ラップってどうやってミックスすればカッコよくなる?
今回はこのような疑問にお答えする内容です。
グラミー受賞を果たしている世界的なエンジニアLeslie Brathwaiteが教える「ラップボーカルのミックスの仕方」をまとめました。
この記事ではそのうち「EQ・コンプ編②」に関する部分をまとめています。
ビヨンセやCardi Bなども手がける超大物エンジニアが教えるテクニックですので、ぜひ今日から使ってみてください。
はじめに:ボーカル処理の順番
今回の楽曲で使われているボーカルチェインは、このような順番になっています。
(使用しているプラグインはすべてWavesの製品です)
ボーカルチェイン
今回解説するのは、このうちの「5」「6」「8」の部分です。
上記の項目をクリックするとそれぞれを解説している記事に飛びますので、気になる項目があればぜひチェックしてみてください。
ラップボーカルMIXのコツ1:Waves社の「CLA Vocals」で統一感を出す
今回の楽曲には2人のボーカルがいますが、両方とも同じ「CLA Vocals」のプラグインを通しています。
画像:動画より
どちらも全く同じ設定にしてあるのですが、全く同じ設定にすることで、2人が同じスペースにいるように聞かせることができます。
ボーカルが2人以上いる曲で、ボーカルがそれぞれ全く違うタイプの聞こえ方をしたり、全く別の場所にいるような感じには聞かせたくないですよね。
全く同じ設定にしているのは、めんどくさがっているのではなく、そのような意図があるからです。
Waves社「CLAプラグイン」のよさとは?
このプラグインはChris Lord-Alge(世界的エンジニア)が監修したCLAシリーズですが、このCLAプラグインのいいところは、直感的に操作できるところです。
ボタンをクリックして、それぞれのパラメーターのタイプを決めるだけ。
「PUSH」「TIGHT」「LARGE」など、見ただけでどんな効果が出るのかわかるようになっています。
数字で判断するのではなく、「TIGHT」「LARGE」「CHAMBER」などの名前で操作できるのがいいところで、僕も愛用しています。

BASS
まず最初は、左のフェーダー「BASS」。
こちらは「LOWER」にします。
大きな差はありませんが、確かに違いは出てきます。
TREBLE
次は「TREBLE(高音)」。
BITE、TOP、ROOFから選べます。
COMPRESS
これも、3つそれぞれのタイプに特徴的なコンプレッションが見られます。
REVERB
今回はCHAMBERにしてあるので、フェーダーはかなり低い値にしてありますが、広さを足すことができます。
DELAY
今回はQuarter(1/4)にしています。
ラップボーカルMIXのコツ2:Waves社「CLA-76」で音を前に出す
次は、Waves社「CLA-76」を使います。
このようなクラシックなコンプレッサーは、ボーカルがちょっと心配なときなどに使えて、しっかりとコンプレッションの形を作ったり、感じたりすることができます。
コンプレッサーに慣れてない人などは、ただ単に音量が上がっただけに聞こえるかもしれません。
しかし、ボーカルがしっかりコンプレッションされ、より前に出てきていることがお分かりいただけると思います。
ラップボーカルMIXのコツ3:仕上げのコンプレッションをかける
ボーカル処理の一番最後は、ちょっとだけコンプレッション(Wavesw社「R Compressor」)をかけることが多いです。
明らかにコンプをかけたなと思われない程度に、ちょっと飛び出ている部分をちょうどよく抑える目的で使います。
今回使ったボーカルミックスプラグインまとめ
最後に、この記事の解説で登場したボーカルミックスプラグインをご紹介します。
気になる製品があればぜひチェックしてみてください!
以上で「EQ・コンプ編②」は終了です。
次回はPart4「ボーカル補正編」です↓