作曲・編曲

ベース音を変えてリハーモナイズする方法【初心者OK】

リハーモナイズってどうやるの?
ベース音を変えるだけでかんたんにできる?

今回はこのような疑問にお答えする内容です。

ニューヨークを拠点に活動しているベースプレイヤー&作曲家Adam Neelyによる「ベースノートでリハーモナイズをする方法」をまとめました。

このテクニックを使えば、ギターやピアノのリハモにも匹敵するサウンドを得られます。

動画ではエレクトリックベースを用いていますが、もちろんシンセベースなど、DTMでやるときにも使えます!

Bass Note Reharmonization (A Bassist's Secret Weapon) [ AN's Bass Lessons #3 ]

※ここからは、リハーモナイズを「リハモ」と略します

ベース音を変えるとコードが違うように聞こえる!?

まずは、ピアノで弾いたときのかんたんな例を見てみましょう。

C+Cコード

Cコードに対してベース音をCにすると、

C + Cコード(C,E,G)

これは完全に、Cコードのサウンドになります。

A+Cコード

一方で、Cコードに対してベース音をAにすると、

A + Cコード(A,C,E,G)

ACEG、つまりAm7(エーマイナーセブンス)の響きができあがります。

実際にサウンドの変化を聞いてみましょう。

動画:0:41~0:54

Bass Note Reharmonization (A Bassist's Secret Weapon) [ AN's Bass Lessons #3 ]

ベース音を変えると響きが変わる

このように「ベース音を変えるとハーモニー(コード)が違って聞こえる」というのは、非常に使えるテクニックです。

ルート音(ベース音)を変えるだけでこれができちゃうので、とてもかんたんですよね。

コード進行全体も変えてみよう

次は、あるコード進行のベース音を変えて、どのように響き方が変わるか見てみましょう。

まずは普通のコード進行。
(「:」の左がルート音、右がコード音)

C - F - C - G
C:CEG - F:CFA - C:CEG - G:BDG

これを、ベース音を変えてみると…

C - F - C - G
A:CEG - F:CFA - G:CEG - E:BDG

つまり...

Am7 - F - C - Em7

別のアレンジを加えてみると…

C - F - C - G
F:CEG - G:CFA - G:CEG - E:BDG
= C/F(Fmaj9) - F/G(G9sus4) - C/G - G
C - F - C - G
A:CEG - F:CFA - G:CEG - G:BDG
= Am7 - F - C/G - G

実際に弾くと、このようになります。

動画1:07~1:40

Bass Note Reharmonization (A Bassist's Secret Weapon) [ AN's Bass Lessons #3 ]

いろいろな音・場所でためしてみよう

いろいろな音・場所でためしてみることで、どこにどんな音を置くとどんなサウンドがするのか、だんだんわかるようになってきます。

新しいサウンドを見つけたいときにとてもおすすめです。

3回目のサビにリハモを使うのがおすすめ

「Aメロ・サビ・Aメロ・サビ・Cメロ・サビ(JーPOPならAメロの後にBメロ)」など、典型的なポップやロックの楽曲構成であれば、3回目のサビにこのテクニックを使うのがおすすめです。

すでに1番・2番でサビが2回出ていますから、3回目となると、リスナーがコード進行をある程度予測できてしまいます。

そこで3回目のサビでリハモを行うことで、新しいおもしろさをリスナーに与えることができるのです。

リハモの例

ここでは実際の楽曲を例に、オリジナル版とリハモ版を聞いてみましょう。

2:12~3:27

Bass Note Reharmonization (A Bassist's Secret Weapon) [ AN's Bass Lessons #3 ]

よく聞いて判断しよう

リハモのやり方はいろいろありますが、最終的には自分の耳でいいと思ったものを使ってみるのが一番です。

コードの構成音を転回させたり、楽曲のキーで使われる音をベース音として使ったりすれば、基本的にはうまくいきます。

場合によっては、楽曲のキーで使われない音(クロマティックノート)を使ってうまくいくこともあります。

ただし、やはり基本的には「トライ&エラー」の精神でやってみるのがよいでしょう。


当サイトでは他にもリハーモナイズに関するテクニックをまとめていますので、ぜひこちらもご覧ください↓


人気記事

1

https://youtu.be/f0FhmTvdYYA?si=voPGFHl2leoVKF1_ 今回は、数々のモニタースピーカーを販売しているAdam Audio社が解説する「自宅スタジオ~3レベル ...

2

https://www.youtube.com/watch?v=A8rvn7o33Lo 今回は、Sage Audioが教える「カリッとしたボーカルにするためのMIXテクニック」をまとめました。 全部で ...

3

音楽におけるアップビート、ダウンビート、オンビート、オフビート、バックビート… 似たような言葉だけど、何が違うの?覚えられない… 今回はこのようなお悩みにお答えする内容です。 「アップビート」「オフビ ...

4

今回は、「Sonarworks SoundID Referenceの使い方」をまとめました。

DTMをするなら絶対に持っておきたいこの製品について、なぜこの製品がおすすめなのか、どの種類を買うべきなのか、具体的な使い方と測定方法をご紹介します。

5

世界的にヒットしている曲の構成ってどうなってるの? 「ヒット曲の公式」みたいなのがあるといいんだけど… 今回はこのような疑問にお答えします。 https://www.youtube.com/watch ...

6

今回は、人気音楽プロデューサーのVirtual Riotが解説する「Serum 2の全新機能の解説」をまとめました。Xfer Records社「Serum2」で新しく追加されたプリセットの制作にも携わったVirtual Riotが、新機能17項目を徹底解説します。

7

この記事では、世界中の作曲家・音楽プロデューサーが使っているおすすめのブラス(金管楽器)音源をご紹介します。同じ楽器でも音源によって音色が少し異なりますので、複数持っていると使い分けることができるほか、レイヤーしたときもリアルさと壮大さを増すことができます。

8

今回はAudio Universityが解説する「Universal Audio社 Apollo Twinのレビュー」をまとめました。他社では2万円程度の製品がある中で、Apollo Twinは約10万~20万円です。この記事では、Apollo Twinは値段相応の価値があるのかについて解説します。

9

今回はAdam Audio社とIn The Mixが解説する「スピーカーは縦置き or 横置きのどちらがいいのか?」をまとめました。 多くのスピーカーは正方形ではなく長方形であることが多いですが、縦置 ...

10

今回はChris Selimが解説する「Pultec EQの使い方」をまとめました。DTMにおいて「有名なEQ」としてよく名前が挙げられるのが「Pultec EQ」です。この記事では、なぜこのEQは世界中のDTMerに愛されているのか、その魅力と使い方を解説していきます。

-作曲・編曲