【ラテン音楽】レゲエ(Reggae)とは?【音楽的特徴編】

【ラテン音楽】レゲエ(Reggae)とは?【音楽的特徴編】

 

レゲエ(Reggae)ってどういう音楽?

どういう特徴や歴史があるの?

 
今回はこのような疑問にお答えする内容です。
 
英語版wikipediaの「レゲエ」をかんたんにまとめてみました。
 
今回は前回のPart1に引き続き、レゲエの音楽的な特徴を詳しく解説していきます!
 
 
カリビアンミュージック解説シリーズ↓
 
1.概要編(カリビアンミュージックの定義、歴史、主な音楽スタイル)
2.メント(Mento)
3.カリプソ(Calypso)
4.スカ(Ska)
5.ロックステディ(Rocksteady)
6.レゲエ(Reggae)の概要・歴史
7.レゲエ(Reggae)の音楽的特徴
 
Part2~7では、カリビアンミュージックにおいて特に重要なジャンルをご紹介しています。
 
こちらのシリーズを読むと作曲の引き出しが増えますので、ぜひ最後までご覧ください!
 

スポンサードサーチ

レゲエが影響を受けている音楽

 
レゲエでは、R&Bやジャズ、メント、カリプソ、アフリカ音楽、ラテンアメリカ音楽の要素を用いて作られています。
 
レゲエの直接の起源はスカとロックステディで、たとえば打楽器として使うベースのスタイルをロックステディから引き継いでいます。
 
 
編成は一般的に、ギター2本(リズムギターとリードギター)、ドラム、コンガ、キーボード、数人のボーカリストによって構成されます。
 
レゲエはシンメトリーなリズムパターン特徴的なため、3/4などのアシンメトリーな拍子ではなく、4/4拍子で演奏されます。
 

レゲエのオフビート

 
レゲエにおいて最も特徴的な要素は、オフビートのリズムでしょう。

 
オフビートって何?という方はコチラ
 
ギターやピアノ(あるいは両方)でスタッカートのコードバッキングをオフビートに演奏します。
 
これは「スカンク(skank)」と呼ばれるパターンです。

 


画像:スカンクのギターのリズム(wikipediaより)
 
このリズムパターンで各小節は2拍目と4拍目にアクセントが置かれ、さらにドラムが3拍目を強調することによって、独特のフレージングを生み出します。
 
レゲエのオフビートは、一般的にリズムを刻む時の「and(日本語だと”1と2と3と4と”の”と”)」にあたる部分、あるいは2倍のテンポにした時に2拍目と4拍目にあたる部分をさします。
 
ちなみに多くのポピュラー音楽のジャンルでは、1拍目と3拍目、いわゆる「ダウンビート」にアクセントを置くことが多いため、レゲエとは対照的です。
 

スポンサードサーチ

スローなテンポ

 
レゲエでは、スカやロックステディよりも遅いテンポで演奏されます。
 
このスローなテンポにより、ギターやピアノでオフビートのリズムを刻むことができたり、3拍目を強調したり、シンコペーションを使ったり、他のジャンルとは違うメロディックなベースラインが強調されたりと、他のジャンルから発展してきたジャンルにも関わらず、とても特徴的なスタイルを生み出しています。

 
シンコペーションについてはコチラで詳しく解説しています

 

レゲエのハーモニー・コード進行・キー

 
ハーモニーに関していうと、基本的には他の現代ポピュラー音楽と同様、とてもシンプルなコード進行を使う傾向にあります。
 
また、レゲエでは「完結感」をなくすために、マイナーでドミナントコードを弾くこともあります。
 
「トニックとドミナント間で解決する」というスタイルをなくすことで、音楽が休みなく続いているように聞こえ、ハーモニー的に「あいまいさ」を生み出しています。
 
メジャーセブンスコードやマイナーセブンスコードなどの「エクステンデッドコード」はレゲエでも使われますが、サスペンデッドコードやディミニッシュコードが使われることは稀です。
 
