音楽ジャンル解説

【音楽ジャンル】ファンク(Funk)とは?どんな音楽?【ドラム編】

今回は英語版wikipediaの「ファンクミュージック」をまとめました。

この記事ではPart4として、ファンクにおけるドラムの特徴について解説します。

ファンクは音楽的にも歴史的にもとてもおもしろいため、このシリーズは長編になっていますが、読み進めれば必ずどこかで面白さがわかってきます!

ファンクにおけるドラムの特徴とは?

ファンクのドラムは、ドラマーがテンポのゆれなどを上手く使いながら「感情」を強調してグルーヴを作っていくのが特徴です。

具体的に言うと、たとえばスイングを使ったり、グルーヴ感が損なわれるフィルをあまり使わないという特徴があります。

スイングのフィーリングがある曲の例

The Meters - Cissy Strut

The Meters - Cissy Strut

The Staple Singers - I'll Take You There

The Staple Singers - I'll Take You There [Full Length Version]

ドラムのフィルは「多用しない」ことが多く、一定のテンポやグルーヴ感におさまるようにしています。

このようなプレイにおけるテクニックは、こもったような音のバスドラムやタムと、タイトにチューニングされたスネアが含まれるドラムセットを使うときにより使われます。

ファンクにおけるダブルベースドラミング

ダブルベースドラミング(ツーバス)はシングルペダルで演奏するファンクドラマーによって使われることが多く、「2つ目の音にアクセントを置き、ドラムヘッドの共鳴を抑える」手法が使われています。

これにより、短くこもった音にできるのです。

ちなみにJames Brownのバンド「the JBs」ではドラマーが2人おり、これにより「よりはっきりとしたシンコペーションを使ったリズム」を再現しています。

そのおかげもあり、the JBsは「ファンキードラマーのリズム」で一目置かれている存在になっています。

James Brown and the Original JB’s (with Bootsy Collins) italian TV-show 1971

有名なファンクドラマーのプレイスタイル

有名なファンクバンド「Tower Of Power」のドラマーであるDavid Garibaldiは、ゴーストノートやリムショットを多用しています。

Tower Of Power - What Is Hip? (Chicago 1977)

ファンクにおけるハイハット

ファンクにおけるドラミングスタイルのキーとなるのは、ハイハットのオープン・クローズの使い分け。

これにより、パシャっとしたスプラッシュ感のあるアクセントをつけることができるのです。

また両手で16分音符を刻むことで、スイング感も出すことができます。


画像:wikipediaより

Jim Payneが解説する「ファンクドラミング」

フォークシンガーのJim Payneは、ファンクのドラムについて次のように語っています↓

ファンクドラミングは「ワイドオープン」な即興のアプローチ方法を取っており、これはラテン音楽やオスティナートなど、「ちょっとした変化しか伴わない繰り返し」を使っている音楽からリズムのアイデアを得ています。

そしてこれが、ファンクを魅惑的にさせる要素の一つでしょう。

ファンクは「よりシンコペーションを使っているロック」のようなもの。

特に8分音符や16分音符のシンコペーションをバスドラムに使っています。

このスタイルはClyde Williams(Joe Tex)、George Brown(Kool & the Gang)、James Diamond Williams(The Ohio Players)などによって生み出されたものです。

Joe Tex - Show Me, Skinny Legs And All (1968). Live performances with the 12 piece Joe Tex Band
Kool & The Gang - Celebration
The Ohio Players - Fire

ロックと同様、スネアのバックビートは2・4拍目に置かれ、そこにゴーストノートが入っていきます。

補足:ファンクドラムのパターン10選

こちらの動画では、ファンクドラムのパターンを10個紹介しています。

とても勉強になりますので、ぜひご覧ください。

10 Beginner Funk Drum Beats | Go From "No" To "Pro"

以上で今回の解説は終了です。

↓つづき「ファンクにおけるギターと鍵盤楽器の特徴」


人気記事

1

今回は、ジャンル・シチュエーション別に2025年のブラックフライデーで買っておきたいプラグインと機材をまとめました。多くのメーカーや通販サイトで大規模なセールが開催されていますので、お持ちでない製品があればぜひこの機会にGETしてください!

2

今回は「絶対に買って損しない、おすすめDTM音源・プラグイン」をまとめました。特に多くの音楽プロデューサーに愛用され、世界中でベストセラーになり、買っても絶対に損しないと思えるプラグインはかなり絞られます。ここでは初心者からプロまで使えて「これさえ買っておけば問題なし」と断言できる「世界で愛用されているおすすめDTM音源・プラグイン」をご紹介します。

LA2Aコンプレッサー 3

今回は「LA-2Aコンプレッサーの使い方」をまとめました。「有名なコンプレッサー」としてよく名前が挙げられるのが、Teletronix社の「LA-2A」です。なぜこのコンプレッサーは世界中のDTMerに愛されているのか、その魅力と使い方を解説していきます。

4

今回は、DTMで伝説と言われているEQの1つ「Pultec EQ」の魅力と使い方ついてまとめました。なぜこのEQが世界中で使われているのか、Universal Audio社のプラグインを使いながらその魅力と使い方をご紹介します。

5

今回は、MIX師やMIX初心者の方が持っておくと便利なおすすめのプラグインを3つご紹介します。プリセットを選ぶだけでプロレベルのサウンドにできる、まさに「5秒でMIXが終わるプラグイン」をご紹介します。

6

今回は、DTMでおすすめのオーケストラ系楽器がすべて使える音源をまとめました。1つ購入するだけで弦楽器・金管楽器・木管楽器・打楽器すべてが揃うだけでなく、世界中のプロが愛用する高品質の製品ばかりですので、まだお持ちでない方はぜひチェックしてみてください。

7

今回は、DTMでおすすめの民族楽器系音源・プラグインをまとめました。通常のポップスやオーケストラではあまり使われない楽器や、非常にニッチな国・地域特有の楽器が使える製品もまとめています。インド・中国・北欧・ケルト系・アラブ・ガムラン系など幅広くご紹介しますので、ぜひチェックしてみてください。

8

今回は、DTMで使えるおすすめのボコーダープラグインを7つご紹介します。いずれもロボットのような声にできるのはもちろん、ハーモニー作成もできる万能プラグインで、アレンジでもミックスでも使えます。サウンドの質感やプリセット、操作方法がそれぞれ異なりますので、いくつか持っておくと理想のボーカルに仕上げやすくなります。

9

今回は、ユニークな音がすぐ作れるおすすめのマルチエフェクトプラグインを5つご紹介します。 いずれも1つのプラグインでさまざまなエフェクトが使えますので、1つ持っておくだけでもサウンドデザインの幅が広がります。 「何でもいいから何か変化を加えたい」というときにも効果的ですので、ぜひチェックしてみてください。

10

今回は「UAD社「Apollo Twin X」は高いけど買うべき10の理由」をまとめました。他社では2万円程度の製品がある中で、Apollo Twinは約10万~20万円です。この記事では、Apollo Twinは値段相応の価値があるのかについて解説します。

-音楽ジャンル解説
-