楽器解説

【音楽史】ドラムの歴史 Part3【ドラムペダルの進化】

History of the Drumset - Part 3, 1900's - The Bass Drum Pedal

今回は、ドラムスティック・マレットを開発している世界的なメーカーVic Firthが解説する「ドラムの歴史」をまとめました。

この記事ではPart3として、ドラムペダルの進化を振り返ります。

1909年に起こったこととは?

1909年は、Ludwigがバスドラム用ペダルの特許を取得した年です。

実は、その前にもバスドラム用ペダルは存在していました。


画像:昔のバスドラム用ペダル(https://ae.vicfirth.com/wp-content/uploads/03-1.webp)

1870年ごろにドラマーたちは、「オーバーハングペダル」と呼ばれるバスドラムの上に取り付けるペダルを使っていました。

オーバーハングペダル:http://coreycolmey.com/the-overhang-pedal/

しかしこのオーバーハングペダルは見た目が格好悪く、コントロールもしづらいものでした。

そのため、1870年ごろのドラマー達はダブルドラミングにはペダルを使わない方を好んでいました。


画像:Ludwigによる初期のペダル(https://ae.vicfirth.com/wp-content/uploads/03-2.webp)

今からおよそ100年前ごろに作られたLudwigのペダルは、今わたしたちが使っているペダルと非常にそっくりです。

フットボードとスプリングがあり、バスドラムに取り付けるしくみです。

100年以上も前に作られたと考えると、よく考えられて作られたものだということがわかります。

バターに付属している器具


画像:https://ae.vicfirth.com/wp-content/uploads/03-4.webp

当時のペダルには、バターヘッドに金属の器具が付いていました(上記画像、右側に飛び出ている金属の球体)。

これは、フットペダルを踏むと、バターヘッドについている器具が、バスドラムについているシンバルに当たり「カーン」と鳴るしくみになっています。


画像:ドラムペダルと、バスドラムのすぐ右横についているシンバル(https://morenomaugliani.com/wp-content/uploads/2022/11/DrumSet-1-1-1000x667.png)

ビーターのヘッド

もう一つ今の時代のペダルと異なるのは、ビーターのヘッド部分です。

実は、当時のビーターは今よりもっと大きかったのです。

これは、昔はバスドラムが非常に大きかったためです。

26,28,30インチのバスドラムが主流で、中には40インチの製品もありました。

ビーターは、マーチングバンドのバスドラムで使われていたビーター(マレット)と非常に似たものでした。

持ち運びも便利

当時の人々はまだ車を持っていませんので、交通機関を使ってドラムを運び出す必要がありました。

Ludwigが作ったペダルは、今使われているものと同様、分解することができます。

分解すればスーツの内ポケットにも収まるサイズになりますので、当時の人々にとっては非常に便利なものでした。


つづきのPart4はコチラ↓


人気記事

1

今回は、DTMプラグインの中で最も有名な製品の1つであるSpectrasonics社「Omnisphere 3」の新機能と使い方をまとめました。2025年10月に発表された今作ですが、前作の「Omnisphere 2」と何が変わったのか、新機能とその使い方を解説していきます。

2

この記事では、世界中の作曲家・音楽プロデューサーが使っているおすすめのブラス(金管楽器)音源をご紹介します。同じ楽器でも音源によって音色が少し異なりますので、複数持っていると使い分けることができるほか、レイヤーしたときもリアルさと壮大さを増すことができます。

3

今回は「DTMer&ボカロPには外付けHDDよりNASをおすすめする3つの理由」をまとめました。NASはDTMerや動画編集者など「大容量のデータを管理する人」「外付けHDDをどんどん買い足さなければならない人」にはとてもおすすめですが、なぜ外付けHDDよりNASをおすすめするのか、その理由を3つご紹介します。

4

今回は、音楽プロデューサーのNathan James Larsenが教える「プロのようにポップ・ファンクのブラスを作る方法」をまとめました。プロがどのようにしてブラスを打ち込んでいるのか、コツを8つご紹介します。

5

今回はボーカル定番マイク「SM7B vs SM58」をまとめました。ボーカルやギターのレコーディングによく使われるのが、SHURE社のSM7BとSM58です。どちらも超定番のマイクですが、一体何が違うのでしょうか?この記事ではそれぞれの特徴をじっくりご紹介しながら、どちらのマイクを選ぶべきか、その基準を解説します。

6

今回は、初心者からプロまで使えるおすすめのDTMスピーカー21選をまとめました。 この記事では、以下2つの条件を満たしているスピーカーだけをご紹介します。 ・2025年1月現在、日本の通販で誰でも新品 ...

7

今回は、音楽プロデューサーのIZZYが解説する「プロのようなボーカルミックスをする秘密の公式」をまとめました。作曲においてプロとアマチュアを分けるポイントの1つが、ボーカルミックスのクオリティです。この記事では、どのようにすればプロのようなボーカルMIXができるのかを解説していきます。

8

今回は、音楽好きの方や音楽家・DTMerにおすすめのふるさと納税返礼品をまとめてご紹介します。楽器本体、楽器関連機器、パソコン関連機器、音楽関係のチケット、音楽関係の雑貨など、音楽に関係する返礼品は非常にたくさんあります。気になる返礼品があれば、ぜひチェックしてみてください!

9

今回は、「Sonarworks SoundID Referenceの使い方」をまとめました。

DTMをするなら絶対に持っておきたいこの製品について、なぜこの製品がおすすめなのか、どの種類を買うべきなのか、具体的な使い方と測定方法をご紹介します。

-楽器解説