シンセサイザー

【DTM】u-he社のシンセ「Diva」の使い方 コンプリートガイド #3 エンベロープ(Envelope)

The Complete Guide To Master Diva| #3 Envelopes

今回は、Zen Worldが教える「Divaの使い方コンプリードガイド」のうちエンベロープ(Envelope)に関する部分をまとめました。

Divaを持っているけどイマイチ使い方がわかっていない…という方も、このシリーズを見れば「これでどんな音も自分で作れるようになる!」というレベルまで到達できます。

このシリーズを見て、Divaマスターになりましょう!

はじめに:今回解説する機能とパラメータ一覧

今回は、以下の機能やパラメータについて解説します。

3つのエンベロープタイプ

・ADS Envelope
・analogue Envelope
・digital Envelope

各パラメーター

・Attack
・Decay
・Sustain
・Release
・Vel(ベロシティー)
・KYBD(キーフォロー)
・Q/Cボタン(クオンタイズ・カーブ)

エンベロープの基礎(Attack・Decay・Sustain・Release)

まずはじめに、エンベロープ(Envelope)の基礎について解説します。

エンベロープとは、音の鳴り方をグラフやアニメーションのように動かすことのできるパラメーターで、主に「Attack」「Decay」「Sustain」「Release」の4つの要素から構成されています。
※シンセサイザーによっては「Hold」などの追加要素もあります

これらの頭文字を取って、エンベロープを「ADSR」と略して表示されることもあります。

Attack(アタック):音のはじまり、立ち上がりの速さ
Decay(ディケイ):アタックが最大点に到達してからサステインに行くまでの時間
Sustain(サステイン):鍵盤を押している間(MIDIノートが続いている間)の音量
Release(リリース):鍵盤から指を離してから(MIDIノートが途切れてから)音が完全に消えるまでの時間

エンベロープの解説(1:36~)

The Complete Guide To Master Diva| #3 Envelopes

Divaでは2つのエンベロープが使える

Divaでは、画面右上で2つのエンベロープを操作することができます(上段と下段)。

それぞれ▼マークの欄をクリックすることで、エンベロープの種類を変更することができます。

3つのエンベロープタイプ

Divaのエンベロープは、3種類あります。

ADS

とてもシンプルなタイプのエンベロープです。

ReleaseスイッチをONにすると、Decayのパラメーターに合わせてReleaseも自動的に調整されます(Decayが長いとReleaseも長くなる)。

ADS Envelopeの解説(0:47~11:43)

The Complete Guide To Master Diva| #3 Envelopes

analogue

アナログシンセをエミュレートしたタイプのエンベロープです。

パラメーターはツマミではなくフェーダーになっています。

analogueエンベロープの解説(11:48~13:25)

The Complete Guide To Master Diva| #3 Envelopes

digital

前述のanalogueエンベロープとかなり似ていますが、「Q(クオンタイズ)」「C(カーブ)」ボタンがあるのが大きな特徴です。

digitalエンベロープの解説(13:25~)

The Complete Guide To Master Diva| #3 Envelopes

Vel(ベロシティー)

MIDIのベロシティーの強さに合わせて、エンベロープの効果をどれだけ強く出すかを決めるパラメーターです。

例えば、ベロシティーが強い音はSustainがしっかり出るようになり、ベロシティーが弱い音はSustainが小さくなるなどの変化を出すことができます。

単調なアルペジオも、ベロシティーとエンベロープの効果を変化させることで動きをつけることができます。

Velの説明(10:15~11:11)

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KYBD(キーフォロー)

MIDIの音程に合わせて、エンベロープの効果をどれだけ強く出すかを決めるパラメーターです。

KYBDのパラメーターを高く設定すると、MIDIで高い音を鳴らしたとき、MIDIで低い音を鳴らした時よりもエンベロープの効果が小さくなります。

例えば上記のような設定だと、高い音の時ほどリリースが短くなり、低い音ほどリリースが長くなります。

Q/Cボタン(クオンタイズ・カーブ)

digitalエンベロープのみについている機能です。

Qボタン(クオンタイズ)をONにすると、「Alpha Juno」や「Matrix 1000」に搭載されていたエンベロープのように、階段状にエンベロープが動きます。
※少し「カリッ」「パリッ」とした質感やアタック感

Cボタン(カーブ)をONにすると、エンベロープがよりなめらかな曲線上に動くようになります。
※少し丸みのある音になるイメージ

公式マニュアルより:https://u-he.com/downloads/manuals/plugins/diva/Diva-user-guide.pdf

Q/Cボタンの解説(13:45~14:39)

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エンベロープを使っていろいろな音を作ってみよう

エンベロープは、Divaにあるさまざまなパラメーターに対して使うことができます。

音程をクイッと上げるサウンド

例えば音の最初のピッチをクイッと上げたいときは、このように設定してみましょう。

・オシレーター(VCO1)のピッチに対して、モジュレーション「ENV2」を設定する
・モジュレーション「ENV2」のパラメーターを少しだけ下げる(左に回す)
・ENV2(画面右)のDecayだけ少し上げる

フィルターの開き具合をエンベロープを使って操作する

例えば「徐々にふわ〜っとフィルターが開いていくサウンドにしたい」という場合は、このように設定してみましょう。

・フィルター(VFC LADDER)のCUTOFFを小さめにする
・フィルターに対してENV2のモジュレーションを設定する(プラス方向)
・ENV2(画面右)でAttackを遅く設定する

もともとCUTOFFの値が小さいので、本来はかなりフィルターがかかっている(高音域が削られている)サウンドなのですが、Attackが遅いエンベロープをプラス方向に全開にしているので、徐々にフィルターが開いていくようなサウンドになります。

逆に「だんだんフィルターが閉じて音がこもっていくサウンドにしたい」という場合は、このように設定してみましょう。

・フィルター(VFC LADDER)のCUTOFFを大きめにする
・フィルターに対してENV2のモジュレーションを設定する(マイナス方向)
・ENV2(画面右)でAttackを遅く設定する

この設定の場合、もともとCUTOFFでは全くフィルターがかかっていない(高音域が削られていない)サウンドなのですが、Attackが遅いエンベロープがマイナス方向にかかっているため、ゆっくりとCUTOFFされていくようなサウンドになります。



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