【音楽史】サックス(サクソフォーン)の歴史を見てみよう

【音楽史】サックス(サクソフォーン)の歴史を見てみよう
サックスっていつできたの?
どういう曲やジャンルで、どういう立ち位置で使われてきたの?

 

このような疑問にお答えする内容です。

 

History of the Saxophone (THE INSTRUMENTALS – Episode 6)

 

collectivecadenzaが解説・演奏する「サクソフォーンの歴史」をかんたんにまとめてみました。

 

こちらの動画では、およそ200年に渡るサックスの歴史を、当時人気だった曲の演奏とともに解説しています。

サックスだけでなく、ジャズの歴史も同時に学べます!

 

楽器の歴史を知ることで「60年代のサックスっぽく」など、その時代に合ったサウンドやフレーズを適切に選べるようになりますので、ぜひご覧ください!

 

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1840年代:Adolphe Saxがサックスを開発

 

0:15~

History of the Saxophone (THE INSTRUMENTALS – Episode 6)

 

最初にサックスを発明したのは、ベルギーの発明家・ミュージシャンのAdolphe Saxです。

 

Georges Bizetというフランスの作曲家がサックスを使った曲を最初に作った人物とされています。

Bizetのサックスを使った作曲法は、その後の作曲家たちの新しい作曲の道を切り開いていったのです。

 

 

1920年代:スイングと”ジャズの時代”

 

0:30~

History of the Saxophone (THE INSTRUMENTALS – Episode 6)

 

サックスは音が非常に遠くまで飛んでいくので、軍隊の音楽隊で人気を集めていきます。

 

「狂騒の20年代」ともよばれたアメリカの1920年代は、ジャズの時代が先導していました。

その中で、サックスの「スイング」は、注目の的となっていきます。

 

0:49~

History of the Saxophone (THE INSTRUMENTALS – Episode 6)

 

最初の偉大なサックス奏者は、アメリカのSIDNEY BECHETです。

彼はソプラノサックスを使い、あのLuis Armstrong(ルイ・アームストロング)ともよく共演していました。

 

素晴らしいサックス奏者たちは、この時代のシーンでノリに乗っているバンドで演奏していました。

 

Duke Ellington / Johnny Hodges [1958] – Stompy Jones

 

Duke EllingtonはJohnny Hodgesと共に演奏したり…

 

1:23~

History of the Saxophone (THE INSTRUMENTALS – Episode 6)

 

Ben Websterとテナーサックスで演奏することもありました。

 

1:38~

History of the Saxophone (THE INSTRUMENTALS – Episode 6)

 

Count BasieはLester Youngとも演奏。

 

1:50~

History of the Saxophone (THE INSTRUMENTALS – Episode 6)

 

Fletcher Henderson’s Orchestraに所属したColeman Hawkinsは、のちの「ビーバップ」のヒントとなる、美しいバラードを演奏していました。

 

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1940年代:ビーバップ誕生

 

そして1940年には、アメリカの歴史においてもっとも重要な人物の1人とともに「ビーバップ」が誕生します。

 

2:07~

History of the Saxophone (THE INSTRUMENTALS – Episode 6)

 

そう、Charlie Parkerです!

 

彼は、新しいハーモニーやリズムの複雑さを用いて、この新しい音楽を作りました。

 

2:23~

History of the Saxophone (THE INSTRUMENTALS – Episode 6)

 

またGerry Mulliganは、最初のバリトンサックスソリストとして有名になりました。

彼は奏者としてだけでなく、作曲家・アレンジャーとしても活躍しました。

 

1950年代:止まらないビーバップの人気

 

2:40~

History of the Saxophone (THE INSTRUMENTALS – Episode 6)

 

この時代、ジャズ以外では、R&Bやロックンロールが新しい風を吹かせていました。

アメリカのシンガーソングライターRay CharlesのサックスプレイヤーであるDavid Fathead Newmanは、この大きな動きをけん引します。

しかしビーバップはいまだ人気があり、より多くの素晴らしい演奏者がいた1950年代になっても勢いがありました。

 

