メロディー・構成

【KSHMR解説】EDM作曲で使える「メロディーの作り方」

プロが実際に使っているメロディー作りのテクニックが知りたい!
世界的に有名なプロからテクニックを学びたい!

今回はこのようなご要望にお答えする内容です。

Lessons of KSHMR: Writing Melodies

数々のプラグイン・サンプルを販売する「Splice」が監修「Lesson of KSHMR」をまとめました。

この記事ではそのうち「メロディーの作り方」の部分をご紹介します。

「メロディーにはどんな音を使ったらいい?」
「どうやったら面白いメロディー・コードが作れる?」
「ダークでミステリアスな感じを出したい時はどうすればいい?」
「メロディーとコードの組み合わせはどう考えればいい?」

このような疑問をお持ちの方には必見の内容です!

はじめに

今回は、「ベース」「コード」「リード」の3つを使って、1からメロディーを作っていく過程をご紹介します。

キーは、僕(KSHMR)が好きなFマイナーにしたいと思います。

ベース作り

Fmキーなので、まずベースでFを中心としたリズムを作っていきます。

…と思いましたが、もう少し面白くするために、スタートはVIであるC#の音に変えます。

そして、C#→C→F(VI→V→I)という動きを作ります。

VはIに行きたいという性質があるので、VからIへの流れは自然です。

0:33~0:36

Lessons of KSHMR: Writing Melodies

さらに面白くするために、I(F)の後はVI、VIと続けます。

1:17~1:25

Lessons of KSHMR: Writing Melodies

メロディーを作りやすくするためのコード作り

メロディーを作りやすくするため、ベースパターンをもとにコードを作っていきます。

コードを作るときは基本的にスケールのトライアドを使いますが、もう少し面白くするために、スケールにはないコードも使ってみましょう。

例えばCメジャーコードはFマイナースケールのトライアドにはありませんが、「Fハーモニックマイナー」とすることで、EbがEに変わり、Cメジャーコードが使えることになります。

FナチュラルマイナースケールとFハーモニックマイナースケール


画像:basicmusictheory.comより(https://www.basicmusictheory.com/img/f-minor-scale)


画像:basicmusictheory.comより(https://www.basicmusictheory.com/f-harmonic-minor-scale)

このCメジャーコードを活用し、「Db-C-Ab Eb-Db」というコード進行にしました。

1:43~1:52

Lessons of KSHMR: Writing Melodies

メロディー作り

次はメロディー作りです。

1小節目のコードがDb(C#,F,G#)なので、このコードの5thであるG#を、メロディーのはじめの音にしたいと思います。

メロディーは、基本的にコードの構成音に沿った音使いにするとよいでしょう。

しかし、例えばコードがC#メジャーでメロディーがCの場合、C#M7(C#,F,G#,C)と考えるとCは7thにあたるので悪くはありませんが、7thなのでパワフルさは少なくなるでしょう。

さて、このG#からスタートするメロディーを、鍵盤をいろいろ押してみながら作っていきます。

2:32~2:56

Lessons of KSHMR: Writing Melodies

たまに短い音を織り混ぜてみるのもいいですね。

次の小節の音をフライングしてスムーズにつなげる

1小節目のコードはDbメジャーで、次はCメジャーです。

そのため、1小節目のメロディーの終わりをCメジャーコードの構成音であるCにすると、よりスムーズにつなげることができます。

そして小節が変わった後は、同じくCメジャーコードの構成音であるGに音程を落とします。

3:14~3:17

Lessons of KSHMR: Writing Melodies

2小節目は、Gに落ちた後、今度は一気に上がるようにしていきます。

3:14~3:44

Lessons of KSHMR: Writing Melodies

いいメロディーではありますが、もう少し面白くできそうなので、今の音形のまま音程を変えてみます。

3:53~3:59

Lessons of KSHMR: Writing Melodies

こちらの方がいいですね。

ただ、もう少し工夫ができそうなので最後の音を少し変えてみます。

4:03~4:24

Lessons of KSHMR: Writing Melodies

3小節目は、上がり続けるようにしていきます。

4:31~4:37

Lessons of KSHMR: Writing Melodies

お気に入りのフレーズを自分の曲に落とし込む

僕はよく、こういう感じのフレーズを思いつくことがあります。

Showtekの「Bad」のような感じでしょうか。

4:49~4:53

Lessons of KSHMR: Writing Melodies

David Guetta & Showtek - Bad ft.Vassy

David Guetta & Showtek - Bad ft.Vassy (Lyrics Video)

