【音楽史】ビバップ(Bebop)とは?【概要編】

今回はこのような疑問にお答えする内容です。
今回はPart1として、ビバップの概要をざっくり解説していきます。
Part1:概要編
Part5:音楽的特徴
名前はチラっと聞いたことがある方もいるかもしれませんが、その詳細についてはあまり知らない方も多いでしょう。
こちらのシリーズを読むと作曲の引き出しが増えますので、ぜひ最後までご覧ください!
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ビバップをざっくり言うと?
ビバップは、1940年代中盤にアメリカで発展した、ジャズのスタイルのことです。
若年世代のジャズミュージシャンによって発展したビバップは、人気だけでなくジャズにおけるクリエイティビティを広げようとして作られました。
それまではダンス志向のスイングが流行っていましたが、この「新しいミュージシャンの音楽」はダンス性が低く、注意深く聞かないといけないような音楽でした。
ダンス音楽ではない?
ビバップはダンス音楽として作られたわけではないので、ミュージシャンたちは速いテンポで演奏することができました。
ビバップミュージシャンは、より高度なハーモニー、複雑なシンコペーション、コードの変化、エクステンデッドコードの使用、代理コードの使用、アシンメトリーなフレージング、複雑なメロディーを追求していたのです。
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名前の由来
「ビバップ(bebop)」という言葉は、スキャット(歌唱法)で使われる「意味のない音節」から来ています。
「リバップ(rebop)」という呼び方もあります。
この「ビバップ」が最初に使われたのは、1928年リリースの McKinney’s Cotton Pickersの”Four or Five Times”という楽曲です。
楽曲を聴くとお分かりの通り、ボーカルは特に意味のない言葉で「ドゥーララン」などのようにして歌っています。
この後には、Jack Teagardenの1936年リリースの楽曲”I’se a Muggin”で使われています。
しかしこの意味での「ビバップ」という言葉はあまり使われず、1940年代中盤には、現代で使われる意味=音楽ジャンルを意味する言葉として使われるようになりました。
一方ビバップという手法自体は、1945年までにはR&Bにも使われるようになっています。
編成の特徴
ビバップのグループは、リズムセクションの役割を拡大して使っています。
スイング時代の主要アンサンブルは最大14人で構成されていましたが、クラシック・ビバップではサックス(アルトかテナー)、トランペット、ピアノ、ギター、ダブルベース(ウッドベース、コントラバス)、ドラムといった小さい編成が主要で、アンサンブルは主にソリストをサポートする役割を担っていました。
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楽曲構成の特徴
ビバップは「アレンジされた音楽を演奏する」というよりも、セクションごとにパフォーマーたちがソロで即興をし、その後「元から作曲されているメロディーセクション(「ヘッド」と呼ばれる)」を演奏するというのが一般的です。
たとえば、こちらの曲は、ざっくり分けるとこのような構成になっています。
ヘッドでは全員が演奏し、間に各楽器のソロを挟んでいます。
さらに具体的な特徴
以下の要素は、ビバップによく見られる特徴です。
・すぐにコードが変わる複雑なコード進行
・キーチェンジの多さ
・それぞれの楽器による高度なテクニックの使用
・ハーモニーの組み合わせをベースとした即興
・スケールの使用
・メロディーの「引用」
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ビバップで有名なアーティスト
アルトサックス奏者
Charlie Parker
テナーサックス奏者
Dexter Gordon
Sonny Rollins
James Moody
クラリネット奏者
Buddy DeFranco
トランペット奏者
Fats Navarro
Clifford Brown
Miles Davis
Dizzy Fillespie
ピアニスト
Bud Powell
Mary Lou Williams
Thelonious Monk
エレキギタリスト
Charlie Christian
Joe Pass
ドラマー
Kenny Clarke
Max Roach
Art Blakey
↓つづき「ビバップの歴史(初期〜1940年ごろ)」
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