚くべき使い方【DTM MIX】 7

今回は、Riffs,Beards&Gearが解説する「Oeksound Soothe2の秘密」をまとめました。発売以降、「このプラグインのおかげでミックスの効率がものすごく上がった」「もうこのプラグインなしではミックスできない」というプロが世界中で続出したこのプラグインを驚くべき方法で使いこなす方法をご紹介します!

8

今回は「CPUパフォーマンスとリアルタイムパフォーマンスの違い」をまとめました。DTMをしていてよくあるのが「DAWの動作が遅くなる」というトラブルです。ここで重要なのが、この2つのパフォーマンスの違いを理解しておくことです。そこでこの記事ではこれら2つを解説し、サクサクとDAWを動かすためのコツをご紹介します。

iLokが故障・盗難・紛失したときにやるべきことと、事前にやっておくべきことまとめ 9

今回は、DTMerにはおなじみの「iLok」が故障・盗難・紛失したときにやるべきことと、故障・盗難・紛失前にやっておくと安心する5つの項目をまとめました。万が一のときにどうするべきかを知っておくだけでも安心材料になりますので、ぜひご覧ください。

ドリアンモードを使ったゲーム音楽 10

今回は、8-bit Music Theoryが解説する「ドリアンモードの使い方」をまとめました。この記事では前編として「ドリアンモードの基礎」と「ドリアンモードを使ったシリアス&ダークなゲーム音楽の例」をご紹介します。

-楽器解説