音楽ジャンル解説

【音楽ジャンル】ブルースとは?【1980年代から現在編】

今回は英語版wikipediaが解説する「ブルース」をまとめました。

この記事ではPart8として、1980年代から現在までのブルースについて解説していきます。

ソウルブルース・サウザンブルース

1980年代になってからは、特にアメリカのジャクソン・ミシシッピ・ディープサウスの地域に住むアフリカ系アメリカ人の間で、ブルースへの興味・関心が再び戻ってくるようになります。

アメリカのジャクソンを拠点とするレーベル「Malaco」のアーティスト、Z.Z.Hillによる「Down Home Blues」とLittle Miltonによる「The Blues is Alright」が予想外のヒットを成し遂げ、これがソウル・ブルース(Soul Blues)やサウザン・ソウル(Southern Soul)などの音楽のブームをさらに盛り上げることになります。

DOWN HOME BLUES - ZZ Hill
LITTLE MILTON- THE BLUES IS ALRIGHT

現代のアフリカ系アメリカ人のソウルブルース・サウザンソウルブルースのアーティストたちには、Bobby Rush、Denise LaSalle、Sir Charles Jones、Bettye LaVette、Marvin Sease、Peggy Scott Adams、Mel Waiters、Clarence Carter、Dr. “Feelgood” Potts、O.B.Buchana、Ms.Jody、Shirley Brownなど、数多くのアーティストがいます。

Bobby Rush "I ain't studdin' ya"
DENISE LASALLE- TRAPPED BY THIS THING CALLED LOVE
Friday

昔のスタイルと新しいスタイル

1980年代のブルースは、昔のスタイルと新しいスタイルのブルース、両方が続いていました。

1986年になると、Robert Crayがメジャーなブルースアーティストとして活躍し、アルバム「Strong Persuader」を発表します。

Robert Cray - Strong persuader

Stevie Ray Vaughanが1983年に「Texas Flood」をリリースすると、テキサスを拠点としたギタリストたちが世界的に活躍するようになります。

Stevie Ray Vaughan - Texas Flood (Live at the El Mocambo)

John Lee Hookerは1989年のアルバム「The Healer」で復活を果たします。

The Healer (feat. Carlos Santana & The Santana Band)

Eric Claptonはthe Blues BreakersやCreamとのパフォーマンスでよく知られており、1990年代の彼のアルバム「Unplugged」でカムバックを果たし、アコギでスタンダードなブルースの楽曲を披露しました。

しかし、1990年代になると「デジタルマルチトラックレコーディング」の誕生や、その他数々のテクノロジーの進化があり、加えてビデオクリップの制作によるコストの増加など新しいマーケティング戦略も出始め、ブルースにとって大切な要素である「自発性と即興性」はチャレンジングな要素になっていきました。

広がるブルースのコミュニティ

1980年代から1990年代においては、「Living Blues」や「Blues Revue」などのブルースに関する書籍も発行され、メジャーな都市ではブルースのコミュニティも出来上がってき、野外のブルース音楽フェスティバルもよりメジャーになっていきました

ブルース用のナイトクラブや音楽会場も以前よりも増えました。

ヒル・カントリー・ブルース(Hill Country Blues)

1990年代になると、これまでほとんど見向きもされなかった「ヒル・カントリー・ブルース(Hill Country Blues)」が、ブルースとオルタナティブ・ロックのコミュニティ内で少しだけ認知される様になっていきます。

これには、北ミシシッピのアーティストR.L.BurnsideやJunior Kimbroughが貢献しています。

R.L.Burnside - it's bad you know
Junior Kimbrough - You Better Run: The Essential Junior Kimbrough (Full Album)

ヒル・カントリー・ブルースは、強調されたリズムや打楽器、停滞感のあるギターリフ、少なめのコード変更、型にはまらない楽曲構成、重めのグルーヴ感(ヒプノティックブギ、ヒプノティックは「催眠」の意味)が特徴です。

ブルースのアーティストたちは、その後もさまざまなスタイルを模索していきます。


次回Part9はこちら↓


人気記事

1

今回は、ダンスミュージックなどでよく使われるColor Bass(カラーベース)を作るときにおすすめのプラグインを3つご紹介します。Color Bassはキラキラと異世界感のあるサウンドが特徴です。この記事では、誰でも手軽に自分の理想のColor Bassを作るのにおすすめのプラグインをご紹介します。

2

今回は、アメリカのプロデューサーNathan James Larsenが解説する「僕のお気に入りのボーカルチェイン」をまとめました。「どんな曲であっても、ミックスの83%はこのボーカルチェインを使っている」というぐらい汎用性が高い内容ですので、ぜひお試しください。

3

今回は、iZotope「Ozoneシリーズ」のリファレンス機能の使い方をまとめました。この記事では、Ozoneシリーズの画面右下にある「Bypass」「Gain Match」「Reference」「Codec」「Dither」「2つの輪っかマーク」「左右矢印マーク」「Iマーク」の使い方をご紹介します。

4

今回は「モードの確認のしかた」をまとめました。音楽ではミクソリディアンモードやリディアンモードなど「モード」がさまざまな種類があります。しかし、そもそもモードとは何かよくわからなかったり、その曲がモードなのかどうか、何モードなのかを聞き分けるのに苦戦する方も多いでしょう。この記事ではモードについて徹底解説していきます!

5

ここでは、AmazonのKindle Unlimitedで読めるおすすめのDTM・作曲関連書籍をご紹介します。月額1000円程度で対象本がすべて読み放題になるサービスですが、実はDTMや作曲関連の本・雑誌も対象作品が多数あるため、作曲をしている方にも非常におすすめできます!

6

ラグタイムってどんな音楽だろう?今回はこのような方向けの内容です。誰もが一度は聞いたことがあるこの音楽ジャンルについて、リズムや歴史をご紹介していきます。

7

コンプレッサー(Compressor)にはいろんなパラメータ(ツマミ)があるけど、それぞれどんな役割なのかいまいちよくわかってないな….今回はこのような方のための内容です。海外プロが教える「コンプレッサーのパラメーターの役割・効果」を、初心者にもわかりやすく「お母さんと自分」に例えてやさしく解説していきます。

8

今回は、Audio Universityが解説する「音響心理学を活かしたミキシングテクニック」をまとめました。この記事ではそのうち、多くの人がミキシングで悩む「マスキング問題」とは何か?について解説しています。

9

今回は、Estueraが解説する「90年代風フレンチハウスの作り方」をまとめました。Daft Punk(ダフトパンク)で有名な90年代フレンチハウスは、そのクールなサウンドで今でも根強い人気を誇っています。今回は、DTMerなら一度は作曲してみたいこのジャンルの作り方をご紹介していきます!

10

久石譲さん・ジブリっぽい曲を作るにはどうしたらいい?今回はこのような方のための記事です。ジブリっぽいサウンドにするためのコツを6つご紹介!今日から使えるシンプルなテクニックばかりですので、ぜひマスターしてください。

-音楽ジャンル解説
-