このように、いいメロディーからアイデアを得て自分の曲に落とし込むことは悪いことではないと思っています。

4小節目は1小節目と同じコード(Dbメジャー、VI)でホームに戻る雰囲気があるので、F(IV)の余韻を残すように打ち込んで、スムーズに次につなげようと思います。

5:26~5:36

Lessons of KSHMR: Writing Melodies

フィルインのような形で、音程に変化も加えてみます。

5:40~5:49

Lessons of KSHMR: Writing Melodies

うーん...もう少し工夫ができそうです。

ミステリアス・ダークな雰囲気にしたい時のコツ

ミステリアス・ダークな雰囲気にしたい時は、「スケールにおける半音違いの音の移動」を試して見るとよいでしょう。

例えばこの場合は、C#からCへの移動を取り入れてみます。

6:02~6:07

Lessons of KSHMR: Writing Melodies

こちらの方がいいですね。

全体を見直して微調整する

それではこれまでの状態を通して聞いてみましょう。

聞いて見ると、2小節目にもう少し動きがあった方がいいなと感じるので、音を追加して動きを加えます。

6:09~6:16

Lessons of KSHMR: Writing Melodies

また、1小節目にとても低い音を入れてグーンと下がる感じも作ってみます。

6:30~6:46

Lessons of KSHMR: Writing Melodies

違うメロディーパターンを考えてみる

同じメロディーばかり聞いていると飽きてしまうので、今まで作ったメロディーを複製し、5~8小節目として別のパターンが作れないかを考えてみましょう。

このメロディーを特徴付けるフレーズや「ホーム」だと感じるフレーズは変えたくないので、最初のいくつかの音は変えずにいきたいと思います。

ただ、1小節目は思い切って音程を上げてみてもいいかもしれないので、やってみましょう。

7:08~7:21

Lessons of KSHMR: Writing Melodies

2小節目は、リズムは変えずに音程を階段上に上げてみましょう。

5小節目のこの少し音が上がる部分(グレーの音)は、

1小節目のこの部分(グレーの音)と少し変えることで、新しい変化を加えています。

1小節目と5小節目など似たフレーズが来るとき(コピペしたフレーズ)は、全く同じフレーズである必要はありません。

2小節目と6小節目も同様で、カウンターパートを作って変化を出します。

2小節目は下がるフレーズだったのに対し、

6小節目は逆に上がっていくフレーズにします。

このままだと、3小節目の最初の2音は音程が上がっているのに対し、7小節目は逆に下がってしまいます。

共通性を持たせるために、7小節目も3小節目と同じように音が上がるように、このように変更します。

8:37~8:54

Lessons of KSHMR: Writing Melodies

全体的にとてもよくなりました。

あとは、最後の8小節目を少し修正します。

9:04~9:16

Lessons of KSHMR: Writing Melodies

これは少し保守的な(守りに入った)フレーズなので、もう少し大きい変化にしてみましょう。

例えば、4小節目にはなかった長い音を入れてみます。

9:31~9:36

Lessons of KSHMR: Writing Melodies

またコードを変えて変化をつけてみます。

最後はDbメジャーコードでしたが、半音下げてCメジャーコードをつなげてみます。

ベースも、Cメジャーコードに合わせてDbからCへ変更します。

9:59~10:08

Lessons of KSHMR: Writing Melodies

メロディーがF(ルート音)で終わると余韻を残せないので、ここだけ変えてみます。

CとEの2パターンを試し、どちらもCメジャーコードの構成音なのでフィットしますが、Eの方がいいですね。

10:16~10:29

Lessons of KSHMR: Writing Melodies

開いた感じのサウンドにしたい時は、メロディーでEを鳴らしているため、コードのからEを抜いてみるのもよいでしょう。

コードとメロディーの組み合わせによってコードが変わる

コードを担当する楽器とメロディーを担当する楽器がそれぞれどの音を鳴らすかによって、コード自体を変えることができます。

例えばコードを担当する楽器が「CとG」だけを弾いているとき、メロディーがFを鳴らすと「C,F,G」でCsus4コードになります。

Csus4コードからCメジャーコードへの移動はスムーズで、よく聞くパターンです。

11:03~11:18

Lessons of KSHMR: Writing Melodies

今回作っているメロディーも、コード楽器が3rdの音(E)を抜いてCとGだけ弾いていますので、メロディーがFのときはCsus4に聞こえますし、Eの時はCメジャーコードに聞こえます。

