音大では絶対に教えてくれない「プロの音楽家に必要なこと」と「自信の付け方」
- 2023.05.08
- プロになる方法
名門・ジュリアード音楽大学とグレン・グールド・スクール トロント王立音楽院を卒業し、現在はプロとして活躍しているNahre Solが教える「学校では教えてくれないけど全ての音楽家に必要なこと」をまとめてみました。
・プロの音楽家として自信を持つための「4つの方法」
について、Nahre Sol本人の体験をベースにご紹介していきます!
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プロの音楽家に必要なのにできないのは「自信を持つこと」
楽譜の読み方やスケールについては学校で教えてくれますが、「自信」については教わることができません。
個人的には、自信が持てない時には「ある2つのこと」が起こっています。
2.ものすごくサボっている
この2つは、音楽家なら誰もが経験したことがあると思います。
もちろん例外はありますし、「天才」と呼ばれるような人ならそんなことはないと思います。
しかし、残念ながら私(Nahre Sol)はそうではないので、このような経験をしたことがあります。
そこで今回は、「自信を持つために必要なこと」そして「プロの音楽家の人・目指す人がやるべきこと」をご紹介します。
プロの音楽家として自信を持つために必要な4つのこと
まずは、自信を持つために必要な4つのことをご紹介します。
これは、私が実際にやってみて効果があったと感じたものです。
1.モノの見方を変えるために、想像力を使う
今自分が置かれている状況を変えて考え方を柔軟にするために、いつもとは違うことをしてみましょう。
はじめはあまり心地よく思えないかもしれませんが、これはとても重要です。
例えば、2つのビルをまたぐ道があり、あなたはそこを歩いているとします。
その道はとても狭く、もしそこから落ちてしまったら、あなたは死んでしまいます。
とても怖いシチュエーションで、緊張が続くような状況でしょう。
しかし、その道と全く同じ長さや幅であっても、地上にある道ならそんなに緊張することはありませんね。
「落ちる恐怖」がないからです。
言い換えると、「落ちるかもしれない可能性」が、私たちを恐怖や緊張に陥れているのです。
つまり「失敗するかもしれない」という恐怖やそこから来る緊張を解くには、「高いところを歩いている」=「落ちて死んでしまうかもしれない可能性がある」と思わずに、ただ「道端を歩いている」と思えるようになれば良いですね。
音楽家にとって最悪のケースとは?
多くの場合は、「高いところから落ちる」のような恐ろしいことは起こりません。
もし演奏中にものすごく失敗をしてしまったとしても、「脳の手術を失敗する」などの状況ではないのですから、それで世界が終わるわけではありません。
※逆に、脳の手術のような非常に危険なケースにこのセオリーを当てはめないでくださいね
音楽家にとっての最悪のケースは、「お客さんがその場を楽しめないこと」です。
2.レッスンだと思って失敗に立ち向かう
次は、あまり楽しいことではありませんが…「失敗や困難に立ち向かう」です。
音楽家であれば、たくさん失敗をしたり、うまくいかなかったりして、その後のパフォーマンスに大きく影響することがありすよね。
私にもそういうことが何度もあり、ある時には「もう絶対に演奏できない」と思ったことさえありました。
失敗や困難に直面したらどうすればいい?
このような時は、まず落ち着いて「何がダメだったのか?」を見つめ直してみましょう。
「だからこうなってしまった」
「だから次はこんな風に演奏すればいいんだ!」
と、失敗や困難をレッスンのように考えてみましょう。
・情報を集めて、自分の中でこれから変えられること・変えるべきことを探す
大変かもしれませんが、これを繰り返していれば、同じ失敗はしなくなり、自信も持てるようになるでしょう。
3.挑戦する
「挑戦しよう」といった言葉はあまりにもよく聞く言葉ですが、本当に大切なことなので、ここでもお伝えします。
いつもやらないこと、今までやったことのないことにチャレンジすることは、自分のキャパシティを広げることにもなります。
私は最近、少し運動してみることにチャレンジしています。
もともとアクティブなタイプの人間ではないのですが、自分にとって難しい運動にチャレンジすることで、運動は自分のメンタルにも大きな影響があるということに気づけました。
そして、挑戦したからこそ「これは自分にとって大変なことだけど、これだけできたぞ!」と、自分に自信を持てるようにもなりました。
今すでにこだわりのあるルーティンを持っている方も、ぜひ少しでもこの「ちょっとしたチャレンジ」を取り入れてみてください。
4.「自信のライン」を探す(Confidence Threshold)
次は少し説明的になってしまうのですが、「自分の”自信のライン”を探す」です。
この「自信のライン(Confidence Threshold)」は、私自身がある特定のシチュエーションで、より心地よく自信を持てるようにするために使っている言葉です。
これは、そのシチュエーションによって自由に変えることができます。
「自信のライン」の探し方-5ステップ-
それでは、この自信のラインを探す・決める方法をご紹介していきます。
1.自分にとって大変なこと・困難なこと・悩んでいることを把握する
例:演奏すること
2.”ポジティブな例外”を探す
「1.」で考えたことをやったとしても、ポジティブな状況になることはあるか?を考えてみましょう。
例:「大学の卒業公演は緊張せずに楽しめる」「この前のオーディションは楽しかったな」
3.他の可能性をリストアップしてみる
「2.」で思いついたことのようにポジティブになれる状況を、何でもいいのでリストアップしてみましょう。
例:「赤い服を着ている時は気分が上がる」「明るい部屋にいるとポジティブな気持ちになれる」「ラフマニノフやモーツァルトを弾いているときは楽しい」
4.試してみる
最後は、今まで思いついた「ポジティブになれる行動」をできるだけ多く試し、実際に効果があるのか確認してみましょう。
コンサートやオーディションなどはいつでもすぐにできるわけではないので難しいと思いますが、日常的にできることはきっとあるはずです。
そしてその中には、実際に今の自分をポジティブな気持ちにしてくれることがあるでしょう。
つまり、これらが「あなたが自信を持てるようになること」=「これをやれば、自信のラインに辿り着ける」ということになります。
5.続ける
「4.」で試して効果があったものは、ぜひ今後も続けましょう。
このように「自分は何をすれば”自信のライン”まで自分を持っていけるのか」を知ることは、とても大切です。
プロの音楽家が実際にやっている「自信のライン」の例
さて、ここで今回のテーマの核心になりますが、「音楽家」として自信を持てるようになるにはどうしたらいいのでしょうか?
