メガヒット曲「Rockabye」の作曲方法【Clean Bandit】
- 2019.07.23
- 2019.10.18
- 作曲・編曲

Clean Banditのメガヒット曲「Rockabye」。
YouTubeの再生回数は21億回以上(2019年7月時点)という、驚異的な人気を誇っています。
今回は、Clean BanditのメンバーJack Pattersonが語る「Rockabye」制作のインタビュー動画をかんたんにまとめました。
楽曲制作の流れはもちろん、音作りのウラ話も満載。
今日から使えるテクニックもありますので、読んだ後はぜひ実践してみましょう!
↓インタビュー動画はコチラ
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- 1. 制作の流れ・制作秘話
- 1.1. 1. ベースパターン作り
- 1.2. 2. ベースパターンをアレンジ
- 1.3. 3.Ina Wroldsenの作詞
- 1.4. 4. Sean Paulが参加
- 1.5. 5. ストリングスのカルテットを追加
- 1.6. 6. Pushを使った制作
- 1.7. 7. Polysixのようなシンセサウンド
- 1.8. 8. サビに出てくるカウンターメロディーのようなフレーズ
- 1.9. 9. ポストコーラス(サビの次に出てくる、もう一つのサビのような部分)
- 1.10. 10. Anne Marrieのボーカル
- 1.11. 11. Tom
- 1.12. 12. カモメの鳴き声
- 1.13. 13. Grace(Clean Banditのメンバー)のチェロ
- 2. 使用DAW・機材
制作の流れ・制作秘話
1. ベースパターン作り
・Jackがベースとなるパターンを作る。
・基本的にビートと簡単なコードパターンのみのInstrumental版を作った。
2. ベースパターンをアレンジ
・Steve MacとAmar Malikと共に、そのパターンをアレンジ。
・Steve MacはEd Sheeranと大ヒット曲”Shape of You”をコライトしている人物。
・SteveはJackが1で作ったパターンに装飾を加えていった。
・この過程で、mellotronでピチカートのようなサウンドに仕上げた。
・この時、高揚感のあるビートと共に、少しメランコリックなメロディーと軽やかなテーマのあるバージョンを作っていた。
3.Ina Wroldsenの作詞
・このバージョンをIna Wroldsenに聞かせた。
・彼女が歌詞を書いていた時、「母親」の感情的な気持ちに入り込んだという。
Ina Wroldsenは、Steve Macと共にヒット曲「Alarm」を制作したアーティスト
4. Sean Paulが参加
・Sean Paulが制作に加わり、よりダイレクトな感じにしてくれた。
5. ストリングスのカルテットを追加
・このストリングスは、Paul Epwordのスタジオで行われた。
(このスタジオは、Adeleの多くの楽曲がレコーディングされた場所でもある)
・しかし、まだSeanに対する旋律として良いものではなかった。
・そこで、Jackお気に入りのValhalla Reverbを使い、より壮大なサウンドに。
・このReverbをかけると、70’s、80’s、今っぽいサウンドにできる。今回は70’sっぽくした。
・これらの処理のおかげで、「Seanがすべてのシングルマザーに向かって叫んでいるボーカル」に適したストリングスに仕上がった。
6. Pushを使った制作
・ライブで使っているPushを、制作にも利用した。
・1パッドに1音追加できるので便利。
・コードプラグインを使い、それぞれの音にマイナーサードの音を追加するようセッティング。
・スケールプラグインを使って、MIDIが強制的にAマイナーキーになるようにした。
7. Polysixのようなシンセサウンド
・コードを鳴らしているパートは、AbletonのFMシンセのようなサウンドを使用。
・この曲では、Polysixのようにレイヤーしている。
Polysix: 1981年発売のKORGのアナログシンセ
・開くとデフォルトのサウンドのように聞こえるが、カットオフのフィルターを使うといい感じのサウンドになる。
・このとき、やわらかいサウンドにするため、ポリフォニックにした。
8. サビに出てくるカウンターメロディーのようなフレーズ
・高音のマリンバのようなフレーズ。
・少しだけ終わりにピッチのモジュレーションをかけるLFOをかけている。少しワブルサウンドのようになる。
・Sound Toysのクリスタライザーも使い、リバースディレイのようなサウンドも作った。
9. ポストコーラス(サビの次に出てくる、もう一つのサビのような部分)
・Ace of Baseのようなサウンドにした。
Ace of Base: 90年代のスウェーデン出身のポップグループ。ダンスとレゲエを混ぜ合わせたようなサウンドが特徴。
・このサウンドを採用するかどうかについては、ものすごく話し合った。彼らが少し神経質に思っていたCod Raggaeを押し下げてしまうのではないかという懸念があったからである。
・しかし実際聞いてみて、やっぱりこれでいいと思った。
・そして、オフビートにコードのサウンドを入れてCod Raggaeのようにした。
10. Anne Marrieのボーカル
・クラブ「Ralph」でAnne Marrieを見つけ、優秀なプロューサー・ミキシングエンジニアのMark Ralphのメインスタジオでレコーディング。
・neveのプリアンプを使用。
・レベルをキープするためにTeletronicsのLA2(コンプレッサー)を使用
・MarkはSmack!を使うのを好む。これでVocalを破壊したようなサウンドにすることができる。
・Smack!を薄くかければ、よりよいサウンドに仕上がる。
・Smack!はGraceのチェロにも使用している
11. Tom
・はじめにPhil Collinsが作ったGateTomのサウンドが頭から離れなかった。
・これがのちに、Rockabyeにおける「最高のフィルイン」となる。
・LiveにサンプリングしたTomを使い、オートメーションでピッチを下げて使用。
・リバーブ→ゲート→コンプレッサーの順にエフェクトをかけた。
12. カモメの鳴き声
・Verse1(1番Aメロ)に、カモメの鳴き声が入っている
・このカモメの声をちらつかせることで、港の海の雰囲気を出している
13. Grace(Clean Banditのメンバー)のチェロ
・H-Delayはアナログモードをオフにして使用し、少しヴィンテージ感を加えた。
使用DAW・機材
・Ableton Live
・Pro Tools
・Push(ライブでも使っている)
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