【音楽理論】モードとは?しくみを理解しよう
自分がちゃんとモードを理解しているか、心配だ…
今回はこのような疑問にお答えする内容です。
作曲をしている人なら一度は聞いたことがあるだろう「モード」ですが、その役割やしくみをイマイチよくわかっていない人も多いでしょう。
この記事を読むと、モードに対する考え方や、モードにはおもしろい「しくみ」が隠されていることがわかります。
ぜひ最後までご覧ください!
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モードを学ぶときに混乱する理由
僕(Charles)がモードを最初に学んだ時は、混乱してしまいました。
「これがアイオニアンスケールで、これがフリジアンスケールで…」と、名前と使われている音が決まっているのはわかっているのですが、それだけでは「そのモードが何を意味しているのか?」がわかりませんし、たとえば「なぜフリジアンモードは3rd Modeと呼ばれているのか?」なんてことが、全然わからなかったのです。
今回は、そんな方のための解説になっています。
スケールは「ステップ」の組み合わせ
以前の記事で、「スケールとはステップの組み合わせである」ということをお伝えしました。
全音や半音、短3度など、音と音の間がどれぐらい開いているか、そしてその並び方によってスケールが変わるというものです。
たとえば、前回少し解説したハーモニックマイナースケールの場合はこのようになります。
↓
全半全全半 短3半
WHHWW m3rd H
この全半などの並びが、ハーモニックマイナースケールの「公式」です。
つまり、Dハーモニックマイナースケールを作りたいのなら、Dから始まるこの並びにすればいいのです。
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ちょっと考え方を変えてみる
ここで、「○○スケールは、こういうインターバル(音の距離)の並びでできている」という考え方を、次のように変えてみましょう。
ルート音はCなのは、どちらも一緒です。
しかし、3thであるEと、6thであるAが半音下がっています。
↓
C D Eb F G Ab B
↓
1 2 b3 4 5 b6 7
つまり、メジャースケールの3thと6thをフラット化すれば、ハーモニックマイナースケールになります。
スケールの考え方は2種類ある
ここまででお伝えしたように、スケールには2種類の考え方があります。
1つは一番最初にお伝えした、インターバル(音と音の間の距離)がどうなっているかで考える方法。
「全半全全半 短3 半」などです。
もう一つは、普通のメジャースケールをどう変えたらどうなるのか?で考える方法。
「3rdと6thをフラットにする」などです。
実は、この2つを知っておくことはモードの理解を深めるだけでなく、より簡単に理解することができるのです。
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「○○をどうしたら○○にできるか?」思考
たとえば、EからスタートしEで終わるスケールを白鍵だけで弾くと、こうなります。
「CメジャースケールをEからスタートしたバージョン」になりました。
対して、Eメジャースケールはこうなります。
ここで一度考えてみてほしいのが、「Eから始まるスケールを白鍵だけで弾いた時と、Eメジャースケールで弾いた時は、何が違うだろうか?」ということ。
そして、その「逆バージョン」もです。
試しに、逆に「Eメジャースケールをどうやったら全て白鍵にできるか?」を考えてみましょう。
つまり、シャープになっている部分をフラット化してみます(半音上がっている部分を半音下げます)。
↓
1 b2 b3 4 5 b6 7b
↓
E F G A B C D
「1 b2 b3 4 5 b6 7b」にすれば、すべて白鍵にできることがわかりました。
フリジアンスケールの公式
実はこの「1 b2 b3 4 5 b6 7b」という並びは、モードの一つ「フリジアンスケール」の「公式」です。
画像:動画より
試しに、Aフリジアンスケールを確認してみましょう。
↓
1 b2 b3 4 5 b6 7b(フリジアンスケールの公式)
↓
A Bb C D E F G(Aフリジアンスケール)
「メジャースケールの3rd Mode」
実はフリジアンスケールは、メジャースケールの「3rd Mode」と言われています。
言い方を変えると、「そのフリジアンスケールのルート音が3rdの音となるメジャースケールと同じ」ということです。
Aフリジアン = Fメジャースケール?
たとえばAフリジアンスケールの場合。
Aが3rdとなる…つまり、Aの音がスケールの3番目の音になるメジャースケールと、使う音が同じになります。
「Aが3番目になる」のですから、Aから3つ下がって…Fです。
Fから数えると、Aは3番目にあたります。
ここで、Fメジャースケールを見てみましょう。
では、Aフリジアンスケールはどうでしょうか?
スタートの音が違うだけで、Bにフラットが付いている点は全く一緒です。
「そのフリジアンスケールのルート音が3rdの音となるメジャースケールと同じ」は、これを意味しています。
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いろいろなモードの種類を見てみよう
実は他にも、モードには「1st Mode」「2nd Mode」など、順番とモード名がセットになって「公式化」されています。
フラットがつかない。
Cメジャースケールに適用すると、CDEFGAB
(CメジャーキーはCDEFGAB)
3rdにフラットがつく。
Dメジャースケールに適用すると、DEFGABC
(DメジャースケールはDEF#GABC#)
2nd・3rd・6th・7thにフラットがつく。
Eメジャースケールに適用すると、EFGABCD
(EメジャースケールはEF#G#ABC#D#)
4thにシャープがつく。
Fメジャースケールに適用すると、FGABCDE
(FメジャースケールはFGAbBCDE)
7thにフラットがつく。
Gメジャーキーに適用すると、GABCDEFG
(GメジャーキーはGABCDEF#)
3rd・6th・7thにフラットがつく。
Aメジャーキーに適用すると、ABCDEFG
(AメジャーキーはABC#DEF#G#)
2nd・3rd・5th・6th・7thにフラットがつく。
Bメジャーキーに適用すると、BCDEFGA
(BメジャーキーはBC#D#EF#G#A#)
上記をご覧になってわかる通り、モードの公式に沿うと、あるメジャースケールに対してフラット・シャープを加え、すべてCメジャーキー化(全て白鍵)にしていることがわかります。
つまり、「そのメジャースケールをすべてをCメジャースケールにしようと思った時(全て白鍵で弾こうとした場合)、いくつフラット・シャープを足せばいいのか?」を考えると、モードをより覚えやすく、理解しやすくなります。
モードとそのしくみのまとめ
モードには「メジャースケールに対して○th Modeなのか?」を考えたり、「あるスケールにどんな変更を加えたらCメジャースケールになるか?」を考える方法、そして単純に公式として覚えるなど、さまざまな考え方があることがお分かりいただけたかと思います。
「とりあえず覚える」のではなく、このような仕組みや、何に対してどんな関係があるのか?を考えてみることもとても大切です。
今回の記事で「ちょっとモードに興味が出てきたな…」と思った方は、こちらの本がおすすめです。
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ちなみにCメジャースケールとCアイオニアンスケールの厳密な違いについては、こちらでまとめています↓
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