音楽ジャンル解説

【音楽ジャンル】ファンク(Funk)とは?どんな音楽?【ギター&鍵盤楽器編】

今回は英語版wikipediaの「ファンクミュージック」をまとめました。

この記事ではPart5として、ファンクにおけるギターと鍵盤楽器の特徴について解説します。

ファンクは音楽的にも歴史的にもとてもおもしろいため、このシリーズは長編になっていますが、読み進めれば必ずどこかで面白さがわかってきます!

ファンクにおけるギターの特徴とは?

ファンクにおいて、ギタリストは短い音価(音の長さ)でコードを弾くのが一般的です。

これは「スタブ(Stabs)」と呼ばれ、より早いリズムやリフで用いられることが多いです。

ギタリストはリズミカルなパートを、16分音符やパーカッシブなサウンドを出すゴーストノートを使って演奏します。

コードは9thコードなど、いわゆる「味付け」されたコードを多用します。

ファンクでは2つのギターが絡み合う

基本的に、ファンクでは「2つの連動したギター」が用いられ、これは「リズムギター」と「テナーギター」の2つで構成されています。

テナーギターは、シングルノートで弾くパートです。

参考動画

Play That Funky Music White Boy [TABS in video guitar cover]

この2つのパートはいわゆる「コールアンドレスポンス」のスタイルになっており、2つがうまく絡み合っているのです。

もしバンドにギタリストが一人しかいない場合は、スタジオでオーバーダビングするか(多重録音)、ライブで1人2役で演奏するなどし、可能な限り2人プレイに近づくような演奏スタイルに持ち込みます。

ファンクにおけるパーカッシブなギター

ファンクにおいて、ギターはパーカッシブなスタイルで演奏されることが多いです。

例えば、「チャンク」や「チキンスクラッチ」と呼ばれるピッキングスタイルを使います。

これは弦を軽く弾きつつ、その反対の手ではブリッジ付近に手を置き、弦をミュートする奏法です。

MAXimum Chicken Scratch!!! (Funky Jam #722)-Max Washington
Funk Guitar with DJ Phillips Jimmy Nolen Lick
Funkie Blues - Chicken Scratch Raw
Funk Guitar Lesson: James Brown Style Strumming

このテクニックが最初に使われたのは、1957年のJohnny OtisのR&Bの楽曲「Willie and the Hand Jive」。

のちにFunkでも有名になるJames Brownのバンドでギターを担当しているJimmy Nolenが使っていました。

Johnny Otis - Willie and the Hand Jive (1958)

この奏法が誕生してから、リズムギターのサウンドは、エレキベースのローエンドのドシンとした音と、スネアやハイハットなどのカッティングトーンの間にいるようなサウンドになっていきました。

James Brownのバンドで長年ギタリストとして活躍していたJimmy Nolenがこの奏法を生み出したわけですが、1969年の「Give It Up or Turnit a Loose」では、「細め」のギターサウンドを使います。

ここではピッチではなくアタックに重点が置かれ、アフリカンドラムやイディオフォン(体鳴楽器)のような使われ方をしています。

James Brown- Give It Up Or Turn It a Loose

ファンクにおけるキーボード(鍵盤楽器)の特徴とは?

ファンクにおいて、鍵盤楽器では様々な種類が使われます。

たとえばEarth Wind & Fireによる有名な楽曲「September」や、Billy Prestonによる「Will It Go ‘Round in Circles」ではアコースティックピアノが使われています。

Earth, Wind & Fire - September (Official HD Video)
Billy Preston - Will It Go Round in Circles

エレクトリックピアノだと、Herbie Hancockの「Chameleon」ではFender Rhodesが、Joe Zawinulによる「Mercy, Mercy, Mercy」ではWurlitzerが使われています。

Herbie Hancock - Chameleon (Official Audio)
Joe Zawinul -- Mercy, Mercy, Mercy.

