【トップエンジニア直伝】ラップボーカルのMIXのコツ -EQ・コンプ編②-

今回はこのような疑問にお答えする内容です。
今回はそのうち、「EQとコンプの使い方②」に関する部分をまとめています。
ビヨンセやCardi Bなども手がける超大物エンジニアが教えるテクニックですので、ぜひ今日から使ってみてください!
ちなみに今回取り上げる楽曲は「Lil Uzi Vert – Neon Guts feat. Pharrell Williams」です↓
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はじめに:ボーカル処理の順番
今回の楽曲で使われているボーカルチェインは、このような順番になっています。
(プラグインはすべてWavesの製品です)
2.R EQ(EQ)
3.R Compressor(コンプ)
4.SSL(EQ)
5.CLA Vocals(エフェクト全般)
6.CLA-76(コンプ)
7.DeEsser(ディエッサー)
8.R Compressor(コンプ)
今回解説するのは、このうちの「5」「6」「8」の部分です。
上記の項目をクリックするとそれぞれを解説している記事に飛びますので、気になる項目があればぜひチェックしてみてください。
CLAプラグイン
2人のボーカルには、両方とも同じ「Chris lord-Alge Vocals」のプラグインを通しています。
どちらも全く同じ設定にしてあります。
画像:動画より
全く同じ設定にすることで、2人が同じスペースにいるように聞かせることができます。
ボーカルが2人以上いる曲で、ボーカルがそれぞれ全く違うタイプの聞こえ方をしたり、全く別の場所にいるような感じには聞かせたくないですよね。
全く同じ設定にしているのは、めんどくさがっているのではなく、そういう意図があるからです。
CLAプラグインの良さ
このプラグインはChris Lord-Alge(世界的エンジニア)が監修したCLAシリーズですが、このCLAプラグインのいいところは、直感的に操作できるところですね。
ボタンをクリックして、それぞれのパラメーターのタイプを決めるだけ。
「PUSH」「TIGHT」「LARGE」など、見ただけでどんな効果が出るのかわかるようになっています。
数字で判断するのではなく、「TIGHT」「LARGE」「CHAMBER」などの名前で操作できるのがいいところで、僕も愛用しています。
BASS
まず最初は、左のフェーダー「BASS」。
こちらは「LOWER」にします。
大きな差はありませんが、確かに違いは出てきます。
TREBLE
次は「TREBLE(高音)」。
BITE、TOP、ROOFから選べます。
COMPRESS
これも、3つそれぞれのタイプに特徴的なコンプレッションが見られますね。
REVERB
今回はCHAMBERにしてあるので、フェーダーはかなり低い値にしてありますが、広さを足すことができます。
DELAY
今回はQuarter(1/4)にしています。
各パラメーターの実際の音(12:05~)↓
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CLA-76
次は、CLA-76です。
こういったクラシックなコンプレッサーは、ボーカルがちょっと心配なときなどに使えて、しっかりとコンプレッションの形を作ったり、感じたりすることができます。
13:41~13:51
コンプレッサーに慣れてない人などは、ただ単に音量が上がっただけに聞こえるかもしれません。
しかし、ボーカルがしっかりコンプレッションされ、より前に出てきていることがお分かりいただけると思います。
仕上げのコンプレッション
ボーカル処理の一番最後は、ちょっとだけコンプレッション(Waves R Compressor)をかけることが多いです。
明らかにコンプをかけたなと思われない程度に、ちょっと飛び出ている部分をちょうどよく抑える目的で使います。
16:17~16:23
16:38~16:51
このシリーズでは、他にもボーカルミックスについて解説していますので、ぜひこちらもご覧ください↓
ディエッサー編
EQ・コンプ編①
EQ・コンプ編②
ボーカル補正編
アドリブ・ダブリング編
MIXの心構え編
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