【映画音楽】アカデミー賞の「音響編集賞」と「録音賞」の違いは?【オスカー】
- 2020.02.12
- 2021.10.05
- ミキシング・マスタリング

今回はこのような疑問にお答えする内容です。
2020年のアカデミー賞発表の際は、「この違いがわからない!」という人が続出で、Twitterでも話題になりました。
英語だと「Sound Editing」と「Sound Mixing」なので、混乱してしまう人が多いようです。
日本語でも、実際にどんなことをするのかは説明できない人もいると思いますので、ぜひこの機会に覚えておきましょう!
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音響編集(Sound Editing)と録音賞(Sound Mixing)の違い
This is the difference between Sound EDITING and Sound MIXING…#Oscars pic.twitter.com/dj08E4yU13
— Lights, Camera, Pod (@LightsCameraPod) February 10, 2020
Light, Camera, Pod(@LightCameraPod)のツイートより
音響編集(Sound Editing)とは?
映画のストーリーに合わせて、音を作っていくことが役割に含まれ、効果音を作る役割でおなじみの「フォーリー」もこれにあたります。
たとえば、登場人物が話しているときにエアコンの音や電車の音を、それらと距離感を感じさせるように音を作っていくなどですね。
スターウォーズ「最後のジェダイ」でいうと、オク=トーという惑星で、ルークのライトセーバーの音を木の葉がこすれる音と一緒に鳴らしているのがこれにあたります。
「オンセット」と「オフセット」
ちなみにこの解説文にある「オンセット」と「オフセット」について。
ざっくりいうと、
「オンセット」は「撮影やレコーディングする場所で」という意味。
「オフセット」は「撮影やレコーディングする場所以外で、また撮影やレコーディングが終わったあとに」という意味。
フォーリーは映像を撮り終えてからその映像に対して音をつけていきますので、「オフセット」となります。
録音賞(Sound Mixing)とは?
基本的には、撮影で録音された登場人物の会話と、効果音など別の場所で作られた音を自然に聞かせるようにするのが目的です。
たとえば…
→遠くから電車の音が聞こえるように調整する
→鳥の鳴き声にリバーブをかけてみる
ニューヨークタイムズの解説
“Sound mixing then refers to the postproduction after sounds are already inserted. The most essential goal is to meld the sounds seamlessly with the recorded dialogue. It could mean making that train actually seem distant or adding reverb to a bird’s squawk to create tension in a scene.” — The New York Times
サウンドミキシングが重要な理由
ミキシングをする前の映画は、すごく雑に見えてしまいます。
そのため、ミキシングで音を完璧にし、視聴者が本当に映画の世界にいるような感覚にさせるのです。
映画が視聴者の注意を最後まで引き続けられたとしたら、それは「その映画のサウンドがよかった」ということになるでしょう。
シアトルタイムズの解説
“A film can sound really rough before it’s been mixed, so a lot of times, it’s about making it sound so perfect you feel like you’re there. If a movie draws your attention and holds you fully to the end, then it means the sound was good.” — The Seattle Times
ちなみに、2020年のアカデミー音響編集賞・録音賞受賞作品はこちらです!
音楽の勉強に、ぜひ見ておきたいですね。
音響編集賞「フォードvsフェラーリ」
(2020年2月時点でDVD未発売)
録音賞「1917 命をかけた伝令」
(2020年2月時点でDVD・サントラ未発売)
おまけ
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