3:00~

History of the Saxophone (THE INSTRUMENTALS – Episode 6)

 

たとえば、Sonny Rollins。

彼のソロのクリエイティビティに匹敵する奏者はいませんでした。

 

3:05~

History of the Saxophone (THE INSTRUMENTALS – Episode 6)

 

また、Julian Cannonball Adderlyは、ブルージーなバップをMiles Davisと共に奏でていました。

 

3:18~

History of the Saxophone (THE INSTRUMENTALS – Episode 6)

 

アメリカ西海岸の方では、Paul Desmondがクールで歌詞的な演奏を取り入れます。

Desmondは、彼自身のサウンドを「ドライマティーニみたいだ」と話しています。

※ドライマティーニは、ジンをベースにした「カクテルの王様」と呼ばれるカクテル。

 

画像:ドライマティーニ(https://www.liquor.com/recipes/dry-martini/)

 

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1950年代終わり:ジャズが別の道へ走り出す

 

3:33~

History of the Saxophone (THE INSTRUMENTALS – Episode 6)

 

1950年代終わり頃になると、ジャズがまた違った方向性へ進化し始めます。

 

Ornette Colemanは、ハーモニーやリズムの限界を取り壊し、「フリージャズ」のスタイルを取り入れます。

 

1960年代:新しいスタイル、ジャズ以外のジャンルへの進出

 

 

1960年代になると、歴史上最も重要なジャズレコードが、偉大なテナーサックスによって作られます。

ここからは、この時代に活躍したアーティストをどんどん紹介していきます。

 

3:53~

History of the Saxophone (THE INSTRUMENTALS – Episode 6)

 

まずはJohn Coltraneの「Giant Steps」。

のちに「コルトレーン・チェンジ」と呼ばれる、新しいハーモニーのコンセプトが使われています。

 

4:09~

History of the Saxophone (THE INSTRUMENTALS – Episode 6)

 

次はRahsaan Roland Kirk。

一度に複数のサックスを使って演奏した、最初の人物です。

(動画を見てのとおり、一度にサックスを2本くわえて演奏しています)

 

4:27~

History of the Saxophone (THE INSTRUMENTALS – Episode 6)

 

Dexter Gordonは、Charlie Parkerのビーバップを、アルトサックスからテナーサックスへと変換させました。

 

 

そしてサックスは、ジャズの世界を飛び超えていきます…

 

4:35~

History of the Saxophone (THE INSTRUMENTALS – Episode 6)

 

Henry Manciniは、サックスを映画音楽に取り込み始めます。

この曲は「泥棒の曲」として有名ですね。

 

4:42~

History of the Saxophone (THE INSTRUMENTALS – Episode 6)

 

Boots Randolphは、サックスの音を「ナッシュビルサウンド」にした人物です。

Elvis PresleyやRoy Orbisonなどと共にレコードを作ったことも。

 

4:53~

History of the Saxophone (THE INSTRUMENTALS – Episode 6)

 

Stan Getzは、「ボサノヴァ・ジャズ」という新しいスタイルに火をつけます。

彼のフルートのように空気感のあるサウンドは、世界の音楽チャートを独占しました。

 

5:09~

History of the Saxophone (THE INSTRUMENTALS – Episode 6)

 

Maceo Parkerは、James Brown、Parliament Funkadelicの主要ファンク・サクソフォーン奏者として活躍しました。

 

5:15~

History of the Saxophone (THE INSTRUMENTALS – Episode 6)

 

Eddie Harrisのジャズは、よりグルーヴィーでソウルフル。

新しいファンをどんどん獲得していくサウンドでした。

 

5:22~

History of the Saxophone (THE INSTRUMENTALS – Episode 6)

 

Stanley Turrentineは、彼の深い感情ともに、さらに一歩進んだサウンドを奏でました。

 

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1970年代:ポップのヒットソングでも活躍

 

