音楽ジャンル解説

【音楽ジャンル】R&B(リズムアンドブルース)とは?どんな音楽?【誕生から1940年代まで】

R&Bって名前は聞いたことあるけど、「どんな音楽か」と聞かれると、ちゃんと答えられないな…
R&Bにはどんな特徴があるの?

このような疑問にお答えする内容です。

今回は英語版wikipediaの「R&B」についてまとめました。

今回はPart3として、R&B初期(誕生から1940年代まで)の歴史について解説していきます。

ポピュラー音楽の一つとして当たり前になったR&Bですが、その歴史や音楽的な特徴を言葉で説明できる人はなかなかいないのではないでしょうか?

歴史や特徴を知ることで音楽制作にも活きていきますので、この機会にぜひ理解を深めてください!

R&Bの先駆者は誰?

1920年から1930年代、アフリカ系アメリカ人が都会産業の中心地であるシカゴ、デトロイト、ニューヨークシティー、ロサンゼルスなどに移住したことで、ジャズ、ブルースなどの音楽ジャンルに、新しい市場が生まれました。

これらのジャンルは基本的に「フルタイムミュージシャン」によって演奏されており、個人や小さなグループで活動している人もいました。

リズムアンドブルースの先駆者と呼ばれる人々は、ジャズやブルース出身です。

彼らは1920年代後半から1930年代にかけて、the Harlem Hamfats(1936年のヒット曲「Oh Red」が有名)やLonnie Johnson、Leroy Carr、 Cab Calloway、Count Basie、T-Bone Walkerなどのアーティストと同じ時代を共にします。

この時代は、ピアノやサックスと同様、エレキギターをリード楽器として使い始めていました。

Harlem Hamfats - Oh! Red (1936)
Lonnie Johnson - Another Night to Cry

1940年代後半

1948年になると、RCA Victor社が黒人音楽を「ブルースアンドリズム(Blues and Rhythm)」という名前で売り出し始めます。

この年はLouis Jordanによる3曲がR&Bチャートを独占しており、TOP5のうち2曲は、1940年代に流行っていたブギウギのリズムを用いた楽曲でした。

Louis Jordan Boogie Woogie Blue Plate
Louis Jordan - Run Joe

Jordanのバンド「the Tymphany Five」は、サックス、ボーカル、トランペット、テナーサックス、ピアノ、ベース、ドラムで編成されたバンドです。

Louis Jordan & His Tympany Five--Deacon Jones

Jordanの楽曲はBig Joe Turner、Roy Brown、Billy Writght、Wynonie Harrisなどのアーティストと一緒に演奏されることが多く、今ではジャンプブルース(音楽ジャンル)として扱われています。

同じく、この頃ヒットを挙げたPaul Gayten、Roy Brownなどのアーティストの音楽スタイルは、今ではリズムアンドブルースとして扱われています。

Paul Gayten - You Better Believe It
Roy Brown - Good Rockin' Tonight 1947

1949年になると、「リズムアンドブルース」という言葉はビルボードカテゴリの「ハーレムヒットパレード」に変わる言葉として扱われます。

同じ年には、サクソフォーン奏者のPaul Williamsによる「The Huckle-Buck」がR&Bチャート1位を記録。

この楽曲は、ほぼ1年間ずっとチャート1位をキープし続けます。

Chubby Checker - The Hucklebuck [Original Version]

さらに同じ年の1949年には、1920年代のブルースの楽曲「Ain’t Nobody’s Business」の新しいバージョンがJimmy Witherspoonによってリリースされ、チャート4位の大ヒット。

さらにLouis Jordanとthe Tympany Fiveによる「Saturday Night Fish Fry」も、チャート5位を記録します。

このようなヒット曲は新しい独立したレコード会社からリリースされ、Savoy社、King社、Imperial社、Specialty社、Chess社、Atlantic社などが有名です。


↓つづき「Part4」はこちら!


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