音楽理論

五度圏(サークルオブフィフス)の使い方5選 -トニック・ドミナント編-

5 Ways to Use the Circle of Fifths | Music Theory

今回は、Pyramindのインストラクター・Ryan Reyが解説する「五度圏(サークルオブフィフス)を活用する5つの方法」をまとめました。

この記事では、その活用法の5つ目「トニック・ドミナントの関係性を確認する」をご紹介します。

「五度圏」と聞くと難しく感じるかもしれませんが、ていねいに解説していきますのでご安心ください。

トニックとは?

トニックとは、そのキーの1th(ローマ数字の「I」)にあたる音、主音を指します。

たとえばCメジャーキーなら、主音はC、つまりトニックはCになります。

https://www.basicmusictheory.com/c-major-scale

GメジャーキーならGです。

https://www.basicmusictheory.com/g-major-scale

ドミナントとは?

ドミナントとは、そのキーの5th(ローマ数字の「V」)にあたる音、属音を指します。

「トニックから数えて5番目の音」と考えるとかんたんです。

たとえばCメジャーキーなら、属音はG、つまりドミナントはGになります。

https://www.basicmusictheory.com/c-major-scale

Gメジャーキーなら、属音はDです。

https://www.basicmusictheory.com/g-major-scale

トニックとドミナントの関係性

トニックとドミナントは、とても強い結びつきがあります。

たとえばコード進行においてドミナントからトニックに行くと、強い解決感があります(強進行)。

たとえばCメジャーキーなら、

V → I

つまり

G7 → C

このような進行にすると、終わった感・解決した感を作ることができます。

他にも、トニックとドミナントを使うことで得られる音楽的な効果はさまざまあります。

興味のある方は調べてみてください。

五度圏でトニックとドミナントを確認する

五度圏でトニックとドミナントを確認するのは、とてもかんたんです。

左にあるのがトニックで、そのすぐ右隣にあるのがドミナントです。

https://online.berklee.edu/takenote/circle-of-fifths-the-key-to-unlocking-harmonic-understanding/

たとえばCメジャーキーの場合、Cの右隣はGです。

つまりこれだけで「Cがトニックのとき、Gがドミナント」ということがわかります。

CメジャーキーにおけるトニックはCで、Gがドミナントです。

別のキーを見てみましょう。

https://online.berklee.edu/takenote/circle-of-fifths-the-key-to-unlocking-harmonic-understanding/

時計の3時方向にあるAメジャーキーの場合、AがトニックのときEがドミナントです。

つまり、AメジャーキーにおけるトニックはAで、Eがドミナントです。

五度圏でセカンダリードミナントを確認する

五度圏表を見ると、セカンダリードミナントを使うアイデアもかんたんに得ることができます。

セカンダリードミナントとは、別のキーから持ってきた、ドミナントのような役割を持つコードのことです。

セカンダリードミナント関連記事

「別のキーでどんなコードが使われるのか」は、今までのシリーズでご説明した通り、五度圏で確認できます。

おまけ:コードの構成音も五度圏を使って確認できる

コードの構成音も、この五度圏を使うとすぐわかります。

たとえば「Eマイナーコードって、何の音を使うんだっけ?」というときに役立ちます。

メジャーコードの構成音をチェックする

  • 起点
  • 起点から見て4つ右
  • 起点の右隣
https://online.berklee.edu/takenote/circle-of-fifths-the-key-to-unlocking-harmonic-understanding/

たとえばCメジャーコードの場合はこうなります。

ルート音:C(起点)

Major 3rd:E(ルート音から右に4つ動かしたところ)

5th:G(ルート音の隣、ドミナント)

マイナーコードの構成音をチェックする

  • 起点
  • 起点から見て3つ左
  • 起点の右隣

これでマイナーコードの構成がわかります。

たとえばCマイナーコードの場合はこのようになります。

ルート音:C(起点)

Minor 3rd:Eb(ルート音から左に3つ動かしたところ)

5th:G(ルート音の隣、ドミナント)

