音楽理論

【KSHMR解説】DTMerのための音楽理論基礎講座 Part1 - ディグリーネーム・スケール・コード-

音楽理論をざっくり学んで、作曲できるようにしたい!
世界的に有名なプロからテクニックを学びたい!

今回はこのようなご要望にお答えする内容です。

数々のプラグイン・サンプルを販売する「Splice」が監修「Lesson of KSHMR」をまとめました。

この記事ではそのうち、音楽理論基礎①で解説されている「 ディグリーネーム・スケール・コード」に関する部分をご紹介します。

KSHMRは世界的に有名なDJ・音楽プロデューサーなので、このシリーズでお伝えするテクニックはまさに「プロ直伝」。

音楽制作で必ず使える情報が満載ですので、ぜひ最後までご覧ください!

Lessons of KSHMR: Music Theory To Get Started Part 1

ディグリーネームとマイナースケール

最初は、ディグリーネームについてお話します。

まずは、Aマイナースケールを打ち込んでみます。

全て白鍵(ピアノの白い鍵盤)なので、とてもシンプルです。

ここに、ローマ数字で1から7まで順番に番号を振っていきます。

画像:動画より

Aマイナースケールの一番最初のAの音は「I(1)」、2番目のBの音は「II(2)」となります。

そのまま半音ズラしたら?

では、これら全体を半音下にズラしてみましょう。

画像:動画より

G#から始まるスケールになり、これは「G#マイナースケール」であることがわかります。

画像:動画より

さらに半音1個分下げるとGから始まるスケールになり、これは「Gマイナースケール」になります。

マイナースケールの特徴

さて、お気づきになったでしょうか?

上記の例は、隣同士の音の差はそのままに、音程を半音ズラしただけです。

最初に打ち込んだAマイナースケールは、全音と半音がこのような順番で並んでいます。

全音・半音・全音・全音・半音・全音・全音

半音=半音1個分の距離。Cの半音上はC#(Db)
全音=半音2個分の距離。Cの全音上はD

わかりやすく画像にすると、このようになります。

画像:動画より

「WHOLE STEP」は全音のことで、「HALF STEP」は半音のことです。

実はどんなマイナースケールも、最初の音は違いますが、この「半音と全音の並び」は常に一緒なのです。

マイナースケールの並び:全音・半音・全音・全音・半音・全音・全音

5度上の音を重ねると?

では次に、Aマイナースケールの音に対し、全く同じ並びで5度上の音を重ねてみましょう。

5度上=スケール上で使われる音のうち、5個上の音のこと

画像:動画より

Aの5度上はEですので、最初の音に重なっているのはEになります。

実際に音を鳴らしてみると、このようになります(1:24~1:28)

Lessons of KSHMR: Music Theory To Get Started Part 1

この状態ですでに「コード」と呼べるのですが、このコードにも、ディグリーで数字を割り当てることができます。

画像:動画より

この中でも特に重要なのが、「サブドミナント」と呼ばれる4番目のコード(IV)、そして「ドミナントコード」と呼ばれる5番目のコード(V)です。

さらに正確なコードへ

次は、先ほどの5度上の音と同様、今度は3度上の音を足してみましょう。

例えばAの3度上はCなので、AトEの間にCの音を足す形になります。

全部で3音のハーモニーになるので、よりしっかりとキャラクターが出るサウンドになります。

画像:動画より

実際に音で聞くと、このようになります↓(3:09~3:15)

Lessons of KSHMR: Music Theory To Get Started Part 1

マイナーコードとマイナー3rd

今回はAマイナースケール上に使われている音を使いましたので、Iのコードの3度上の音がマイナー3rd(短三度)の音になっています。

マイナー3rdは、ベース音から半音3つ分上の音です。

(Aマイナーコードは、ベース音がAでマイナー3rdの音がCになります)

メジャーコードとメジャー3rd

では、IIIのコード(3番目のコード)も見てみましょう。

AマイナースケールだとCメジャーコードになっていますね。

ベース音がCですが、スケール上にはマイナー3rdであるEbの音が入っておらず、Eの音しかありません。

このEの音は、ベース音に対して半音4つ上の音。

そして、このベースに対して半音4つ上のことを「メジャー3rd」といいます。

メジャーコードとマイナーコード

つまり、ベース音と5度の音の間に入る音が「メジャー3rd」か「マイナー3rd」かによって、「メジャーコード」「マイナーコード」が決まるわけですね。

繰り返しになりますが、

メジャー3rd:ベース音に対して半音4つ上の音
マイナー3rd:ベース音に対して半音3つ上の音

これらは覚えておきましょう!

