ミキシングのコツ

ラップボーカルのMIXのコツ【アドリブ・ダブリング編】

ラップってどうやってミックスすればカッコよくなる?

今回はこのような疑問にお答えする内容です。

How to Mix Rap Vocals | Leslie Brathwaite (Pharrell Williams)

グラミー受賞を果たしている世界的なエンジニアLeslie Brathwaiteが教える「ラップボーカルのミックスの仕方」をまとめました。

この記事ではそのうち「アドリブやダブリングパートのミックス」に関する部分をまとめています。

ビヨンセやCardi Bなども手がける超大物エンジニアが教えるテクニックですので、ぜひ今日から使ってみてください。

今回取り上げる楽曲は「Lil Uzi Vert - Neon Guts feat. Pharrell Williams」

Lil Uzi Vert - Neon Guts feat. Pharrell Williams [Official Visualizer]

ラップボーカルMIXのコツ1:アドリブ・ダブリングパートの処理の仕方

ヒップホップの場合は、アドリブやダブリングのパートも多く入っていると思います。

このようなパートは、どうやってこの曲になじませるかを考えることが大事です。

楽曲によっては、ただメインボーカルの後ろに置くだけのときもありますし、周りでガヤガヤしている感じに聞かせたりするときもあります。

ラップボーカルのMIXのコツ -アドリブ・ダブリング編-

今回は、メインボーカルと同じようにWaves Tune Real-Timeを、同じ設定で使っています。

おすすめプラグインを購入する

ラップボーカルMIXのコツ2:ディレイやリバーブを少しだけつけてスペースを作る

時には、ちょっとだけディレイやリバーブを入れたりすることもあります。

動画より

今回は、ディレイにWaves H-Delay、リバーブにWaves Rverbを使い、少しスペースを作っています。

また、Waves S1 Imagerを使うことで、よりワイドに聞かせるようにしています。
(ボーカルチェインの順番は「ディレイ→リバーブ→S1」)

ラップボーカルMIXのコツ3:アドリブとオーバーダブ(ダブリング)の立ち位置

アドリブとオーバーダブに関しては、聞こえ方は調整しつつも、メインボーカルからかけ離れないようにしています。

これは単純に、音量の問題です。

アドリブの例(18:41~18:48)

How to Mix Rap Vocals | Leslie Brathwaite (Pharrell Williams)

「Yeah」などのアドリブパートがバックグラウンドで聞こえてきていて、ボーカルに勝ってしまっている感じにはなっていません。

音量を抑えているからです。

この曲では、メインボーカルとアドリブをがっちり区別したくなかったので、メインボーカルと同じAUXを使っています。

メインボーカルと同じように聞かせたいためです。

「メインボーカルと違い、こういうサウンドにしたい」というビジョンがない場合は、このようにしています。

メインボーカルと同じなので、チェインは「ディエッサー」「EQ」「R Comp」「SSL」「CLA Vocals」「CLA 76」「ディエッサー」「R Comp」の順番です。

これらはWavesのバンドルに同梱されていますので、「Waves Gold」「Waves Platinum」「CLA Signature Series」「CLA Classic Compressors」を購入すれば誰でも全く同じミックスをすることが可能です。

ラップボーカルMIXのコツ4:ディレイを使ったボーカルエフェクト

以下のように、ディレイを使ったサウンドを取り入れることもあります。

今回はH-Delayを使っていますが、とてもわかりやすく使いやすいので、このプラグインは僕のお気に入りでもあります。

オートメーションも書けるので、面白いサウンドも作れます。

20:22~21:21

How to Mix Rap Vocals | Leslie Brathwaite (Pharrell Williams)

ラップボーカルMIXのコツ5:ディレイにEQをかける

Waves社「H-Delay」などのディレイプラグインには、ハイパス・ローパスのフィルターが付いていることがあります。

動画より

H-Delayの場合、例えば「Hi Pass」を右に回せば回すほど低音が少なくなるので(高音域だけ残すので)、より薄い音になります。

逆に左に回せば回すほど低音が残るので、ディレイ音の存在感が大きくなります。

ディレイが多すぎるとごちゃごちゃしてしまいますが、このようにディレイ音にフィルター(EQ)をかければ、スペースをしっかり空けながらディレイをかけることができます。

今回はディレイ音にもしっかり存在感を出し、ボーカル全体に重みを出したかったので、フィルターは使っていません(Hi Passのツマミは左に、Lo Passのツマミは右に振り切っている)。

お使いのディレイプラグインにフィルターやEQがついていない場合は、ディレイプラグインの後ろにEQを挿してもOKです。


以上で「アドリブ・ダブリング編」は終了です。

次回は最終回「MIXの心構え編」です↓


人気記事

1

今回は、アメリカのプロデューサーNathan James Larsenが解説する「僕のお気に入りのボーカルチェイン」をまとめました。「どんな曲であっても、ミックスの83%はこのボーカルチェインを使っている」というぐらい汎用性が高い内容ですので、ぜひお試しください。

2

今回は、Doctor Mixが解説する「歴代のシンセサイザーTOP10」をご紹介します。みなさんがよく耳にする「あの音」は、実はこれらのシンセサイザーの音かも…!?「聞いたことある!」「あの音って、このシンセの音だったんだ!」と驚くこと間違いなしです!

3

今回は、これからDTMをはじめたいという方向けに「Amazonで買えるDTM初心者セット」を3つご紹介します。「これからDTMをはじめたいけど、何を買ったらいいかわからない」「とりあえずこれさえ買っておけばOKみたいなセットはない?」このような方のための記事ですので、ぜひ参考にしてください。

4

今回は、音楽で使うスピーカーに付いている「謎の穴」について解説します。いろいろなスピーカーを見てみると、前面下側に細長く穴が空いていたり、側面に丸い穴が空いてあったり、中には背面に穴が空いていることがあります。この謎の穴は、いったいどのような役割があるのでしょうか?

5

K-POPっぽい曲って、どうやったら作れる?K-POPの特徴って何?今回はこのような疑問にお答えします!海外プロデューサーが教える「K-POPの全体的な特徴」について徹底解説!これを前提に作曲していけば、よりK-POPっぽい曲が作れるようになります。

6

今回は、Big Zが解説する「SKRILLEX(スクリレックス)レベルでミックス・マスタリングする方法」をまとめました。SKRILLEXのように「音にパンチ・厚み・パワー」がありながら音圧を上げるには一体どのようにすればいいのでしょうか?DTMをしている全ての方、必見の内容です!

7

今回は、LANDRが解説する「DIベースとは?」をまとめました。音楽に親しんでいる方でも、「DIベース」とは何か、DIベースのレコーディングで使われる「DIボックス」とは何か、自分はDIボックスが必要なのかどうかが分からない方も多いでしょう。この記事では、これらについて詳しく解説していきます。

8

当サイトのnoteアカウントにて「楽曲のサビ・Aメロ・Bメロ・Cメロ・ポストコーラス・イントロ&アウトロの作り方」をそれぞれアップしました。 「曲を作るときに何から始めたらいいかわからない」「 ...

9

今回は、Audio Universityが解説する「音響心理学を活かしたミキシングテクニック」をまとめました。この記事ではそのうち、多くの人がミキシングで悩む「マスキング問題」とは何か?について解説しています。

10

今回は、さまざまなジャズのジャンル・種類をまとめました。「ジャズ」と言ってもいろいろなスタイルがあり、それぞれ特徴が異なります。この記事では18種類のジャズスタイルをご紹介しますので、ぜひお気に入りのスタイルを見つけてみてください。

-ミキシングのコツ
-