1970年代になると、多くのポップヒットソングにサックスが使われ始めます。

 

5:29~

History of the Saxophone (THE INSTRUMENTALS – Episode 6)

 

たとえば、みなさんおなじみの「The Rolling Stones」。

 

5:46~

History of the Saxophone (THE INSTRUMENTALS – Episode 6)

 

そして、Bob Seger。

 

5:58~

History of the Saxophone (THE INSTRUMENTALS – Episode 6)

 

さらに、David Sanborn。

 

6:17~

History of the Saxophone (THE INSTRUMENTALS – Episode 6)

 

Clarence Clemonsも見逃せません!

 

6:25~

History of the Saxophone (THE INSTRUMENTALS – Episode 6)

 

一方でアフリカのガーナでは、Fela Kutiによって「Afro Beat」と呼ばれる新しいジャンルが人気を博します。

 

6:26~

History of the Saxophone (THE INSTRUMENTALS – Episode 6)

 

まじめなサックス奏者たちも、より商業的な音楽に参加するようになります。

Miles Davisのクインテットで演奏していた有名なサックス奏者Wayne Shorterは、ジャズ・フュージョンにおいて強い影響力を持つようになりました。

 

6:49~

History of the Saxophone (THE INSTRUMENTALS – Episode 6)

 

しかし80年代におけるサックスの大流行においては、Gerry Raffertyの「Baker Street」ぐらいしか、世界で話題になりませんでした。

 

7:10~

History of the Saxophone (THE INSTRUMENTALS – Episode 6)

 

ポップソングヒットにおいては、もっとたくさんの曲があります…

 

7:23~

History of the Saxophone (THE INSTRUMENTALS – Episode 6)

 

Kenny Gも、その代表の一人と言えるでしょう。

 

7:35~

History of the Saxophone (THE INSTRUMENTALS – Episode 6)

 

SNLの終わりのテーマも、一躍有名になりました。

SNL:「Saturday Night Live」、アメリカのコメディ・バラエティ番組。

 

7:49~

History of the Saxophone (THE INSTRUMENTALS – Episode 6)

 

そしてついに、サックスは80年代における「頂点」に達します…

 

「The Sexy Sax Man」と呼ばれたアメリカのサックス奏者George Michaelは、この時代に人気となりました。

 

8:00~

History of the Saxophone (THE INSTRUMENTALS – Episode 6)

 

一方で、ジャズではまだすごいことが起きていました。

Michael Breackerの存在があったからです。

 

8:08~

History of the Saxophone (THE INSTRUMENTALS – Episode 6)

 

Joshua Redmanの存在も大きいでしょう。

 

8:18~

History of the Saxophone (THE INSTRUMENTALS – Episode 6)

 

ENUR Feat. Natasjaの「Calabria 2007」。

このヒットソングを忘れる人はいないでしょう…

 

2000年代:サックスはポップミュージックでメジャーな楽器に

 

8:30~

History of the Saxophone (THE INSTRUMENTALS – Episode 6)

 

2000年代でもなお、サックスはポップ・ミュージックにおいてメジャーな楽器として扱われています。

 

さきほど紹介したKenny Gは、現代のポップで人気のKaty Perryとともに音楽を作りました。

 

Katy Perry “Last Friday Night”

Kenny G – – – Katy Perry – Last Friday Night (T.G.I.F.)

 

8:37~

History of the Saxophone (THE INSTRUMENTALS – Episode 6)

 

また、サックスはヒップホップでも活躍します。

 

MACKLEMORE & RYAN LEWIS “THRIFT SHOP FEAT. WANZ”

MACKLEMORE & RYAN LEWIS – THRIFT SHOP FEAT. WANZ (OFFICIAL VIDEO)

 

Jason Derulo “Talk Dirty”も有名ですね。

 

Jason Derulo – Talk Dirty feat. 2 Chainz [Official HD Music Video]

 

サックスの歴史、いかがでしたか?

 

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