音楽ジャンル解説

【音楽ジャンル】ニュージャックスウィング(New Jack Swing)とは?【概要編】

今回は、英語版wikipediaの「ニュージャックスウィング」をまとめました。

この記事ではPart1として、ニュージャックスウィングの特徴や有名なプロデューサーを解説します

最近だと、Bruno Marsの2018年のヒット曲「Finesse」で注目を集めたのがこの「ニュージャックスウィング」です。

Bruno Mars - Finesse (Official Audio)

このシリーズでは、全2回に渡ってこのジャンルには一体どんな特徴があり、どんな歴史を辿ってきたのかを解説していきます。

ニュージャックスウィング(New Jack Swing)とは?

ニュージャックスウィングは、1980年代終わりから1990年代はじめ頃まで人気があった、Teddy Rileyによって作られた「デジタル・ゴーゴー・ミュージック(Didital Go-Go Music)」です。

The 30 Greatest New Jack Swing Songs (1987-1993)
Poison

当時アメリカのワシントンD.C.においてGo-Goはニュージャックスウィングの起源であり、ニュージャックスウィングは「ニューヨーク・ゴーゴー(New York Go-Go)」とも呼ばれていました。

ニュージャックスウィングの影響はヒップホップとともにコップカルチャーにも浸透し、この独特のサウンドはニューヨークのクラブシーンにおいて独創的なサウンドとされていました。

Go-Goの解説

ニュージャックスウィングの音楽的特徴

ニュージャックスウィングの音楽的な特徴としては、ヒップホップやダンスポップのリズム・サンプル・制作テクニックを、R&Bのアーバンコンテンポラリーサウンドと融合させている点が挙げられます。

ニュージャックスウィングは、昔のスタイルと新しい感性を組み合わせることにより発展していったのです。

ニュージャックスウィングを作る例

Making Bruno Mars style "New Jack Swing" 80s beat in 10 minutes
How to make new jack swing

例えばニュージャックスウィングでは、R&Bのボーカルスタイルをヒップホップやダンスポップのスタイルの影響を受けたサウンドに乗せて歌っています。

ニュージャックスウィングのサウンドは、ヒップホップのドラムマシーンやハードウェアサンプラーなど、ヒップホップ黄金期に使っていた「スイングしている」ビートから来ており、ニュージャックスウィングではコンテンポラリーR&Bスタイルのボーカルと一緒に演奏されています。

Marriam-Websterのオンライン時点によると、ニュージャックスイングは「基本的には黒人のミュージシャンによって演奏される、ジャズ・ファンク・ラップ・R&Bの要素を合体させたポップ・ミュージック」と定義されています。

ニュージャックスウィングのビートの特徴

ニュージャックスウィングでは、ビートやチューンをサンプリングして使うテクニックを取り入れ、SP-1200などのサンプラーやRoland TR-808などのドラムマシンを使ってビートを作り、軽いメロディーラインやはっきりと発音されたボーカルの下に「しっかりとしたビート」を入れています。

Making a beat on the SP1200 | Chief Rugged's 12Bit Madness #9
The Roland TR-808 In Action

Roland TR-808のサウンドがかなり特徴的で、シンコペーションが使われ、スイングしているビートを作るために使われており、特にスネアに関しては、TR-808の傑出したサウンドを取り入れるためにも使われていました。

関連記事

ニュージャックスウィングで実際に行われたサンプリングの例

Guy - Groove Me

例えば、Guyの「Groove Me」ではこれらの曲がサンプリングされています。

Funky President (People It's Bad)
My Thang
Mohawks - The Champ

ニュージャックスウィングで有名なプロデューサー

ここでは、ニュージャックスウィングで有名なプロデューサーと、彼らが手がけた楽曲をご紹介します。

Teddy Riley

Teddy Riley Top 20 Songs Produced
I Like The Way

Timmy Galting

TIMMY GATLING - Rock Me Good (New Jack 1989)

Jimmy Jam and Terry Lewis

The Floor
Wild Girls
Jimmy Jam & Terry Lewis 30 Greatest Songs

DJ Eddie F(The Untouchables)

DJ Eddie F & The Untouchables - Lets Get It On

DeVante

Gin & Juice

Gene Griffin

Guy - Groove Me

Part2「歴史・過去のヒット作」


人気記事

1

今回は、アメリカのプロデューサーNathan James Larsenが解説する「僕のお気に入りのボーカルチェイン」をまとめました。「どんな曲であっても、ミックスの83%はこのボーカルチェインを使っている」というぐらい汎用性が高い内容ですので、ぜひお試しください。

2

今回は、Doctor Mixが解説する「歴代のシンセサイザーTOP10」をご紹介します。みなさんがよく耳にする「あの音」は、実はこれらのシンセサイザーの音かも…!?「聞いたことある!」「あの音って、このシンセの音だったんだ!」と驚くこと間違いなしです!

3

今回は、これからDTMをはじめたいという方向けに「Amazonで買えるDTM初心者セット」を3つご紹介します。「これからDTMをはじめたいけど、何を買ったらいいかわからない」「とりあえずこれさえ買っておけばOKみたいなセットはない?」このような方のための記事ですので、ぜひ参考にしてください。

4

今回は、音楽で使うスピーカーに付いている「謎の穴」について解説します。いろいろなスピーカーを見てみると、前面下側に細長く穴が空いていたり、側面に丸い穴が空いてあったり、中には背面に穴が空いていることがあります。この謎の穴は、いったいどのような役割があるのでしょうか?

5

K-POPっぽい曲って、どうやったら作れる?K-POPの特徴って何?今回はこのような疑問にお答えします!海外プロデューサーが教える「K-POPの全体的な特徴」について徹底解説!これを前提に作曲していけば、よりK-POPっぽい曲が作れるようになります。

6

今回は、Big Zが解説する「SKRILLEX(スクリレックス)レベルでミックス・マスタリングする方法」をまとめました。SKRILLEXのように「音にパンチ・厚み・パワー」がありながら音圧を上げるには一体どのようにすればいいのでしょうか?DTMをしている全ての方、必見の内容です!

7

今回は、LANDRが解説する「DIベースとは?」をまとめました。音楽に親しんでいる方でも、「DIベース」とは何か、DIベースのレコーディングで使われる「DIボックス」とは何か、自分はDIボックスが必要なのかどうかが分からない方も多いでしょう。この記事では、これらについて詳しく解説していきます。

8

当サイトのnoteアカウントにて「楽曲のサビ・Aメロ・Bメロ・Cメロ・ポストコーラス・イントロ&アウトロの作り方」をそれぞれアップしました。 「曲を作るときに何から始めたらいいかわからない」「 ...

9

今回は、Audio Universityが解説する「音響心理学を活かしたミキシングテクニック」をまとめました。この記事ではそのうち、多くの人がミキシングで悩む「マスキング問題」とは何か?について解説しています。

10

今回は、さまざまなジャズのジャンル・種類をまとめました。「ジャズ」と言ってもいろいろなスタイルがあり、それぞれ特徴が異なります。この記事では18種類のジャズスタイルをご紹介しますので、ぜひお気に入りのスタイルを見つけてみてください。

-音楽ジャンル解説
-,