11:24~11:48

Lessons of KSHMR: Writing Melodies

以上でメロディーの解説は終了です。

当サイトでは他にもメロディーやコード作りに関するテクニックを紹介していますので、ぜひこちらもご覧ください。


人気記事

1

今回は、主にポップスやダンスミュージックで使えるシンセサイザープラグインをご紹介します。いずれも世界的プロも愛用する人気プラグインですが、それぞれ特色が異なりますので、できるだけたくさん持っておくと目的に合った音作りがしやすくなります。まだ持っていないプラグインがあれば、ぜひチェックしてみてください!

2

https://youtu.be/bjqArFjaZLI 今回は、ジャズのスペシャリスト・Kevin Castroが解説する「ジャズの基本コード進行3つ」をまとめました。 ここでご紹介する3つのコード ...

3

今回は、大人気プラグインメーカーのCableguysが解説する「音にまとまりを出す方法4選」をまとめました。ボーカル、ギター、ベース、キーボード、ドラム...どれも1つ1つしっかり作っているのに、全体で聞くとなんとなくまとまりがなく、バラバラに聞こえる…こんなお悩みにお答えする「音にまとまりを出す方法」を4つご紹介します!

4

今回はChris Selimが解説する「1176コンプレッサーの使い方」をまとめました。 「有名なコンプレッサー」としてよく名前が挙げられる製品の1つが「1176コンプレッサー」です。この記事では、なぜこのコンプレッサーは世界中のDTMerに愛されているのか、その魅力と使い方を解説していきます。

5

今回は、Jonah Matthewsが解説する「サラウンドサウンドチャンネルの数字の意味とは?」をまとめました。映画を見るときや音楽を聞くとき、「5.1サラウンド」など「小数点の付いた数字+サラウンド」の文字を目にすることがあります。一体これは何を意味しているのでしょうか?

ファンクとは? 6

今回は、Antoine Michaudが解説する「Add9コードとMaj9コードの違い」をまとめました。どちらもコードネームに「9」が付いていますが、一体何が違うのでしょうか?「Add11とMaj11」「Add13とMaj13」の違いなども同様の考え方で見分けられます!

7

世界的にヒットしている曲の構成はどうなってる?ヒット曲の公式はある?今回はこのような疑問にお答えします。「曲を作るときはこれを使え!」と言うほど、多くの世界的ヒット曲に使われている楽曲構成をご紹介します。主に洋楽に使われている構成ですので、特に「世界中で自分の曲を聞いてもらいたい」という方はぜひ実践してみてください。

8

今回は、Universal Audio社が解説する「API 2500 Bus Compressorを使うコツ」をまとめました。コンプレッサーの中でも非常に有名なこの人気製品について、同社がリリースしているプラグイン版を使用しながら、このコンプレッサーを使いこなすためのコツをご紹介します。

9

今回は、Tim Heinrichが解説する「リバーブを削除する方法 ~5つのプラグイン~」をまとめました。前回はリバーブを除去する方法を4つご紹介しましたが、今回は「リバーブ除去専用プラグイン」をまとめています。機能も値段もプラグインによってさまざまですので、ぜひご自身に合ったプラグインを見つけてみてください。

大きいスピーカーを買った方がいいミックスができるのか?おすすめのスピーカーは? 10

今回は「大きいスピーカーを買えばいいミックスができるのか?」をまとめました。一般家庭の部屋に置くには大きすぎるサイズのものもありますが、プロになるのであれば大きいスピーカーを買わなければならないのでしょうか?言い換えれば、大きいスピーカーを買えば、いいミックスやマスタリングができるようになるのでしょうか?

-メロディー・構成