ミキシングのコツ

【バンド】デスメタル系ドラムのミックステクニック【タム編】

THIS is how you MIX DEATH METAL DRUMS!

今回は、Kohlekeller Studioが解説する「メタルドラムのミキシングテクニック」をまとめました。

こちらでは「タム編」として、タムに関するミキシングテクニックを解説しています。

ドラムサウンドをチェック

動画内では、オーストラリア系フランス人によるデスメタルバンド「Monument Of Misanthrophy」の楽曲「Exeptionally Sandistic」で実際に使われたミキシングテクニックを、ミックスを担当した本人が惜しみなく公開しています。

楽曲はこちら

MONUMENT OF MISANTHROPY - Exceptionally Sadistic OFFICIAL VIDEO (Brutal Death Metal)

この楽曲のドラムをソロで聞くと、このようになります。

1:34~1:58

THIS is how you MIX DEATH METAL DRUMS!

それでは、タムのミックスについて詳しく解説していきます。

ドラムトラックの分け方

今回は、タムを1つずつ別のトラックに分割しています。

この楽曲では3つのタムを使っているため、3トラックに分かれています。

https://www.youtube.com/watch?v=xfF9pFFQYW8

タムのミックス1つ目

1つ目のタムには、Wilkinson Audio社「DE-BLEEDER」Sound Radix社「DRUM LEVELER」Fabfilter社「Pro-Q3」をかけています。

「DE-BLEEDER」はその名前の通り、ドラムのブリードを削除するプラグインです。
ドラムのブリード:スネア用のマイクにハイハットの音が入ってしまうなど、他の楽器の音のこと。

https://www.youtube.com/watch?v=xfF9pFFQYW8

この後にDRUM LEVELERをかけ、すべてのヒットの音量をそろえています。

https://www.youtube.com/watch?v=xfF9pFFQYW8

最後はEQで、ローカット+ハイカットでシンバルの場所を空けています。

https://www.youtube.com/watch?v=xfF9pFFQYW8

タムのミックス2つ目

2つ目のタムには、DE-BLEEDERとEQ(ハイカット+ローカット)をかけています。

https://www.youtube.com/watch?v=xfF9pFFQYW8

DE-BLEEDERの設定は1つ目のタムと同じです。

タムのミックス3つ目(フロアタム)

3つ目のタムはフロアタムで、DE-BLEEDERとEQをかけています。

EQの設定は、前者2つのタムに比べて極端なシェイプに設定しています。

https://www.youtube.com/watch?v=xfF9pFFQYW8

470hz付近を削り、ローエンドをかなりブースト、そしてハイエンドをカットしています。

18:11~18:17

THIS is how you MIX DEATH METAL DRUMS!

タムのバストラックのミックス

タム全体には、リバーブ編で解説した「drumverb」のリバーブをかけ、TC Electronic社の「Master X」を使って仕上げています。

Master Xのいいところは、EQとコンプレッションを同時に行うことができる点です。

例えば、タムの音が前に来るようにコンプレッションをした後、コンプレッションによって出過ぎた中音域をEQで削ることができます。

ON/OFFの状態を聞き比べてみると、Master Xを使った時の方がより音が大きく前に出ていてパンチがあり、中音域がポコポコしておらず、すっきりしていることがわかります。

19:07~19:20

THIS is how you MIX DEATH METAL DRUMS!

Master Xの後は、EQをかけています。

「ローカット+400~500hz付近を削る+高音域を少しブーストしてアタック感を出す」という、これまでと同じような設定の繰り返しになります。

https://www.youtube.com/watch?v=xfF9pFFQYW8

今回のタム編の解説はここで終了です。

次回は「ルームマイク編」として、ルームマイクの音に関するミックステクニックを解説していきます↓


人気記事

1

今回は、主にポップスやダンスミュージックで使えるシンセサイザープラグインをご紹介します。いずれも世界的プロも愛用する人気プラグインですが、それぞれ特色が異なりますので、できるだけたくさん持っておくと目的に合った音作りがしやすくなります。まだ持っていないプラグインがあれば、ぜひチェックしてみてください!

2

https://youtu.be/bjqArFjaZLI 今回は、ジャズのスペシャリスト・Kevin Castroが解説する「ジャズの基本コード進行3つ」をまとめました。 ここでご紹介する3つのコード ...

3

今回は、大人気プラグインメーカーのCableguysが解説する「音にまとまりを出す方法4選」をまとめました。ボーカル、ギター、ベース、キーボード、ドラム...どれも1つ1つしっかり作っているのに、全体で聞くとなんとなくまとまりがなく、バラバラに聞こえる…こんなお悩みにお答えする「音にまとまりを出す方法」を4つご紹介します!

4

今回はChris Selimが解説する「1176コンプレッサーの使い方」をまとめました。 「有名なコンプレッサー」としてよく名前が挙げられる製品の1つが「1176コンプレッサー」です。この記事では、なぜこのコンプレッサーは世界中のDTMerに愛されているのか、その魅力と使い方を解説していきます。

5

今回は、Jonah Matthewsが解説する「サラウンドサウンドチャンネルの数字の意味とは?」をまとめました。映画を見るときや音楽を聞くとき、「5.1サラウンド」など「小数点の付いた数字+サラウンド」の文字を目にすることがあります。一体これは何を意味しているのでしょうか?

ファンクとは? 6

今回は、Antoine Michaudが解説する「Add9コードとMaj9コードの違い」をまとめました。どちらもコードネームに「9」が付いていますが、一体何が違うのでしょうか?「Add11とMaj11」「Add13とMaj13」の違いなども同様の考え方で見分けられます!

7

世界的にヒットしている曲の構成はどうなってる?ヒット曲の公式はある?今回はこのような疑問にお答えします。「曲を作るときはこれを使え!」と言うほど、多くの世界的ヒット曲に使われている楽曲構成をご紹介します。主に洋楽に使われている構成ですので、特に「世界中で自分の曲を聞いてもらいたい」という方はぜひ実践してみてください。

8

今回は、Universal Audio社が解説する「API 2500 Bus Compressorを使うコツ」をまとめました。コンプレッサーの中でも非常に有名なこの人気製品について、同社がリリースしているプラグイン版を使用しながら、このコンプレッサーを使いこなすためのコツをご紹介します。

9

今回は、Tim Heinrichが解説する「リバーブを削除する方法 ~5つのプラグイン~」をまとめました。前回はリバーブを除去する方法を4つご紹介しましたが、今回は「リバーブ除去専用プラグイン」をまとめています。機能も値段もプラグインによってさまざまですので、ぜひご自身に合ったプラグインを見つけてみてください。

大きいスピーカーを買った方がいいミックスができるのか?おすすめのスピーカーは? 10

今回は「大きいスピーカーを買えばいいミックスができるのか?」をまとめました。一般家庭の部屋に置くには大きすぎるサイズのものもありますが、プロになるのであれば大きいスピーカーを買わなければならないのでしょうか?言い換えれば、大きいスピーカーを買えば、いいミックスやマスタリングができるようになるのでしょうか?

-ミキシングのコツ