音楽理論

【KSHMR解説】DTMerのための音楽理論基礎講座 Part4 -レラティブキー(平行調)-

音楽理論をざっくり学んで、作曲できるようにしたい!
世界的に有名なプロからテクニックを学びたい!

今回はこのようなご要望にお答えする内容です。

数々のプラグイン・サンプルを販売する「Splice」が監修「Lesson of KSHMR」をまとめました。

この記事ではそのうち、音楽理論基礎①で解説されている「レラティブキー(平行調)」の部分をご紹介します。

KSHMRは世界的に有名なDJ・音楽プロデューサーなので、このシリーズでお伝えするテクニックはまさに「プロ直伝」。

音楽制作で必ず使える情報が満載ですので、ぜひ最後までご覧ください!

Lessons of KSHMR: Music Theory To Get Started Part 1

レラティブキー(平行調)とは?

レラティブキー(平行調)とは、「同じ音を使っている異なるスケール・キー」のことです。

最もカンタンな例は、CメジャースケールとAマイナースケールです。

AマイナースケールはAから始まり、下から順に「A,B,C,D,E,F,G,A」という並びです。

ピアノで言うと、白鍵(白い鍵盤)の音しか使わないスケールです。


画像:動画より

対して、Cメジャースケールはどうでしょう?

こちらも同じく、白鍵(白い鍵盤)の音しか使わないスケールです。

違いは、スタートの音がCであることです。

画像:動画より

「メジャースケールとマイナースケール」という違い、そしてスケールのはじまりの音が違うという点はありますが、使っている音は全く一緒。

これが「レラティブキー(平行調)」の特徴です。

「Aマイナースケールは、Cメジャースケールのレラティブキー(平行調)である」という言い方ができます。

AマイナーキーとCメジャーキーの違いは?

「じゃあその曲がAマイナーキーかCメジャーキーかはどうやって判断するの?」という方のために、実際に違いを聞いてみましょう。

Aマイナーキーで作った曲の例

まずは、Aマイナーキーで書いた(Aマイナーキーを意識した)メロディーからみてみましょう。

5:57~6:06

Lessons of KSHMR: Music Theory To Get Started Part 1

このフレーズでは、Aマイナーコードを中心にして曲が作られています。

また、前回の「メロディーの明暗のつけ方」でもお話した「半音移動のメロディー」のテクニックも使われています。


画像:動画より

そのため、マイナーキーの特徴である「暗い感じ・ダークな感じ」に合ったメロディーになっています。

ちなみに、より具体的な「AマイナーキーとCメジャーキーの違い」「どちらのキーか判断する方法」についてはこちらにまとめていますので、気になる方はこちらもチェックしてみてください↓

CメジャーキーとAマイナーキーの違いって何?【レラティブキー・平行調】

Cメジャーキーで作った曲の例

では次に、Cメジャーキーで作った曲の例をみてみましょう。

ちなみにコード進行は先ほどと全く一緒です。

6:29~6:38

Lessons of KSHMR: Music Theory To Get Started Part 1

コード進行は同じなのに、Aマイナーの時よりも、ハッピーな感じがします。

実はこれは、メロディーの音をAマイナーの時よりも上げているからなのです。


画像:動画より

全部「メジャー感」があると「やりすぎ」になるかも

よくやりがちなのが、メジャーキーだからと言って、コード進行も明るい印象のあるメジャーコードを多用するパターンです。

例えば今回の例だと、一番最初のコードをAマイナーコードではなくCメジャーコードにしたりするような形です。

こうすると、メロディーもハッピーでコードもハッピーになり、「明るすぎる」「安っぽい」「子供っぽい」という印象になってしまうことがあります。

実際に、「Cメジャーコード→Gメジャーコード右Fメジャーコード」と、メジャーコードを多用した例を聞いてみましょう。

7:17~7:24

Lessons of KSHMR: Music Theory To Get Started Part 1

そのため、メロディーは明るめで、コード進行はマイナーコードを使ってみると、ちょうどいい落ち着き加減になります。

今回は「Aマイナーコード→Dマイナーコード→Eマイナーコード」という進行にしてみます。

7:39~7:44

Lessons of KSHMR: Music Theory To Get Started Part 1

続き「Part5:ハーモニックマイナースケール」


人気記事

1

この記事では、ヒット曲を作曲するための方法を解説した記事をまとめています。作曲・編曲・ミキシング・マスタリングなど、音楽制作の工程ごとに分けてご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

2

今回は、Doctor Mixが解説する「歴代のシンセサイザーTOP10」をご紹介します。みなさんがよく耳にする「あの音」は、実はこれらのシンセサイザーの音かも…!?「聞いたことある!」「あの音って、このシンセの音だったんだ!」と驚くこと間違いなしです!

3

CメジャーキーとAマイナーキーって、どう違うの? 聞き分け方はある? 今回はこのような疑問にお答えする内容です。 https://www.youtube.com/watch?v=lPDVo-7Ua28 ...

4

今回はバークリー音大卒業生のBasiaによる「バークリーQ&A バークリーに行く前に知っておくべきこと」をまとめました。Basiaはバークリー音大の作曲専攻を卒業しており、現在はシンガーソングライターとして活動しています。そんな彼女が、バークリー音大に憧れている人や受験を真剣に考えている人のために15の質問に答えます。

5

今回は、オーディオエンジニアのSean Divineが教える「複数楽曲のLUFS(ラウドネス)を統一する方法」をまとめました。曲のアルバムには複数の楽曲が入っており、「1曲目から最後の曲まで通して聴く」というリスナーもいます。そんなリスナーのために、LUFS(ラウドネス)を統一する方法をご紹介します。

ミクソリディアンモードを使ったゲーム音楽 6

今回は、8-bit Music Theoryが解説する「ミクソリディアンモードを使ったゲーム音楽」をまとめました。ゼルダ、FF、ポケモン、マリオなど、ゲーム音楽にはミクソリディアンモードを使った楽曲が数多くあります。「モードを使った作曲にチャレンジしたい!」という方には必見の内容です!

大きいスピーカーを買った方がいいミックスができるのか?おすすめのスピーカーは? 7

今回は「大きいスピーカーを買えばいいミックスができるのか?」をまとめました。一般家庭の部屋に置くには大きすぎるサイズのものもありますが、プロになるのであれば大きいスピーカーを買わなければならないのでしょうか?言い換えれば、大きいスピーカーを買えば、いいミックスやマスタリングができるようになるのでしょうか?

8

今回は、人気音楽プロデューサーのVirtual Riotが解説する「Serum 2の全新機能の解説」をまとめました。Xfer Records社「Serum2」で新しく追加されたプリセットの制作にも携わったVirtual Riotが、新機能17項目を徹底解説します。

9

今回は「カリッとしたボーカルにするためのMIXテクニック」をまとめました。全部で9個あり、組み合わせて使うことで非常に魅力的な音にすることもできます。初心者の方から上級者の方までお試しいただける内容ですので、ぜひご覧ください。

クロマティック・ミディアント(Chromatic Mediant)とは 10

今回は、イギリスの作曲家・Guy Michaelmoreが教える「クロマティック・ミディアント(Chromatic Mediant)とは?」をまとめました。映画音楽界で活躍する本人が、映画音楽でよく使われるクロマティック・ミディアントについて解説します!

-音楽理論
-