音楽ジャンル解説

【音楽ジャンル】ブルースとは?【1960~1970年代のブルース編】

今回は英語版wikipediaが解説する「ブルース」をまとめました。

この記事ではPart7として、1960~1970年代のブルース、ブルースとロックの関係性について解説していきます。

ブルースの広がりと停滞

1960年代始めごろになると、ロックンロースやソウルなどのアフリカ系アメリカの音楽は、ポピュラーミュージックのメインストリームになっていきます。

ビートルズなどの白人パフォーマーたちは、新しいリスナーを獲得するためにアフリカ系アメリカの音楽を取り入れるようになり、アメリカだけでなく、海外でも活躍するようになります。

しかし、Muddy Watersたち(Part6で取り上げています)を前面に押し出していたブルースの盛り上がりは止まってしまいます。

そしてBig Bill BroonzyやWillie Dixonなどのブルースアーティストたちは、ヨーロッパで新しい市場を開拓するべく動き始めます。

Dick Watermanや、彼が主催したヨーロッパで行われた数々のブルース音楽フェスティバルは、海外にブルースを広める大きな役割を果たしました。

イギリスでは、アメリカのブルースのレジェントたちを真似たバンドが現れはじめ、イギリスのブルース・ロックベースのバンドは、1960年代を通して大きく影響を与えていました。

アーティスト同士への影響、スタイルの融合

John Lee HookerやMuddy Watersなどのブルースアーティストたちは、引き続き彼らの熱狂的なファンたちにパフォーマンスし続け、ニューヨーク生まれのTaj Mahalなど昔のブルーススタイルで演奏する新人アーティストに影響を与えていきます。

TAJ MAHAL - STATESBORO BLUES.

John Lee Hookerはロックの要素と若い白人ミュージシャンの演奏スタイルを融合させるという、彼自身のブルーススタイルを確立します。

彼のアルバム「Endless Boogie」で、そのスタイルを聞くことができます。

john lee hooker : pot's on, gas on high : from the mythic album endless boogie

B. B. Kingの卓越したボーカルとギターのテクニックは、「キング・オブ・ザ・ブルース」という称号を得るほどでした。

Kingは、のちのエレクトリックブルースのギタリストに大きく影響を与えることになる、流れるようにピッチベンドしたり音を揺らすビブラートをベースとしたソロギターを導入していました。

BB King - Why I Sing The Blues - Live In Africa 1974

逆にシカゴスタイルにおいては、King自身のバンドではハープやスライドギターの代わりにサックス・トランペット・トロンボーンなどの強いブラスセクションをつかていました。

テネシー生まれのBobby “Blue” Blandは、Kingと同様、ブルースとR&Bにまたがったスタイルを展開していきます。

このとき、Freddie KingとAlbert King(ちなみに両者ともにB.B.Kingと血縁関係はありません)はよくロックとソウルのミュージシャン共に演奏しており、これらのスタイルの音楽に大きく影響を与えていました。

Bobby "Blue" Bland - Ain't No Love In The Heart Of The City

ブルースのリバイバル(復活)

アメリカの市民権運動やフリースピーチ運動があったころの音楽は、アメリカ音楽のルーツである音楽ジャンルや、初期アフリカ系アメリカ人の音楽のリバイバル(復活)を引き起こしました。

ニューポート・フォーク・フェスティバルなどの音楽フェスティバルもまた、昔のブルースが新しいリスナーを獲得する手助けになっていきます。

Skip James 1966 Newport Folk Festival

これは、戦前のブルースや、Sun HouseやMississippi John Hurt、Skip James、Reverend Gary Davisなどの戦前のブルースアーティストたちのリバイバルにも大きく影響しました。

1960年代に入ると、ギタリストMichael BloomfieldをフィーチャリングしたPaul Butterfield Blues Bandやイギリスでのブルースのブームのおかげもあり、シカゴ拠点のブルースアーティストたちが白人リスナーたちにも興味を持たれるようになります。

Paul Butterfield Blues Band - Driftin' Blues (Monterey 1967)

AnimalsやFleetwood Mac、John Mayall & Bluesbreakers、the Rolling Stones、the Yardbirds、the supergroup Creamなどのイギリスのバンドや、デルタブルースやシカゴブルースなどのクラシックなブルースを用いたアイルランド人ミュージシャンRory Gallagherなどが、「ブリティッシュ・ブルース」のスタイルを発展させていきます。

1963年になると、のちに「Amiri Baraka」として有名になるアメリカ人作家LeRoi Jonesが、ブルースの歴史を書いた本「Blues People: The Negro Music in White America」を出版します。

ロックとブルースの関係

1960年代前半のイギリス人のブルースアーティストたちは、アメリカのブルース・ロックのミュージシャンたちに影響を与えていきます。
(the Doors、Canned Heat、Jefferson Airplane、Janis Joplin、Johnny Winter、The J.Geils Band、Ry Cooder、Allman Brothers Bandなど)

ブルースロックのアーティストの一人であったJimi Hendrixは、当時は非常に珍しい、黒人のサイケデリックロックアーティストの一人でもありました。

Hendrixはギターのテクニックが素晴らしく、ディストーションの使用やオーディオフィードバックを音楽に利用したパイオニアと呼ばれています。

オーディオフィードバックとは、マイクに入った音がアンプからスピーカーに伝わり、スピーカーから出た音がまたマイクに入る…というループを繰り返す現象です。

Audio Feedback
Speaker Feedback Sound Effect

このように、ブルースはロックミュージックの発展に大きく影響したのです。

テキサスロックブルース

ファンクとは?