 
エクステンデッドコードを使った楽曲↓
 

 

レゲエではマイナーキーがよく使われ、特にサブドミナントのマイナーコードや、ドミナントのコードのマイナーコードがよく使われます。
 
コード進行の例(Gマイナーキーで)
 

Gm – Dm – Gm – Dm
Cm – Dm – Cm – Dm

 
ディグリーネームにすると
 

Im – Vm – Im – Vm
IVm – Vm – IVm – Vm

 

スーパートニックの使用

 

 
画像:https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/7/71/Scale_degree_names.png
 
こういったシンプルなコード進行はR&Bやソウルミュージックから来ており、これらのジャンルでは、トニックコードの後に2つのコードを継続的にリピートさせながらマイナースーパートニックコード(IIm)が続き、これでVerse(Aメロ部分)が形成されます。
 
例えばThe Temptationsの「Just My Imagination」では、「C – Dm7」というコード進行が使われています。
 

 

スポンサードサーチ

コールアンドレスポンス・ピックアップノート

 
コールアンドレスポンスは、レゲエ音楽で幅広く使われており、ボーカルだけでなく、楽器ごとにパートを作曲・アレンジしてこれを行うこともあります。
 
レゲエに特徴的な「各小節の3拍目を強調する」という特徴はフレージングにも違いを与え、ベースラインやメロディーラインは、他のジャンルでは「ピックアップノート」とも考えられています。
 
ピックアップノート:ダウンビートから始まらないメロディーにおいて、ダウンビートの前に来ている音。アウフタクトの音。
 


 
画像:https://cnx.org/contents/KtdLe6cv@3.74:–5_7DL4/Pickup-Notes-and-Measures
 

ドラムと打楽器

 
レゲエでは、いわゆるスタンダードなドラムセットが使われます。
 
しかしスネアだけはティンバレスのような、とても高いピッチでチューニングされることが多いです。
 
このため、レゲエのドラマーの中には、ティンバレスをドラムセットに取り入れたり、スネアをティンバレス並みに高いサウンドにする人もいます。
 
スネアではクロススティック奏法がよく使われ、タムもドラムビートの中に取り入れられます。

 
スネアのクロススティック
 

 

ドラムビート3種類

 
レゲエのドラムビートは、主に3つのカテゴリに分かれます。
 

・ワンドロップ(One Drop)
・ロッカーズ(Rockers)
・ステッパーズ(Steppers)

 

 

ワンドロップ(One Drop)

 

 
画像:https://commons.wikimedia.org/wiki/File:One_Drop_drum_pattern.png
 
ワンドロップは、曲を通してずっとバックビートを強調するタイプです。
 
基本はスネアやリムショット+バスドラムで強調します。
 
1拍目は、通常使われることが多いクローズドハイハットを除き、基本的には何も音を入れません。
 
これは、他のポピュラーミュージックにはなかなか見られないパターンです。
 
このためレゲエでは2・4拍を強調したカウントの仕方にするべきなのか、それともテンポを倍速にして考えて、3拍目を強調したカウントの仕方にすればいいのか、論点が分かれます。
 

 

 

このワンドロップを使った有名な楽曲の中には、Bob Marleyとthe Wailersの「One Drop」があります(ドラマーはCarlton Barrett )。
 

 

Barrettは、一般的にはあまり使われない3連のクロスリズム(ポリリズム)をハイハットでプレイすることが多いです。
 

 

ロッカーズ(Rockers)

 
前述のように、バックビートを強調することにより、レゲエのドラムビートは構成されます。
 
しかしロッカーズのビートでは、主にバスドラムで各拍を強調します。
 
このビートはSly and Robbieによって発明されたスタイルで、「ルバ・ドゥブ(Rub-a-Dub)」というリズムが特徴的です。
 
このビートは、同じくジャマイカの音楽である「ダンスホール」にも影響を与えました。
 

 
Slyは、アメリカのドラマーEarl Youngや、1970年代初期から中盤のディスコ・R&Bドラマーたちに影響を受けていると話しています。
 
このスタイルは、彼の楽曲「Right Time」などで見られます。
 

 

