今回は英語版wikipediaの「カリブの音楽(カリビアンミュージック)」をまとめました。
この記事では概要編として、カリブの音楽全般をざっくり紹介していきます。
カリビアンミュージック解説シリーズ
そもそも「カリブ」はどこにある?
カリブはここ、アメリカのすぐ右下にあります。
具体的な国名を挙げると、ジャマイカ、コロンビア、キューバ、ドミニカ共和国、ハイチ、プエルトリコ、トリニダード・トバゴなどがあります。
カリビアンミュージックとは?
カリビアンミュージックは一言で言うのは難しく、地域によって多種多様です。
アフリカ、ヨーロッパ、インド、先住民族の影響を受けており、ほとんどはアフリカの奴隷の子孫たちが発展させています(アフロ・カリビアンミュージック)。
これらの発展には、インド系カリブ人のコミュニティーの貢献も深く関わりました。
カリビアンミュージックの歴史

カリビアンミュージックの歴史は、カリブ人の歴史・起源にまで遡ります。
コロンブスのアメリカ上陸後
コロンブスが1492年にアメリカ大陸に上陸すると、スペイン人がこの土地を自身のものだと主張し始めます。
この主張は地元民と近隣のスペイン系ヨーロッパ人たちもうまく合わず、この後数年以内には、カリブ海の島々を渡ってスペイン、フランス、イングランド、デンマーク、オランダによる戦いが起こりました。
これらの戦い(プラス、ヨーロッパからもたらされた病気)により、カリブ海域の文化全体が一掃され、先住民族たちも大量に殺害してしまいます。
これにより、カリブ海域の国々はヨーロッパの皇帝たちによって植民地化されていきます。
アフリカ文化による侵食
ヨーロッパ人がアフリカ人奴隷たちを連れ、植民地化した島々で砂糖やコーヒーのプランテーション(農園)を作ると、先住民たちの文化はさらに侵食されてしまいます。
そしてその多くにおいて、音楽を含む地元文化は、そうしたアフリカからの文化に置き換えられていきます。
この時点で、その時存在していたカリブ海の文化はすべてバラバラになってしまいます。
ヨーロッパの各勢力は、それぞれの持ち場である島々で独自の文化を切り開いていきます。
そのため、植民地時代が終わってもなお、今日私たちが見るカリブ海文化は島ごとに少しずつ異なる文化を持っています。
「島ごとに違う」文化
このような特定の島独自の文化は、カリブ海文化を構成する一つの要素です。
それぞれの島が独自の音楽スタイルを持っており、それぞれがアフリカ人奴隷たちからもたらされた音楽文化により、互いに刺激を受け、与えながら発展しています。
多くのカリビアンミュージックでは、「打楽器の多用」「複雑なリズムパターン」「コールアンドレスポンスのボーカル」という特徴が見られます。
とは言うものの、それぞれの島によって、音楽の特徴は変わっていきます。
多くの場合、この「違い」はその音楽で使われるリズムによって生まれ、島ごとに違ったリズムが使われています。
複雑なカリビアンミュージックの起源
カリビアンミュージックの起源はとても複雑で、西半球の植民地時代の移民パターン、人身売買のパターン、それによって生じたるつぼ(異なる人種・文化が融合・同化された場所や状態)や独自の音楽的影響の流入などによって考えることができます。
植民地時代のカリブ人の祖先は、主に西アフリカ、西ヨーロッパ、インドからやってきた人々です。
20世紀〜21世紀の移民たちには、台湾、中国、インドネシア・ジャワ、中東から来た人もいます。
加えて、ラテンアメリカやきたアメリカ(特にヒップホップやポップスの場合)の国々では、カリブの影響を受けたり、その逆もあります。
カリブ海域の国々と地域の間では音楽的な共通点がありますが、移民パターンと植民地の派遣の変化は、音楽の影響力の変化と並行する傾向にあります。
言語の障壁は、このうちの一つの影響に入ります。
(スペイン語、ポルトガル語、英語、ヒンドゥスターニー語、タミル語、アラビア語、中国語など)
カリビアンミュージックのジャンルの分け方
カリビアンミュージックの区分けは厳密には決まっていません。
多くのジャンルが共通点を持っており、様々な方法や方向性でそれぞれが影響しているのが理由です。
たとえば、ジャマイカの音楽ジャンルの一つである「メント(Mento)」は、トリニダード・トバゴのカリプソ(Calypso)と共に長い歴史があります。
カリプソの要素はメントでも使われており、またその逆のパターンもあります。
2つともアフロ・カリビアン文化で誕生したジャンルですが、それぞれがトリニダード・ドバゴのShangoやShoutersの宗教や、ジャマイカのクミナ(Kumina)の伝統から来ている影響によって、特徴を生み出しています。
カリブ海域のスペイン語圏から来た音楽は、ラテン音楽業界では「トロピカルミュージック」とも言われています。
有名なカリビアンミュージックのスタイル
カリブ海域以外の地域でも有名なカリビアンミュージックには、以下のスタイルがあります。
Bachata(バチャータ)
Merenque(メレンゲ)
Palo(パロ、フラメンコの曲種)
それぞれのパロには異なるリズムパターン、モード、特徴的なモティーフやスタンザなどがある。
Baithak Gana(バイタクガーナ)
Bouyon(ブーユア)
Cadence-lypso(ケーデンスリプソ)
Calypso(カリプソ)
カリプソはカリビアンミュージックにおいてとても有名なジャンルで、下記の記事で詳しく解説しています。
Chutney(チャットニー)
Chutney-soca(チャットニーソカ)
Compas(Kompas、Kompa、コンパス)
Dancehall(ダンスホール、ジャマイカ音楽のジャンル)
Denbo(Dembow、デンボー)
Mambo(マンボ)
Jing Ping(ジンピン)
Parang(パラン)
Pichakaree(ピチャカリー)
Punta(プンタ)
Ragga(Raggamuffin、ラガマフィン)
Reggae(レゲエ)
レゲエはカリビアンミュージックにおいてとても有名なジャンルの1つです。
下記の記事で詳しく解説しています。
Reggaeton(レゲトン)
Salsa(サルサ)
Soca(ソカ)
Zouk(ズーク)
アフロ・カリビアンミュージック
さてここからは、特に代表的とも言えるカリビアンミュージックの以下5つのスタイルについて、詳しく解説していきます。