1970年代前半になると、「テキサスロックブルース」スタイルが現れます。

これは、ソロギターとリズムギター両方を使うスタイルです。

ウェストサイド・ブルースとは違い、テキサススタイルはイギリスのロックブルースのブームに強く影響をつけています。

テキサススタイルで有名なアーティストには、Johnny Winter、Stevie Ray Vaughan、the Fabulous Thunderbirds、ZZ Topなどがいます。

彼らの音楽キャリアは1970年代に始まりましたが、その後10年に及ぶ世界的な成功には至りませんでした。

JOHNNY WINTER - Jumpin' Jack Flash (1974 UK TV Appearance) ~ HIGH QUALITY HQ ~
#StevieRayVaughan, #VoodooChild, #FeatureTube
The Fabulous Thunderbirds - Tuff Enuff (Video)
ZZ Top - Gimme All Your Lovin' (Official Music Video) [HD Remaster]

次回Part8はこちら↓


人気記事

1

この記事では、MIX(ミックス)でボーカルの抜けが悪い・埋もれてしまうときの対処法をまとめています。どれも実際に世界中のプロが実践している内容ですので、ぜひお試しください。

FabFilter「Pro-MB」の5つの魅力と使い方【ミックス・マスタリング】 2

今回は、FabFilter公式が解説する「Pro-MBの紹介」をまとめました。 一言で言うと「マルチバンドコンプレッサー」のこのプラグインですが、この記事を読むと「一体どんな使い方ができるのか?」「なぜこれだけ世界中で多くのプロに愛されるプラグインなのか?」がお分かり頂けます。

3

今回は、初心者から上級者まで上達できるおすすめのDTMスクール・音楽教室をまとめました。 可能な限りたくさんの情報を集めましたので、ぜひ参考にしてください。 DTM・作曲・ミックス上達にはレッスンに通 ...

Xfer Records社「OTT」の使い方まとめ【マルチバンドコンプレッサー】 4

今回は、Xfer Records社の人気無料プラグイン「OTT」の使い方をご紹介します。 はじめに:Xfer Records社「OTT」とは? Xfer Records社「OTT」は、一言で言うと「マ ...

5

今回は、DTMにおすすめのストリングス・弦楽器音源をまとめました。ストリングス音源は1つ1つ使える音色やアーティキュレーション、マイキング、操作性が異なります。そのため、できるだけたくさん持っておくと自分の理想のサウンドにしやすく、レイヤーしたときの充実感がUPします!

6

今回は「DTMで挫折しない学習方法」をまとめました。音楽理論や機材の使い方で挫折しやすいDTMですが、どのように学習すれば挫折せずに済むか&効率よく学習できるのかを6ステップに分けて解説します。

7

今回は、グラミー賞受賞経験もありJST社ともプラグイン開発を行うJoey Sturgisが解説する「エレキギターを曲になじませるミックステクニック」をまとめました。動画内ではリズムギター(エレキギター)を例に解説されていますが、アコギやリードギターなどにも応用できるテクニックですので、ぜひ最後までご覧ください!

oeksound社「soothe2」を効果的に使う方法3つ 8

今回は、Onestoが解説する大人気プラグイン「soothe2」を効果的に使う方法をまとめました。世界中のプロに愛されているこのプラグインですが、いったいどのようにすればより効果的に使いこなすことができるのでしょうか?この記事では、このsoothe2の基本的な使い方と効果的な使い方についてじっくり解説していきます。

9

この記事では、AmazonのKindle Unlimitedで読めるおすすめの音楽ビジネス関連本・プロになるための本をご紹介します。Kindle Unlimitedは、月額1000円程度で対象本が全て読み放題のサービスです。月に1冊読めば元が取れるので、2冊以上読むと非常にお得です。ぜひこの機会に登録してみてください!

大きいスピーカーを買った方がいいミックスができるのか?おすすめのスピーカーは? 10

今回は「大きいスピーカーを買えばいいミックスができるのか?」をまとめました。一般家庭の部屋に置くには大きすぎるサイズのものもありますが、プロになるのであれば大きいスピーカーを買わなければならないのでしょうか?言い換えれば、大きいスピーカーを買えば、いいミックスやマスタリングができるようになるのでしょうか?

-音楽ジャンル解説
-