音楽ジャンル解説

【音楽ジャンル】ブルース(Blues)とは?【名前の語源・ルーツの音楽編】

今回は英語版wikipediaが解説する「ブルース」をまとめました。

この記事ではPart1として、ブルースの名前の語源、ルーツとなった音楽について解説します。

ブルースという名前を聞いたことがある方は多いと思いますが、実は非常に多くの音楽に影響を与えており、歴史も深い音楽ジャンルの一つです。

そのため、他のジャンルに比べてwikipediaの内容もかなりの長文になっていますので、こちらのシリーズは小分けにして解説していきます。

音楽ジャンル「ブルース(Blues)とは?

ブルースとは、1870年ごろアフリカ系アメリカ人によるアフリカの伝統音楽をルーツとする音楽ジャンルのことです。

ディープ・サウス(南アメリカ)と呼ばれる地域で誕生しました。

muddy waters -- mississippi delta blues
Muddy Waters - Champagne & Reefer
Got A Man In The Bama Mine - Yas Yas Girl
Spark Plug Smith - Vampire Women

「ブルース」という名前の語源

「ブルース」という言葉は、「憂鬱」と「悲しみ」を意味する「青い悪魔(Blue Devis)」から来ているという説があります。

最初にこの言葉が使われたのは、1798年のGeorge Colmanによる笑劇「Blue Devils」でした。

Blue Devilsという言葉自体は、1600年代にイギリスから来たとも言われており、こちらは「アルコール禁断症状から来る激しい幻覚」を意味しています。

しかし時が経つにつれてその意味が薄れ、だんだんと「動揺」「憂鬱」を表す意味の言葉になっていきました。

1800年代になるまでには、アメリカでは「Blues」という言葉は「お酒を飲むこと」に関する言葉として使われるようになります。

「Blues Law」と呼ばれる、日曜日にお酒を販売してはいけないという法律もありました。

ある女性の「Blues」が大きな影響を与えた

歌詞に関して言うと、Bluesという言葉は「憂鬱なムード」を表現する言葉として使われていました。

Charlotte Forten(当時25歳)の日記に書かれていた「the blues」という言葉が、1862年12月14日の彼女の日記に使われていた記録が残っています。

彼女はアメリカのペンシルベニア州で自由民として生まれた黒人女性で、サウスカロライナ州の学校の先生として働いていました。
(自由民=奴隷ではないという意味)

彼女は奴隷・自由民どちらの生徒にも学校で教えていましたが、寂しさや憐れみといった感情があることもしばしばで、日記にも「”the blues”な気持ちで帰宅した」と書いていることもありました。

こういった憂鬱な気持ちを克服した後、彼女は曲も書くようになっていきました。

彼女が書いた「Poor Rosy」は、黒人奴隷の間で人気があったようです。

彼女は自身の日記において「心を込めて、且つ悩んでいる気持ちがなければ歌えない」と書いており、これは数え切れないほど多くのブルースの曲に影響を与えました。

ルーツとなる「アフリカの伝統音楽」

この「アフリカの伝統音楽」には、ワークソング(work songs)、フィールド・ホラーズ(Field Hollers)、シャウト(Shauts, Ring Shouts)、チャント(Chants)、韻を踏んだシンプルなバラードなどがあります。

ワークソング(work songs)

ワークソングとは、仕事中(作業中)に歌われた音楽のことです。

作業の動きに合わせて歌うことで作業のリズムを整えて生産性を上げたり、仕事に関することを抗議するために歌われました。

Work song Travaux ddes champs en Afrique.
sukuma dance and their farming style

フィールド・ホラー(Field Hollers)

フィールド・ホラーは、のちにアメリカで奴隷とされるアフリカ人による、ボーカル中心の音楽です。

仕事中(作業中)の生産性を上げたり、感情を発散したり、仲間とコミュニケーションを取るために歌われました。

Rosie and Levee Camp Holler
Roosevelt 'Giant' Hudson - Field Holler

シャウト(Shouts, Ring Shouts)

