【音楽史】ラグタイムとは?【音楽的特徴編】

今回はこのような疑問にお答えする内容です。
今回はPart2として、ラグタイムで使われるコード進行や楽曲構成など、音楽的な特徴にについて解説していきます。
Part3:歴史編
誰もが一度は聞いたことがあるであろう音楽ですが、その詳細についてはあまり知らない方も多いでしょう。
こちらのシリーズを読むと作曲の引き出しが増えますので、ぜひ最後までご覧ください!
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ラグタイムの音楽的特徴
ラグタイムは、John Philip Sousaによって作られたマーチを変化させたスタイルで、アフリカ音楽のポリリズムを取り入れています。
基本的には2/4や4/4で書かれており、1・3拍目に強拍を置いた左手のベースラインが特徴的です。
右手では、2・4拍目にシンコペーションを伴ったコードを弾きます。
ちなみに3/4拍子で書かれたラグタイムの曲は「ラグタイム・ワルツ」と呼ばれています。
決まった拍子はない
「ワルツは3拍子」「マーチは2拍子」というように、ラグタイムは特定の拍子が決まっているわけではありません。
むしろ、ラグタイムの音楽スタイルはどんな拍子にも使えるようになっています。
シンコペーション
ラグタイムの大きな特徴の一つとして、「拍節の間にメロディーのアクセントを入れるシンコペーション」があります。
シンコペーションについてはこちらの記事で解説しています
こうすると、ビートを予想orビートに沿って演奏する音を強調することで、メロディーが伴奏が弾いている拍を避けているように聞かせることができます。
画像:ラグタイムの譜面例。赤い音符がシンコペーションで左手の伴奏とズレるところ(https://cnx.org/contents/TgSDsQKd@4/Listening-to-Ragtimeより)
また、これによりリスナーにとってはビートは強調されたように聞こえ、よりノリやすくすることができます。
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「スイング」
ラグタイムにおける著名な作曲家・ピアニストのScott Joplinは、ラグタイムの音楽スタイルに関して「”スイング”を掴むまで、ゆっくり演奏する」と発言しています。
この「スイング」という名前は、のちにラグタイムから発展したジャズに使われることとなります。
ラグタイムではない音楽をラグタイムにするには、メロディーの時間値(長さ)を変えて「ラギング(ラグする)」させることにより実現できます。
楽曲の構成
ラグタイムの楽曲ではいくつかの「テーマ」を使うことが基本で、多くは4つのテーマを用いて作曲されます。
各テーマは16小節分あり、それぞれのテーマは4小節x4のフレーズに分けられています。
主なパターンはこちら↓
場合によっては、4~24小節の間、テーマとテーマの合間に4小節のイントロかブリッジが使われることもあります。
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コード進行
ラグタイムでよく使われるコード進行として、セカンダリードミナントを使った「ラグタイムプログレッション」があります。
セカンダリードミナントについての解説はこちら
これはセカンダリードミナントをひたすら繋げていく、つまり五度圏(サークルオブフィフス)に従ってコードを繋げていく奏法です。
ディグリーネームで表すと..
(V7/V/V/V) – V7/V/V – V7/V – V7 – I
III7 – VI7 – II7 – V7 – I
たとえばCメジャーキーならこうなります↓
ストライドピアノ
ラグタイムは、ストライドピアノのルーツも持っています。
これは1920年代から1930年代に人気となったスタイルで、より即興的なピアノスタイルが特徴です。
ラグタイムでは、このストライドピアノも多く使われています。
ストライドピアノ(ストライドは「またぐ」の意)↓
つづき「ラグタイムの歴史」↓
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