この法則に従えば、どんなコードの構成音もわかります。

五度圏を使ってトニック・ドミナントの関係性を確認する方法まとめ

今回の内容をまとめると、このようになります。

トニックとは

そのキーの1th(ローマ数字の「I」)にあたる音、主音

ドミナントとは

そのキーの5th(ローマ数字の「V」)にあたる音、属音

五度圏におけるトニックとドミナント

左にあるのがトニックで、そのすぐ右隣にあるのがドミナント

メジャーコードの構成音

起点、起点から見て4つ右、起点の右隣

マイナーコードの構成音

起点、起点から見て3つ左、起点の右隣


今回でPyramidによる五度圏の活用法シリーズは終了です。

もしまだ見ていない回があれば、ぜひ一度目を通してみてください。

どの回でも、音楽理論に関する知識が増えるだけでなく、すぐ楽曲作りに行かせる方法を学べます🔻

当サイトでは他にも音楽理論についてまとめていますので、ぜひこちらもご覧ください🔻


人気記事

1

今回は、DTMでおすすめの民族楽器系音源・プラグインをまとめました。通常のポップスやオーケストラではあまり使われない楽器や、非常にニッチな国・地域特有の楽器が使える製品もまとめています。インド・中国・北欧・ケルト系・アラブ・ガムラン系など幅広くご紹介しますので、ぜひチェックしてみてください。

ディザリングとは? 2

今回はDTMにおける「ディザリング」についてまとめました。ディザリングは、DTMでは特にマスタリングをするときに重要な工程です。この記事では、ディザリングとは何なのか、そしてマスタリングをするときに気をつけるべきことについてご紹介していきます。

3

今回は、DTMプラグインの中で最も有名な製品の1つであるSpectrasonics社「Omnisphere 3」の新機能と使い方をまとめました。2025年10月に発表された今作ですが、前作の「Omnisphere 2」と何が変わったのか、新機能とその使い方を解説していきます。

4

今回は「カリッとしたボーカルにするためのMIXテクニック」をまとめました。全部で9個あり、組み合わせて使うことで非常に魅力的な音にすることもできます。初心者の方から上級者の方までお試しいただける内容ですので、ぜひご覧ください。

5

今回は、Chris Selimが解説する「マスタリング前に行うミックスの準備方法」をまとめました。マスタリングは楽曲を配信・リリースするための最終段階で、ミックスの後に行われる作業です。 ご自身でミックスとマスタリングを両方行う方も、マスタリングだけ他の人に頼む方も、ミックスの段階でやっておくべきことがわかりますのでぜひ参考にしてください。

6

今回はWaves社のリミッター「Lシリーズ」の違いをまとめました。Waves社はDTMerなら誰もが知っているメーカーですが、同社の人気リミッターのうち、頭に「L」がついた「L1」「L2」「L3」「L4」のリミッターはそれぞれどのような特徴があり、どのように使い分ければよいのでしょうか?

7

今回は「VUメーターの使い方とゲインステージングのやり方」をまとめました。 ミキシングやマスタリングでは「VUメーター」を使うことがありますが、そもそもVUメーターとは何か、なぜVUメーターを使うことが大切なのか、VUメーターの効果的な使い方について解説していきます。

8

今回は「音楽・オーディオにおける真空管(Vacuum Tubes)とは何か?」をまとめました。音楽やオーディオ関連の機材について調べていると「これは真空管だから音がいい」など、「真空管=何だかいいモノ」のような会話を耳にすることもあるでしょう。そこで今回は真空管(チューブ)とは何か、なぜ真空管らしい温かみのある音が出るのかを解説します。

9

今回は、How To Write Songsが解説する「ヒット曲を作るソングライターがやっている7つの習慣」をまとめました。テイラー・スウィフト、エド・シーラン、レディーガガ、ジョン・メイヤー、スティング、ビートルズが実践する習慣もありますので、音楽のプロを目指す方はぜひ参考にしてください。

10

今回は、Waves社のリミッタープラグイン「L4 Ultramaximizer」の新機能と基本的な使い方をまとめました。最新作「L4 Ultramaximizer」は、これまでLシリーズを使ってきた方にもそうでない方にも非常におすすめできるプラグインですので、ぜひチェックしてみてください。

-音楽理論
-,