【KSHMR解説】DTMerのための音楽理論基礎講座 Part6 – ハーモニックスコープ-

【KSHMR解説】DTMerのための音楽理論基礎講座 Part6 – ハーモニックスコープ-
音楽理論をざっくり学んで、作曲できるようにしたい!

世界的に有名なプロからテクニックを学びたい!

 
今回はこのようなご要望にお答えする内容です。
 

 

数々のプラグイン・サンプルを販売する「Splice」が監修「Lesson of KSHMR」をまとめてみました。

 
今回はそのうち、音楽理論基礎①で解説されている「ハーモニックスコープ」の部分をまとめています。

 

Lesson of KSHMR 音楽理論基礎シリーズ
 
Part1:ディグリーネーム・スケール・コード
Part2:転回形
Part3:メロディーの作り方
Part4:レラティブキー(平行調)
Part5:ハーモニックマイナースケール
Part6:ハーモニックスコープ
Part7:アラビックスケール
 
KSHMRは世界的に有名なDJ・音楽プロデューサーなので、このシリーズでお伝えするテクニックはまさに「プロ直伝」。
 
音楽制作で必ず使える情報が満載ですので、ぜひ最後までご覧ください!
 

スポンサードサーチ

ハーモニックスコープ(Harmonic Scope)とは?

 
ハーモニックスコープとは直訳で「ハーモニーの範囲」という意味。
 
「曲の最初に使うコードの数・範囲を限定し、後から新しいコード(ハーモニー)を変えること」を指します。
 
 
では、実際の例で見てみましょう。
 

KSHMR・Tiëstoの「Secrets」で実際に使われた例

 
例えば、僕(KSHMR)がTiëstoと製作した「Secrets」という楽曲。
 
Eマイナーキーの曲で、コード進行はこちらが使われています。
 

Em – D – C – B

 
4:39~

 

とても直感的で、シンプルで、まとまったコード進行です。
 
特に、BメジャーコードからEマイナーコードに行くところは5thから1stへの移動になるので、「ホームに戻ってきた感」「解決感」「終わった感」が強くなります。
 
 
では、この曲の後半はどうなるでしょうか?
 
前半と後半を合わせて聞いてみましょう。
 
5:12~5:36

 

画面上の黄緑色の部分になってからコード進行がガラっと変わり、とてもドラマティックになりましたね。
 
前半とは違うコード進行を使っており、これが「ハーモニックスコープ」を活用した良い例になります。
 
ちなみにこの後半のコード進行は、Aマイナースケールにするとこのようになっています。
 

F – E – Am – Am
D – G – Am – Am

 
ディグリーネームにすると、
 

VI – V – Im – Im
IV – VII – Im – Im

 

 
画像:動画より
 

この曲はマイナー キーなので、サブドミナントであるIVとII、ドミナントであるVとVIIはマイナーコードになるはずですが、前回ご紹介したテクニックを使って、どちらもメジャーコードにしています。
 
 
ちなみに、原曲のコード進行はこのようになっています。
 

C – B – Em – Em
A – D – Em – Em

 

スポンサードサーチ

最初にメジャーコードを入れても違和感がない理由

 
この部分の最初のコードはVIメジャーコードになっていますが、違和感がありませんね。
 
これは、このコードがとてもマイナーコードっぽく聞こえるからです。
 
 
例えば、最初はVIコードになっており、AマイナースケールならFメジャーコード。
 
IコードであるAマイナーコードとの違いを見てみると、実はたったの半音しか違わないことがわかります。
 

Aマイナーコード:A,C,E
Fメジャーコード:F,A,C

 
CとAは共通で、EとFは違いますが、たったの半音1個しか差がありません。
 

IとVIは「トニック」で置き換えOK

 
I(1番目)のコードはトニックであるというお話を聞いたことがある方も多いと思いますが、これはVIのコードも同じ。
 
上記のように、IコードとVIコードはとても音が似ているので、お互いを「代替案」として使うことができます。
 
 
例えば、最初はIコードを使っていたけど、VIコードに差し替える…ということができます。
 
強いて言うと、マイナーキーの曲では、Iコードはマイナーコードになるので、悲しい感じ+1stなので「ホーム感」が強くなり、メジャーコードになるVIコードはもう少しパワフルに聞こえやすくなります。
 

トニック→ドミナントで「強い進行感」

 
この進行におけるもう一つのポイントが、最初のコード2つがトニックとドミナントの関係になっているところです。
 
最初のコードであるVIはトニックで、その次のVはドミナントです。
 
「トニック→ドミナント」という移動は、その逆の「ドミナント→トニック」の進行と同じように、とても強い「進行感」を与えます。
 
そしてこの後は1stのコードに戻りますから、全体としては「トニック→ドミナント→トニック」という進行になっており、とてもパワフルに聞こえるようになっているのです。
 
 


 
次は音楽理論編の最後「アラビックスケール」についての解説です↓
 
https://www.mizonote-m.com/kshmr-1-7-splice/