なぜあなたは朝起きられないのか?【音楽的に解説してみる】

なぜあなたは朝起きられないのか?【音楽的に解説してみる】
目覚ましのアラーム、何回鳴らしても起きられない…なんで…?

 

このような疑問にお答えする内容です。

 

 

この記事では、2012年にペンシルベニア州立大学のCrfeu Buxton教授が行なった実験の内容も紹介しています。

この記事を読めば、「朝アラームが鳴っているのに起きられない理由」と「水の音が心地いい理由」がわかります!

 

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結論

 

記事の内容をざっくりまとめると、この3つがポイントになります。

 

・突然鳴った音は、脳の「脅威・警戒作動システム」が作動するトリガーになる

・波の音のようにゆったりと持ち上がっていくようなサウンドは、だんだん音が大きく鳴っていっても不快にならない

・これらの音は、電話の着信音のようなショックを与えるようなノイズをカバーしてしまう

 

つまり、

 

朝アラームが鳴っているのに起きられない理由

「アラームがずっと鳴っているから」
「音量がだんだん上がるように設定しているから」

水の音が心地いい理由

「ずっと一定で鳴っているから」
「突然鳴るわけではないから」
「音量の変化があったとしても、その変化はゆったりとしているから」

 

それでは詳しく解説してきます。

 

「脅威・警戒作動システム」の役割

 

「脅威・警戒作動システム」は、突然音が鳴った時に脳内で作動します。

 

たとえば、こんな場面ですね。

 

・静かな教室で、机が倒れて「バーン」と大きな音が鳴った

・静かな道路で、急にクラクションを鳴らされる

・ホラー映画で、病院で急に幽霊が出てきた場面で「ドン」と効果音が鳴った

 

このように、急に大きな音が鳴ると人間は目を覚まします。

 

狩りに重要な機能

 

大昔、人間がまだ狩りをしていた頃のことを考えてみましょう。

森の中で水や草木の音が心地よく一定に聞こえる中、突然「ガオーッ」と大きな獣の声が聞こえたときのこと想像してください。

この声を聞いて警戒心を持たなければ、人間は獣にあっという間に食べられてしまうでしょう。

 

警戒心を持ち「今は危ない状況だ」と判断できれば、その場ですぐ逃げたり、戦いの構えをすることができます。

突然の大きな音というのは、人間の身を守るために昔から必要だったわけですね。

 

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人間はどのような音で目を覚ますのか?を実験

 

次に、Crfeu Buxton教授の実験をご紹介します。

これはとある病院で行われたもので、「人間はどのような音で目を覚ますのか?」を検証したものです。

 

実験内容はコチラ。

 

①アラームを40dbぐらいの音量に設定した場合

 

40dB = 聞こえる会話に支障がない、ささやき声、図書館の中ぐらいの静かさ

 

実験結果:
浅い眠りについていた被験者のうち、90%が目を覚ました
(深い眠りの場合は、半分ぐらいの数になるでしょう)

 

②アラーム音をだんだん大きくし、最終的に70dBぐらいに設定した場合

 

70dB = かなりうるさい、ヘリコプターの音、うるさい街頭

 

実験結果:
突然音が鳴ったときよりも、目を覚ました被験者の数は少なかった

 

研究者の見解

 

実験を行なったCrfeu Buxton教授は、次のように述べています。

 

「我々は哺乳類ですが、その中でも霊長類に当てはまります。霊長類は、脅威が迫ってきたことを群れに警告します。もし悲鳴が聞こえたら、部族の誰かが食べられているかもしれません」

 

目覚ましのアラームに最適な音の条件とは?

 

これらを踏まえると、「急に聞こえる大きな音」が、目覚ましのアラームに最適と言えます。

 

どんなに音量が大きくても、だんだん音を大きくしても意味がないというのが結論です。

 

一定のリズムで「ピピピピ・ピピピピ」とリピートされる音よりも、
不規則な間隔で(=意図しないタイミングで、急に)大きな音が鳴るような設定にするとよいですね。

 

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なぜ水の音は心地いいのか?

 

次は、水の音はなぜ心地いいのか?について考えてみましょう。

YouTubeを検索すると、睡眠用や作業用BGMとしてこのような動画がアップされています。

確かに心地いい音ですね。

 

BAMBOO WATER FOUNTAIN | Relax & Get Your Zen On | White Noise
🌴 Ocean Ambience on a Tropical Island (Maldives) with Soothing Waves & Paradise View for Relaxation.

 

実はこのような水の音は、脳が脅威だと認識するような音を遮る性質があります。

 

プラス、先ほどご紹介した目覚ましアラームの条件「突然の大きな音」とは正反対の音ですよね。

たとえば川のせせらぎは、ずっと絶えず鳴っているため突然聞こえるわけではありませんし、音量も比較的静かです。

 

海の波の音は音の大小はあるものの、だんだん大きくなっていくので「突然」ではありません。

また最大音量もさほど大きくありませんね。

 

このため、人間は水の音を「脅威のないもの=心地よい音」と認識するわけです。

 

水の音の心地よさについては、こちらでもまとめています。

さまざまな学問の視点から考察していますので、非常におもしろいです。

 

なぜ水の音は心地いいのか?【さまざまな学問から考察してみる】

 

 

まとめ

 

今回の内容をざっくりまとめると、このようになります。

 

目覚ましのアラームに最適な音とは?
脅威を感じる音(突然+大きな音)
水の音が心地いいワケとは?
脅威と感じる音を遮るから、音量がほぼ一定で静かだから

 

身近にある音をこのように考えると、ちょっとおもしろいですね。

この知識は映画やCMなどの映像音楽でも役立ちますので、ぜひご活用ください。