【DTM】マスタリング入門 Part4【マスタリングコンプレッションの基本】

【DTM】マスタリング入門 Part4【マスタリングコンプレッションの基本】
マスタリングって何?どんなことをするの?

 

今回はこのような疑問にお答えする内容です。

 

Mastering 101: Compression

 

DTMerおなじみ、サンプルやプラグインを販売するSpliceが解説する「マスタリング101」をかんたんにまとめてみました。

 

今回はPart4として「マスタリングコンプレッションの基本」を解説していきます。

 

「マスタリングでは、コンプレッサーってどうやって使えばいいの?」と疑問に思っている方はぜひ最後までご覧ください!

 

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この記事における「コンプレッション」について

 

コンプレッションとは何かということについて、またどう使うかということについては、たくさんの記事で解説されています。

この記事では、「マスタリングにおけるコンプレッション」というシチュエーションをベースに、「どうやって曲をDIYしていくか」という観点で解説していきます。

 

コンプレッションって何?

 

コンプレッションとは、「ダイナミクスレンジを抑えること」です。

もっと詳しくいうと、「最も大きな音と小さな音の差をなくすこと」です。

 

こうすると、ダイナミクスや「動き」は少なくなるというデメリットがあります。

反対に、ダイナミクスレンジが低かったりピークをならすと、曲をより大きな音に聞かせることができます(音圧が上がります)。

 

これが、マスタリングの問題です。

コンプレッションは、パンチを加えたり、細かい部分をよりはっきり聞かせたり、十分満たされたようなサウンドにさせることができます。

しかしマスタリングでは、基本的にラウドネス(音圧)を上げる目的で使われるのです。

 

マスタリングエンジニアは曲をより大きく聞かせるためにリミッターを使いますが、リミッターだけ使っていると、ポンピングや歪みなどの不必要な効果が生まれてしまいます。

コンプレッサーとリミッターを使い分ければ、リミッターではより自然なサウンドを作ることができます。

 

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マスタリングにコンプレッションって、必要?

 

およそ80%のミックスではすでに音がならされているので、コンプレッサーは必要ありません。

ミックスを受け取ったら、自分の耳をよく使って判断しましょう。

 

もしすでにかなりコンプレッションがかかっているなら、コンプレッションをしない方がよいでしょう。

 

効果的なメータープラグインを使うことで、ダイナミクスレンジを明確にすることができます。

前回もおすすめしましたが、PSP社の「TripleMeter」はVUメーターの中でも非常に使えるプラグインです。

Ozone9にあるメーターも、LUFSやTrue Peakを把握するのにおすすめです。

 

どれぐらいコンプレッションすればいいの?

 

実は言うと、マスタリングエンジニアがコンプレッションを使うことはほとんどありません。

もし使ったとしても、低めのRatioと高いスレッショルドで使います(コンプレッションがかかったとしても、ほんの少しかかる程度)。

 

こちらが、マスタリングにおけるコンプレッションの目安になります。

 

・Ratioを1.24:1か1.5.1から始める。2:1以上のRatioにするのはおすすめできません。

・スレッショルドを非常に高く設定し、ゲインリダクションを2dB以下になるようにする。

・よく耳を使うこと。コンプレッサーをかけてみて、好ましくない音になってしまったら、ためらわずすぐ使うのをやめましょう。

・常に「自分はよりよいサウンド・音楽を作れているだろうか?」と自分に問いかけてみましょう。

 

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マルチバンドコンプレッサー

 

マルチバンドコンプレッサー(マルチバンドコンプ)とは、よくマスタリング段階で使わる、特定の周波数帯域に分けられたバンドを使って、特定の周波数帯域にのみコンプレッションをかけられるコンプレッサーです。

 

ここからは、マルチバンドコンプのメリット・デメリットを紹介していきます。

 

メリット

 

・周波数帯域ごとにコンプレッションをかけやすい

違う帯域に違ったコンプレッションの設定を適用することができる。たとえば低域には長めの波長になるよう、「低域とそうでない領域」のように、エリアを分けることができる。

 

・異なる設定をバンドごとに適用することができる。マルチバンドコンプでは、バンドごとにそれぞれ違うアタック・リリース・スレッショルドなどの設定を適用することができます。

 

デメリット

 

・音を忠実に再現できない

マルチバンドコンプを使うと、クロスオーバーフィルターを使うことにより、バンドごとにオーディオを分けることになります。オーディオに対してフィルターを使うと、その分音を忠実に再現できなくなります。こうすると、ノイズが出たり、歪みが生じます。

 

・加工しすぎによる危険度の高さ

マスタリングで最も大事なルールは「やりすぎない」です。マルチバンドコンプで音を加工しすぎると、音は非常に歪みやすく、位相問題も発生しやすくなります。もし何か目的があって使いたい場合は、使うマルチバンドコンプは1つだけに絞り、それを使って何をしたいのかを明確にしておきましょう。

 

まとめ

 

コンプレッションは加工しすぎず、ゲインリダクションは2dBまでに抑えるなど、ほどほどに使いましょう。

 


 

Part5(最終回)「リミッターと音圧」はコチラ↓

 

https://www.mizonote-m.com/what-is-mastering-101-splice-5/