ディミニッシュコード

では、次に「ディミニッシュコード」について見ていきましょう。

Aマイナースケールにあるコードだと、2番目のコードが「Bdim」になっています。

dimは「ディミニッシュ」の略で、ディグリーネームで書くときは「φ(ギリシャ文字の”ファイ”)」を添えます。

ディミニッシュコードの特徴

ディミニッシュコードは、他のコードとは違い、ベース音と一番上の音(5番目)が完全5度になりません。

例えばCメジャーコードならCとGが完全5度の関係で、半音7個の距離があります。

しかし、ディミニッシュコードでは半音6個分の距離しかなく、半音1個分少なくなります。

例えばBディミニッシュコードだと、本来はCとF#になるはずがCとFの関係になりますから、5度の音が半音1個下がっている=b5th(フラットフィフス)という言い方もします。

「転回形」とは?

実はこれらのコードは、重なる順番を変えても成り立ちます。

例えば、1オクターブ下げたり上げたりすることで順番を変え、同じコードなのに響きを変えることができるわけですね。

こちらについてはPart2で解説していきますので、もっとコードの使い方が上手になりたい、コード進行のバリエーションを増やしたいという方はぜひこちらもご覧ください↓

続き「Part2:コードの転回系って何?」

Spliceプレゼンツ・KSHMRのDTM講座シリーズ

【KSHMR解説】DTMerのための音楽理論基礎講座 Part1 – ディグリーネーム・スケール・コード-
【KSHMR解説】DTMerのための打ち込みストリングス・エスニックサウンド講座 Part1
【KSHMR解説】DTMerのためのリバーブ講座 Part1
【KSHMR解説】DTMerのためのボーカルMIX講座
【KSHMR解説】DTMerのためのスネア講座 -打ち込み・MIXの5つのコツ-
【KSHMR解説】DTMerのための「かっこいいEDMドロップの作り方」
【KSHMR解説】DTMerのための「メロディーの作り方」
【KSHMR解説】DTMerのための「Melodyneを使ったピッチ修正の仕方」
【KSHMR解説】DTMerのための「アコースティックギター打ち込みのコツ」


人気記事

1

今回はAdam Audio社とIn The Mixが解説する「スピーカーは縦置き or 横置きのどちらがいいのか?」をまとめました。 多くのスピーカーは正方形ではなく長方形であることが多いですが、縦置 ...

2

世界的にヒットしている曲の構成ってどうなってるの? 「ヒット曲の公式」みたいなのがあるといいんだけど… 今回はこのような疑問にお答えします。 https://www.youtube.com/watch ...

3

今回は、世界にある「超が付くほど珍しい楽器」を10個ご紹介します。 この中には、ギネス記録を樹立したとんでもない楽器もあります。 みなさんが知っている楽器はいくつあるか、ぜひ数えながらそのサウンドをお ...

4

日本っぽい和風な楽曲を作りたいんだけど、どんなテクニックを使えばいい?「日本の音階」にはどんな種類がある? 今回はこのような疑問にお答えする内容です。 英語版wikipediaの「日本の音階」で紹介さ ...

5

Auto-Tuneってどうやって使えばいいの?プロみたいに細かくキレイにボーカルを修正するにはどうしたらいい? 今回はこのような疑問にお答えする内容です。 https://youtu.be/wMoGX ...

6

音楽におけるアップビート、ダウンビート、オンビート、オフビート、バックビート… 似たような言葉だけど、何が違うの?覚えられない… 今回はこのようなお悩みにお答えする内容です。 「アップビート」「オフビ ...

7

CメジャーキーとAマイナーキーって、どう違うの? 聞き分け方はある? 今回はこのような疑問にお答えする内容です。 https://www.youtube.com/watch?v=lPDVo-7Ua28 ...

8

当サイトのnoteアカウントにて「楽曲のサビ・Aメロ・Bメロ・Cメロ・ポストコーラス・イントロ&アウトロの作り方」をそれぞれアップしました。 「曲を作るときに何から始めたらいいかわからない」「 ...

9

https://youtu.be/bjqArFjaZLI 今回は、ジャズのスペシャリスト・Kevin Castroが解説する「ジャズの基本コード進行3つ」をまとめました。 ここでご紹介する3つのコード ...

10

今回は、「絶対に買って損しない、おすすめDTM音源・プラグイン」をまとめました。 当サイトでは、これまで数多くの海外プロのDTMテクニックをまとめてきました。 その中でも、特に多くの音楽プロデューサー ...

11

今回は、Sage Audioが教える「カリッとしたボーカルにするためのMIXテクニック」をまとめました。 全部で9個あり、組み合わせて使うことで非常に魅力的な音にすることもできますので、ぜひお試しくだ ...

-音楽理論
-