【トップエンジニア直伝】ラップボーカルのMIXのコツ -アドリブ・ダブリング編-

今回はこのような疑問にお答えする内容です。
今回はそのうち、「アドリブやダブリングパートのミックス」に関する部分をまとめています。
ディエッサー編
EQ・コンプ編①
EQ・コンプ編②
ボーカル補正編
アドリブ・ダブリング編
MIXの心構え編
ビヨンセやCardi Bなども手がける超大物エンジニアが教えるテクニックですので、ぜひ今日から使ってみてください!
ちなみに今回取り上げる楽曲は「Lil Uzi Vert – Neon Guts feat. Pharrell Williams」です↓
スポンサードサーチ
アドリブ・ダブリングパートの処理の仕方
ヒップホップの場合は、アドリブやダブリングのパートも多く入っていると思います。
こういったパートは、どうやってこの曲になじませるかを考えることが大事です。
楽曲によっては、ただメインボーカルの後ろに置くだけのときもありますし、周りでガヤガヤしている感じに聞かせたりするときもあります。
今回は、メインボーカルと同じようにWaves Tune Real-Timeを、同じ設定で使っています。
ディレイやリバーブも
時には、ちょっとだけディレイやリバーブを入れたりすることもあります。
今回は、ディレイにWaves H-Delay、リバーブにWaves Rverbを使い、少しスペースを作っています。
また、Waves S1 Imagerを使うことで、よりワイドに聞かせるようにしています。
(ボーカルチェインの順番は「ディレイ→リバーブ→S1」)
スポンサードサーチ
アドリブとオーバーダブ(ダブリング)の立ち位置
アドリブとオーバーダブに関しては、聞こえ方は調整しつつも、メインボーカルからかけ離れないようにしています。
単純に、音量の問題ですね。
アドリブの例(18:41~18:48)↓
「Yeah」などのアドリブパートがバックグラウンドで聞こえてきていて、ボーカルに勝ってしまっている感じにはなっていません。
音量を抑えているからですね。
この曲では、メインボーカルとアドリブをがっちり区別したくなかったので、メインボーカルと同じAUXを使っています。
メインボーカルと同じように聞かせたいためです。
「メインボーカルと違い、こういうサウンドにしたい」というビジョンがない場合は、このようにしています。
メインボーカルと同じなので、チェインは「ディエッサー」「EQ」「R Comp」「SSL」「CLA Vocals」「CLA 76」「ディエッサー」「R Comp」です。
ディレイを使ったボーカルエフェクト
以下のように、ディレイを使ったサウンドを取り入れることもあります。
今回はH-Delayを使っていますが、とてもわかりやすく使いやすいので、このプラグインは僕のお気に入りでもあります。
オートメーションも書けるので、面白いサウンドも作れます↓(20:22~21:21)
ディレイのEQ
H-Delayなどのディレイプラグインには、ハイパス・ローパスのフィルターが付いていることがあります。
H-Delayの場合、例えば「Hi Pass」を右に回せば回すほど低音が少なくなるので(高音域だけ残すので)、より薄くなります。
逆に左に回せば回すほど低音が残るので、ディレイ音の存在感が大きくなります。
ディレイが多すぎるとごちゃごちゃしてしまいますが、このようにディレイ音にフィルター(EQ)をかければ、スペースをしっかり空けながらディレイをかけることができます。
今回はディレイ音にもしっかり存在感を出し、ボーカル全体に重みを出したかったので、フィルターは使っていません(Hi Passのツマミは左に、Lo Passのツマミは右に振り切っている)。
ちなみにこの動画で取り上げている楽曲のボーカルチェインは、以下のようになっています。
クリックするとそれぞれを解説している記事に飛びますので、ぜひこちらもご覧ください↓
2.R EQ(EQ)
3.R Compressor(コンプ)
4.SSL(EQ)
5.CLA Vocals(エフェクト全般)
6.CLA-76(コンプ)
7.DeEsser(ディエッサー)
8.R Compressor(コンプ)
-
前の記事
【トップエンジニア直伝】ラップボーカルのMIXのコツ -ボーカル補正編- 2020.11.30
-
次の記事
【トップエンジニア直伝】ラップボーカルのMIXのコツ -MIXの心構え編- 2020.12.02