音楽ジャンル解説

【音楽ジャンル】ブルースとは?【戦前のブルース編】

今回は英語版wikipediaが解説する「ブルース」をまとめました。

この記事ではPart4として、戦前のブルースの歴史について解説します。

ラグタイムと戦前のブルース

戦前、アメリカの楽譜出版業界は、非常にたくさんのラグタイム(当時はかなりの人気だった)の楽譜を出版していました。

1912年までには、ブルース要素のある楽曲を3曲(”Baby” Franklin Seals’s作曲のBaby Seals Blues、Hart Wand作曲の”Dalls Blues”、W.C.Handy作曲の”The Memphis Blues”発表しています。

Mother-In-Law Blues
Dallas Blues (1918)
W.C. Handy - Memphis Blues

ブルースの父・W.C.Handy

このうちW.C.Handyは、しっかりと音楽教育を受けたミュージシャン・作曲家・アレンジャーでした。

彼はバンドやシンガーたちと共にブルースの楽曲をシンフォニックスタイルにアレンジしており、これがブルースの普及に大きく貢献しました。

彼は「ブルースの父」と呼ばれていますが、彼の曲はブルースとラグタイム、ジャズを融合させたような楽曲でした。

しかし、ラグタイムの一部として使われていたキューバン・ハバネラのリズムの促進に貢献しています。

Louis Armstrong - Saint Louis Blues

ハバネラ(トレシーロ)のリズム

Habanera rhythm (Tresillo over 2)
Habanera Rhythm on Bongos

白人のリスナーにも知れ渡るブルース

1920年代になると、前述のHandyのアレンジや、昔から活躍している女性ブルースシンガーたちの活躍により、白人のオーディエンスにも知れ渡るようになります。

Bo Carter - Your Biscuits Are Big Enough For Me
Jimmie Rodgers - Waiting for a Train/Daddy andHome/BlueYodel
Blind Lemon Jefferson - Match Box Blues

そしてブルースはアフリカ系アメリカ人、そしてアメリカのポピュラーミュージックのメジャーなジャンルの1つとなります。

レコーディング業界が成長してくるにつれ、カントリーブルース(1900年代初期にアメリカの農村で生まれたブルース)のパフォーマーたちは、アフリカ系アメリカ人のコミュニティの中で人気になっていきます。

スライドギターの誕生

ケンタッキー州出身のSylvester Weaverは、1923年にはじめて「スライドギタースタイル」の楽曲を発表します。

これはボトルのネック部分を切ったものやナイフの刃をフレットに押し付けて演奏する奏法です。

スライドギターは「デルタブルース(音楽ジャンル)」における重要な要素となりました。

DEMO: The Edge "Pocket Knife" Guitar Slide - Deep, 1920's Blues

次回Part5はこちら↓


人気記事

1

この記事では、映画音楽やゲーム音楽で使える打楽器・パーカッション音源をご紹介します。ハリウッド映画トレイラーのような迫力のある打楽器アンサンブルから、繊細なオーケストラパーカッションを作りたいときまで幅広く使えますので、ぜひチェックしてみてください。

2

今回は、DTMにおすすめのストリングス・弦楽器音源をまとめました。ストリングス音源は1つ1つ使える音色やアーティキュレーション、マイキング、操作性が異なります。そのため、できるだけたくさん持っておくと自分の理想のサウンドにしやすく、レイヤーしたときの充実感がUPします!

3

今回は「ShaperBox 3の使い方」をまとめました。Cableguys社のプラグイン「ShaperBox」は、作曲からミックスまで幅広く使える超万能プラグインです。この記事では、ShaperBoxの主な機能5つと、特に魅力的な機能の使い方をご紹介します。

4

今回は「UAD社「Apollo Twin X」は高いけど買うべき10の理由」をまとめました。他社では2万円程度の製品がある中で、Apollo Twinは約10万~20万円です。この記事では、Apollo Twinは値段相応の価値があるのかについて解説します。

5

今回は、DTMでおすすめの和楽器プラグイン・音源をまとめました。それぞれ特有の音色・アーティキュレーション・奏法が使えるため、なるべくたくさん持っておくと目的に合ったサウンドを作りやすくなります。まだお持ちでない方は、ぜひチェックしてみてください。

6

音楽におけるアップビート、ダウンビート、オンビート、オフビート、バックビート… 似たような言葉だけど、何が違うの?覚えられない… 今回はこのようなお悩みにお答えする内容です。 「アップビート」「オフビ ...

7

今回は、主にポップスやダンスミュージックで使えるシンセサイザープラグインをご紹介します。いずれも世界的プロも愛用する人気プラグインですが、それぞれ特色が異なりますので、できるだけたくさん持っておくと目的に合った音作りがしやすくなります。まだ持っていないプラグインがあれば、ぜひチェックしてみてください!

8

今回は、DTMでおすすめのオーケストラ系楽器がすべて使える音源をまとめました。1つ購入するだけで弦楽器・金管楽器・木管楽器・打楽器すべてが揃うだけでなく、世界中のプロが愛用する高品質の製品ばかりですので、まだお持ちでない方はぜひチェックしてみてください。

9

今回は「Serum 2の全新機能の解説」をまとめました。Xfer Records社「Serum2」で新しく追加されたプリセットの制作にも携わったVirtual Riotの解説を参考に、新機能17項目を徹底解説します。

10

ここでは、AmazonのKindle Unlimitedで読めるおすすめのDTM・作曲関連書籍をご紹介します。月額1000円程度で対象本がすべて読み放題になるサービスですが、実はDTMや作曲関連の本・雑誌も対象作品が多数あるため、作曲をしている方にも非常におすすめできます!

-音楽ジャンル解説
-