今回は、Kohlekeller Studioが解説する「メタルドラムのミキシングテクニック」をまとめました。
この記事では「シンバル編」として、シンバル類のミキシングテクニックを解説しています。
デスメタル系ドラムのミックステクニックシリーズ
動画内では、オーストラリア系フランス人によるデスメタルバンド「Monument Of Misanthrophy」の楽曲「Exeptionally Sandistic」で実際に使われたミキシングテクニックを、ミックスを担当した本人が惜しみなく公開しています。
ドラムサウンドをチェック
この楽曲のドラムをソロで聞くと、このようになります。
このドラムは、Kohlekeller Studioでレコーディングしたものです。
それでは、シンバル類のミックスについて詳しく解説していきます。
オーバーヘッドのミックス方法
まずはオーバーヘッドの音を確認してみましょう。
使っているプラグインはEQだけで、Pro-Q3でローカット(130hz以下)と中音域(487hz付近)を少し削っているだけです。
メタルに関して言うと、500hz付近は「敵」とも言える帯域です。

チャイナシンバルのミックス方法
別のシンバルの音もチェックしましょう。
左のチャイナシンバルに関しては、このような処理をしています。
EQのカーブを見ると、「ローカット+中音域を少し削る+高音域をブースト」という、典型的なシンバル用のEQの形になっていることがわかります。

ライドシンバルのミックス方法
ライドシンバルは、強度の高いデスメタルにおいてはしっかり抜けのいい音になっていることが大切です。
こちらもEQではローカット・高音域を少しブーストしており、超高音域もカットしていますが、このようなハイカットは普段あまり行いません。

EQをかけると、このようになります。
EQの次は、soundtoys社の「DEVIL-LOC」を使っています。

DEVIL-LOCをかけると、このようになります。
やさしめに叩いた時の音がしっかり持ち上げられるようになりました。
最後はWaves社の「L1 Limiter」を使い、ライドの音の抜けがよくなるようにしています。

L1をかけると、このようになります。
ライドがより前にいるように聞こえるようになりました。
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ハイハットのミックス方法
ハイハットは、EQでシンプルにローカットをしながら、soothe2で耳の痛い音(10khz付近)を抑えています。


シンバル類全体のミックス方法
この曲では、最後に少しだけ音を小さくするため、シンバル類全体にボリュームオートメーションをかけています。
その他にオートメーションはかけていません。
エフェクトプラグインに関しては、まず最初にsoothe2を使って耳の痛い音域をならしています。

次は少し驚くかもしれませんが、Cubase付属のディストーションプラグイン「distortion」を使っています。

ほんの少しの違いですが、ディストーションをかけることで少しだけシンバル類の音全体にまとまりが出るようになります。
ディストーションの後は、シンプルなローカットのEQをします(165Hz以下)。

そして最後に、Flux社の「Stereo Tool」を使い、広がりを出しています。

設定は75%程度にしているため、ギターほど真横にいる感じにはならず、ちょうどいい広がりになっています。
さて、今回のシンバル編はここで終わりです。
次回は「スネア編」として、スネアに関するミックステクニックを解説していきます↓