ここからは、先ほどご紹介した「自信のライン」を使いながら、私が実際にやっていることをご紹介します。
1.演奏をレコーディングする
これは特に私が最近やっていることで、このYouTube動画のための演奏もまた、これに入ります。
先ほどの「自信のライン」に沿って考えてみると…
これにおける「2.”ポジティブな例外”を探す」は、毎日やらなくてはいけないことがたくさんある状況でも、毎日最低1時間以上練習は練習し、レコーディングするようになったことです。
人によってこの1時間は多いと感じるかもしれないし、少ないと感じるかもしれませんが、「何をレコーディングしたか」というのはそこまで大きな問題ではありません。
演奏するのは、時には30秒のとても簡単なフレーズであることもあるし、とても難しい5分のフレーズであることもあります。
「これがなかったら、最低1週間はピアノを弾いていないだろうな」という時もあります。
レコーディングをするようになってもう一つよかったことは、単純に「楽しい」ということです。
私はもともと単純な人間ですが、音楽大学に入ってからは自分が好きではない曲も演奏しなくてはならず、時には「仕事だからやる」のような時もありました。
しかし、自分が楽しめる音楽をより多く持てば持つほど、とにかく音楽が好きでやりたい音楽がたくさん出てくるので、いい意味で「自信」について考えることすらもなくなります。
2.即興をしてみる(特にジャズ)
即興演奏をすると、とても良い練習になります。
もちろん、ビギナーレベルの即興でも構いません。
また、今はそこまでたくさんできてはいませんが、他の人と即興をすることで得られる「つながり」も感じられるようになりました。
他の人と演奏した時に感じるこの気持ちは、まさに音楽の力ゆえだと思います。
これに関しては、協力的な人たちが周りにいてくれるとより感じることができます。
以前、カメラが何台もいるような空間で即興するようなことがあったのですが、カメラをドンと構えて「何かすごいことをしてください!ハイ、スタート!」と言われたことがありました。
あの時は全然インスピレーションが湧きませんでしたし、とても変な感じのセッションでした。
3.自分の音楽活動を発信する
自分のオリジナル曲など、音楽に関わるコンテンツを発信してみましょう。
私自身も、YouTube動画を作る前はイスに座ってずっと考えていることがありますが、「動画を作るべきではないのではないか」と考えてしまったり、コンセプトを考えすぎてしまったり、何人の人が見てくれるだろうかと思ってしまったりします。
ここで、これに関して先ほどの「自信のライン」に沿って「2.”ポジティブな例外”を探す」をやってみると…
1.自分にとって大変なこと・困難なこと・悩んでいることを把握する
コンセプトを考えるときは、自分が純粋に興味があること、楽しいと思えることを採用すれば良いということがわかりました。
2.”ポジティブな例外”を探す
「1.」のようにコンセプトを考えることで、自分が本当に何が好きなのかがわかったり、実際にやってみることでそれを好きになったりすることがあります。
3.他の可能性をリストアップしてみる
自分が好きなものを自分で分かっていれば、他の人がそれを好きでなくても、みんながそれを好きでなくても良いと思えるようになります。
例えば、前に「モーツァルトのように聞かせるにはどうしたらいいのか?」という動画を出したのですが、他にも「ベートーヴェンのように聞かせるには〜」など、この「〇〇のように聞かせるには」というフォーマットを、その作曲家について語るための一種の言い訳のように使っていました。
もし全く見当違いなことを言っていたら「やめろ!」などと厳しい言葉を書かれるかもしれませんが、それでも自分はベストを尽くしましたし、動画を作るプロセスも楽しめました。
もちろん、視聴者の方々が楽しめるコンテンツになっていなければ、このシリーズをやめて別の動画に移ることもできます。
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「プロの音楽家に必要なこと」と「自信の付け方」まとめ
今回は、「プロの音楽家に必要なこと」と「自信の付け方」をそれぞれご紹介しました。
1.モノの見方を変えるために、想像力を使う
2.レッスンだと思って失敗に立ち向かう
3.挑戦する
4.「自信のライン」を探す
今日から実践できるTipsをご紹介しましたので、ぜひ今後のルーティンに取り入れてみてください!
当サイトでは他にも「プロの音楽家になるために必要なこと」に関する記事をまとめていますので、ぜひあわせてご覧ください↓
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