ロッカーズのビートは必ずしもいつも単純明快というわけではなく、様々なシンコペーションが使われています。
 

 

ステッパーズ(Steppers)

 
ステッパーズでは、バスドラムが4分音符で毎拍鳴らすスタイルで、これによりビートがより前に進む感じが出ます。
 
「ステッパーズ」は「4つ打ち」とも言われます。
 

 

ステッパーズを使った曲の例としては、Bob Marley and the Wailersの「Exodus」、Burning Spearの「Red, Gold, and Green」などが挙げられます。
 

 

 

ステッパーズは、1970年代終わりから1980年代前半までに活躍した2トーン・スカのリバイバルバンドにも使われた奏法です。
 
2トーンやスカについてはコチラで解説しています
 

スポンサードサーチ

その他打楽器の特徴

 
他のジャンルにはよくありレゲエであまり見られない特徴としては「ドラムのフィルがシンバルで終わらない」というものがあります。
 
また、パーカッションは様々な種類が使われます。
 
ボンゴは基本的にフリースタイルで、アフリカのクロスリズム(ポリリズム)のスタイルを使って即興するのが一般的です。
 
カウベルやクラベス、シェイカーなども、レゲエでよく使われる楽器です。
 
クラベス・クラーベについてはコチラでも解説しています↓
 

【作曲】DTMで使える「クラーベ」のリズム解説 【クラーベとは?】


 

レゲエドラマーが使っている3つの秘訣

 
レゲエのドラマーたちは、以下3つの秘訣を使って演奏しています。
 

1.スカやロックステディを演奏する時は、オープンでカーンと響くような音を使う

 

2.バスドラムの音をより硬く、深く、パンチのある音にするためにはあらゆる手段を使う

 

3.ライドシンバルは使わず、ハイハットをタイムキープ役として集中して使い、薄いクラッシュシンバルをアクセントとして使う

 

ベース

 
ベースは、レゲエにおいて中心となる楽器です。
 
ジャマイカの音楽においては、バスドラムとともに最も重要なパートと呼ばれ、様々なアーティストによって何度も使われています。
 
多くのレゲエシンガーたちは、同じリズムで違う楽曲を何度もリリースしています。
 
 
ベースの中心的な役割は、ダブミュージック(Dub Music)でよく見られます。
 
この音楽においてはドラムとベースがさらに大きな役割が与えられており、ボーカルやその他楽器は中心的役割以外の音として扱われます。
 

 

ベースラインの特徴

 
レゲエにおけるベースサウンドは「厚くて重く」、高音域をEQでカットし、さらに低音を強調します。
 
ベースラインは2小節あるいは4小節のリフを繰り返して演奏するスタイルで、ここではシンプルなコード進行が使われています。
 

最もシンプルな例は、Robie Shakespeareのベースラインでしょう。
 

 

より複雑なハーモニー構造を使った例としてはJohn Holtの「Stranger in Love」などがあります。
 
これらのシンプルなパターンは、ダイレクトにパターンを変えるか、よりコードをサポートできるように内音を変えたりすることで、コード進行に沿っていくパターンになります。
 

 
画像:レゲエの典型的なベースライン(wikipediaより)
 

ギター

 
レゲエのギターは、基本的にオフビートで音を鳴らします。
 
たとえは4/4の曲で「1と2と3と4と」とカウントすると、レゲエの場合は「と」の部分にダウンストロークが来ます。
 
「スカンク(Skank)」あるいは「バング(Bang)」と呼ばれるパターンを使い、よりジメっとした、短くひっかくようなチョップサウンドで鳴らし、打楽器のような感じで演奏するのが特徴です。
 