Fender Rhodes

Fender-Rhodes Mark 1 Stage Piano | Reverb Demo Video

Wurlitzer

Wurlitzer 214 A Electric Piano | Reverb Demo Video

クラビネット(Clavinet)はパーカッシブなサウンドを得るために使われていることが多く、Stevie Wonderの「Use Me」などに見られます。

Bill Withers, Stevie Wonder & John Legend - "Use Me" | 2015 Induction

ハモンドB-3(Hammond B-3 organ)は、The Metersの「Cissy Strut」やAretha Franklinの「Love the One You’re With」で使われています。

METERS Cissy Strut
Love the One You're With (Live at Fillmore West, San Francisco, February 5, 1971)

ちなみにStevie Wonderのクラビネットが有名な楽曲「Superstition」では「Hohner Clavinet model C」を使っています。

Stevie Wonder Superstition
Hohner Clavinet C model circa 1971 demonstration vintage keyboard

ファンクにおけるシンセ

キーボード奏者であるBernie Worrellが参加した楽曲を見てみると、ファンクにおいて非常に多くのタイプのキーボードが使われていることがわかります。

ハモンドオルガン、RMIエレクトリックピアノ、アコースティックピアノ、クラビネット、Minimoog(シンセ)、ARPストリングアンサンブルシンセなどが使われています。

ちなみにファンクにおけるシンセは、エレクトリックベースの深みのある低音を足すために使われることもあれば、エレキベースの代わりに使われることもあります。

ファンクのシンセベースの多くはMinimoogが使われます。

エレキベースではできない「新しいエレクトリックサウンド」を作ることができ、音をレイヤーすることができるからです。

Ep20: Synth Sounds of Minimoog: Parliament, Pink Floyd, Dr. Dre & More | Reverb

以上で今回の解説は終了です。

↓つづき「ファンクにおけるボーカル・歌詞・ホーンセクションの特徴」


人気記事

1

今回は「カリッとしたボーカルにするためのMIXテクニック」をまとめました。全部で9個あり、組み合わせて使うことで非常に魅力的な音にすることもできます。初心者の方から上級者の方までお試しいただける内容ですので、ぜひご覧ください。

2

今回は、Waves社のリミッタープラグイン「L4 Ultramaximizer」の新機能と基本的な使い方をまとめました。最新作「L4 Ultramaximizer」は、これまでLシリーズを使ってきた方にもそうでない方にも非常におすすめできるプラグインですので、ぜひチェックしてみてください。

3

今回は、MIX師やMIX初心者の方が持っておくと便利なおすすめのプラグインを3つご紹介します。プリセットを選ぶだけでプロレベルのサウンドにできる、まさに「5秒でMIXが終わるプラグイン」をご紹介します。

4

今回は低音域の吸音が重要な理由をまとめました。200Hzの低音域は部屋でどのように鳴り、人間の耳にはどのように聞こえ、それが映画や音楽を楽しむときにどう影響するのか、どのような吸音材を選べばいいのか、おすすめの吸音材もまとめてご紹介します。

5

今回は、BeatsbyVinityTVが解説する「Skrillexのようにリミッターとクリッパーを使って音圧を上げる方法」をまとめました。Skrillexと言えば、激しい音楽と爆発的な音圧が特徴的です。今回は、彼のように音圧を爆上げするにはどうしたらいいのか、その方法を解説していきます。

6

今回は「DTMで挫折しない学習方法」をまとめました。音楽理論や機材の使い方で挫折しやすいDTMですが、どのように学習すれば挫折せずに済むか&効率よく学習できるのかを6ステップに分けて解説します。

7

今回は「絶対に買って損しない、おすすめDTM音源・プラグイン」をまとめました。特に多くの音楽プロデューサーに愛用され、世界中でベストセラーになり、買っても絶対に損しないと思えるプラグインはかなり絞られます。ここでは初心者からプロまで使えて「これさえ買っておけば問題なし」と断言できる「世界で愛用されているおすすめDTM音源・プラグイン」をご紹介します。

8

今回はChris Selimが解説する「1176コンプレッサーの使い方」をまとめました。 「有名なコンプレッサー」としてよく名前が挙げられる製品の1つが「1176コンプレッサー」です。この記事では、なぜこのコンプレッサーは世界中のDTMerに愛されているのか、その魅力と使い方を解説していきます。

9

今回は「UAD社「Apollo Twin X」は高いけど買うべき10の理由」をまとめました。他社では2万円程度の製品がある中で、Apollo Twinは約10万~20万円です。この記事では、Apollo Twinは値段相応の価値があるのかについて解説します。

10

今回は、DTMで伝説と言われているEQの1つ「Pultec EQ」の魅力と使い方ついてまとめました。なぜこのEQが世界中で使われているのか、Universal Audio社のプラグインを使いながらその魅力と使い方をご紹介します。

-音楽ジャンル解説
-