シャウトは、アメリカのアフリカ人奴隷によって行われた、音楽・宗教的儀式です。

西インド諸島(北アメリカ大陸と南アメリカ大陸の間、カリブ海域にある群島)で生まれました。

足でステップを踏んだり手を叩いたりしながら円を描くのが特徴です。

「シャウト」という名前はついていますが、この儀式において、声を出すこと自体はそこまで重要ではありません。

Plantation Dance Ring Shout

チャント(Chant)

チャントは、主にメインの1音あるいは2音を使って、言葉や音を繰り返し話したり歌ったりする歌唱方法です。

使える音の数が制限されているシンプルなものから、音楽的に構造が非常に複雑になっているものまであります。

Southern African Traditional Music - Tribal War Chant
African Chant

Part2はコチラ↓


人気記事

1

今回は、DTMでおすすめの民族楽器系音源・プラグインをまとめました。通常のポップスやオーケストラではあまり使われない楽器や、非常にニッチな国・地域特有の楽器が使える製品もまとめています。インド・中国・北欧・ケルト系・アラブ・ガムラン系など幅広くご紹介しますので、ぜひチェックしてみてください。

2

今回は「絶対に買って損しない、おすすめDTM音源・プラグイン」をまとめました。特に多くの音楽プロデューサーに愛用され、世界中でベストセラーになり、買っても絶対に損しないと思えるプラグインはかなり絞られます。ここでは初心者からプロまで使えて「これさえ買っておけば問題なし」と断言できる「世界で愛用されているおすすめDTM音源・プラグイン」をご紹介します。

3

今回は、ユニークな音がすぐ作れるおすすめのマルチエフェクトプラグインを5つご紹介します。 いずれも1つのプラグインでさまざまなエフェクトが使えますので、1つ持っておくだけでもサウンドデザインの幅が広がります。 「何でもいいから何か変化を加えたい」というときにも効果的ですので、ぜひチェックしてみてください。

4

今回は、主にポップスやダンスミュージックで使えるシンセサイザープラグインをご紹介します。いずれも世界的プロも愛用する人気プラグインですが、それぞれ特色が異なりますので、できるだけたくさん持っておくと目的に合った音作りがしやすくなります。まだ持っていないプラグインがあれば、ぜひチェックしてみてください!

5

この記事では、映画音楽やゲーム音楽で使える打楽器・パーカッション音源をご紹介します。ハリウッド映画トレイラーのような迫力のある打楽器アンサンブルから、繊細なオーケストラパーカッションを作りたいときまで幅広く使えますので、ぜひチェックしてみてください。

6

ここでは、AmazonのKindle Unlimitedで読めるおすすめのDTM・作曲関連書籍をご紹介します。月額1000円程度で対象本がすべて読み放題になるサービスですが、実はDTMや作曲関連の本・雑誌も対象作品が多数あるため、作曲をしている方にも非常におすすめできます!

7

今回は、これからDTMをはじめたいという方向けに「Amazonで買えるDTM初心者セット」を3つご紹介します。「これからDTMをはじめたいけど、何を買ったらいいかわからない」「とりあえずこれさえ買っておけばOKみたいなセットはない?」このような方のための記事ですので、ぜひ参考にしてください。

8

今回は、DTMでおすすめの和楽器プラグイン・音源をまとめました。それぞれ特有の音色・アーティキュレーション・奏法が使えるため、なるべくたくさん持っておくと目的に合ったサウンドを作りやすくなります。まだお持ちでない方は、ぜひチェックしてみてください。

9

今回は、音楽プロデューサーのAlex Romeが解説する「どんな曲も劇的に改善するPanのやり方」をまとめました。Pan(パン)は、使い方によっては音がとても不自然に聞こえてしまうことがあります。そこでこの記事では、DTMで上手にMIXするためにはPanをどのように調整すればいいのか、そのコツを8つご紹介します。

10

今回は、音楽好きの方や音楽家・DTMerにおすすめのふるさと納税返礼品をまとめてご紹介します。楽器本体、楽器関連機器、パソコン関連機器、音楽関係のチケット、音楽関係の雑貨など、音楽に関係する返礼品は非常にたくさんあります。気になる返礼品があれば、ぜひチェックしてみてください!

-音楽ジャンル解説
-