 
ダブルチョップという奏法が使われることもあり、これはギターがオフビートでまだプレイしているものの、アップストロークの時も8分音符で音を鳴らす奏法です。
 
これは、The Wailersの「Stir It Up」という曲で見られます。
 

 

キーボード

 
初期のスカの時代から、ピアノはギターのスカンクを増強するような役割で演奏され、基本的にはスタッカートでコードを演奏して「音のボディー部分」を作りつつ、時折追加でビートやラン(Runs)やリフを演奏します。
 
ラン(Runs)
 

 
1980年代になると、ピアノはだんだんシンセサイザーに置き換わっていきますが、シンセサイザーは1970年代からはあまり目立たないパートとして、カウンターメロディーなどを演奏するパートとして使われています。
 
大きなバンドではキーボード奏者をさらに追加し、ホーンセクションやメロディーラインをカバー・代わりに演奏したり、メインキーボード奏者が2以上のキーボードを担当することがあります。
 

オルガンシャッフルとバブル

 
レゲエのオルガンシャッフルは、とてもユニークなサウンドです。
 

 
もともとのレゲエでは、ドラマーはイントロの4小節を使ってレゲエのグルーヴを演奏しており、続いてピアノが打楽器として入ってくるというスタイルでした。
 
一般的に、ハモンドオルガン風のサウンドは途切れ途切れな(チョップしたような)印象と共にコードで演奏され、これは「バブル」と呼ばれます。
 
レゲエにおいて、おそらく最も難しいのはレゲエのキーボードのリズムでしょう。
 

 

2種類のバブル

 
このオルガンバブルは、大きく2つのパターンに分けることができます。
 
1つ目は、8ビートで「休符・左手・右手・左手・右手・休符・左手・右手・左手」というパターン。
 
ここにおける休符はダウンビートの部分で、演奏されません。
 
2つ目は、左手でギターセクションのようにダブルチョップを演奏し、右手では2分音符を2拍目で(2倍速でカウントする場合は3拍目で)長い音を演奏するか、ダブルチョップの間にシンコペーションを弾くパターンです。
 
これらのパターンは両方ともさらにアレンジ・拡張することができ、即興で装飾音を入れたりすることもあります。
 

ボーカル

 
レゲエのボーカルは、レゲエの他の楽器やリズムと比べて、特徴的な要素は少ないです。
 
しかし、レゲエではジャマイカンパトワ(patois、クレオール語)やジャマイカンイングリッシュ、イヤリックの方言で歌われることが特徴の一つとしてあげられます。
 
ボーカルハーモニーもよく使われ、曲を通してずっとメロディーにハーモニーが付いていたり(Mighty Diamondsでよく使われる)、メインボーカルに対して対位法的なメロディーが付いていることもあります(I-Threesのバッキングボーカルなどでよく見られる)。
 

 

 

The Abyssiniansやブリティッシュ・レゲエのSteel Pulseでは、より複雑なアレンジのボーカルが使われています。
 

 

 

レゲエでの珍しい特徴としては、ビブラート(音程の変化)ではなくトレモロ(音量の変化)を利用しているところです。
 
Horace AndyやIsrael Vibrationなどで、この傾向が見られます。
 

 

 

ラップの前身「トースティング(toasting)」

 
また、トースティング(toasting)というボーカルスタイルもレゲエの特徴の一つです。
 
これはDJたちによって生まれ、曲や”トースト”(祝杯、乾杯という意味)のイントロ部分で口語で即興するもので、独特なリズミカルなスタイルが特徴です。
 
今ではラップ(Rap)の前身として知られています。
 
ラップはメロディー(音程)要素がないのに対し、トースティングはメロディックなため、そこに違いがあります。
 

 


 
以上でレゲエの解説は終わりです!
 
レゲエのリズムを勉強してみたいなと思う方には、こちらがおすすめです↓
 
楽譜を見ながら実際に楽器で弾いてみたりDTMで打ち込んでみたりすると、より早くレゲエのフレーズが身につきます!