ソフト・プラグイン・機材

4タイプのコンプレッサーの違いと使い方を解説!【Optical・Tube (Variable Mu)・VCA・FET】

今回は、JSTが解説する「4タイプのコンプレッサーの違いを解説」をまとめました。

DTMで使われるコンプレッサーには大きく分けて4つあり、「Optical」「Tube(Variable Mu)」「VCA」「FET」が挙げられます。

これらはそれぞれ違ったキャラクターを持っており、しっかり理解して使い分けられるようになれば、プロのようにコンプレッサーを使いこなすことができるようになります。

そのため、この4つはこの記事でマスターしましょう!

The 4 Types of Audio Compressors Explained

コンプレッサーの違い1:Opticalタイプ(オプトコンプ)

4タイプのコンプレッサーの違いと使い方を解説!【Optical・Tube (Variable Mu)・VCA・FET】

https://youtu.be/BKLMKTPfb8Q?si=k0V1rTRwnKe2sfZb

Optical(オプティカル)タイプのコンプレッサーは、数多くのコンプレッサーの中でも最もスムーズに動くタイプのコンプレッサーです。

「Opto」「オプトコンプ」などと呼ばれることがあります。

オプトコンプで有名な製品は、「Teletronix LA-2A Compressor」や「Tube-Tech Compressor」です。

4タイプのコンプレッサーの違いと使い方を解説!【Optical・Tube (Variable Mu)・VCA・FET】

https://youtu.be/BKLMKTPfb8Q?si=k0V1rTRwnKe2sfZb

レジスタなどの内部のパーツの種類によってサウンドは異なりますが、比較的「ナチュラルな」サウンドのままコンプレッションできるのが特徴です。

「Optical」は「光学」「光学式」という意味がありますが、「光」「光の速さで」というイメージがあるのに、なぜ最も「スムーズに」「ゆったりと」「自然に」動くのだろうと疑問に思うかもしれません。

これは、光学的な抵抗により非線形(=なめらかな曲線状)のゲインリダクション(コンプの効果)がもたらされるからです。

少し難しい話になりましたが、いずれにせよOpticalタイプは「自然で」「ナチュラルな」サウンドが特徴的です。

Opticalコンプレッサー(オプトコンプ)のおすすめの使い方

Opticalタイプのコンプレッサーは「ナチュラルなサウンド」が特徴的なので、あまり人工的な音を出したくないときにおすすめです。

・繊細さが求められるボーカル
・アコースティックギター
・あまり音を変えずにコンプレッサーをかけたいとき(どの楽器でもOK)

Opticalコンプレッサー(オプトコンプ)系のおすすめDTMプラグイン

世界中のプロに長年愛されてきた「LA-2A」や「Tube-Tech」をエミュレートしたプラグインがおすすめです。

Waves社「CLA-2A Compressor / Limiter」(CLA Classic Compressorsバンドルに同梱されています)

コンプレッサーの違い2:Tube(Variable Mu)タイプ(チューブタイプ)

4タイプのコンプレッサーの違いと使い方を解説!【Optical・Tube (Variable Mu)・VCA・FET】

https://youtu.be/BKLMKTPfb8Q?si=k0V1rTRwnKe2sfZb

Tube(チューブ)タイプのコンプレッサーは、「色付け」と「まとまり」を出すのが得意なタイプです。

先ほど解説したOpticalタイプのコンプレッサーの中にもチューブ=真空管は使われているのですが、Opticalタイプなどのコンプレッサーは、チューブを色付け(キャラクター付け)のために使っています。

一方で、Tubeタイプのコンプレッサーはゲインリダクションのために…つまり、コンプレッションのためにチューブを使っているのが大きな違いです。

そのため、Tubeタイプのコンプレッサーを使うだけで大きなカラー付けを行うことが可能です。

また、音全体にまとまりを出すことにも長けているため、Busに使うのにもよいでしょう。

Tubeタイプのコンプレッサーで有名な製品としては、「FAIRCHILD」や「MANLEY Variable Mu」などが挙げられます。

4タイプのコンプレッサーの違いと使い方を解説!【Optical・Tube (Variable Mu)・VCA・FET】

https://youtu.be/BKLMKTPfb8Q?si=k0V1rTRwnKe2sfZb

関連記事

Tube(Variable Mu)のおすすめの使い方

Tube(Variable Mu)タイプは、色付け(キャラクター付け)とまとまりを出すために使うのが効果的です。

・音に温かみを出したい
・音にまとまりを出したい(Busに使う)

Tube(Variable Mu)系のおすすめDTMプラグイン

「FAIRCHILD」や「MANLEY Variable Mu」をエミュレートしたプラグインがおすすめです。

コンプレッサーの違い3:VCA(ブイシーエー)タイプ

4タイプのコンプレッサーの違いと使い方を解説!【Optical・Tube (Variable Mu)・VCA・FET】

https://youtu.be/BKLMKTPfb8Q?si=k0V1rTRwnKe2sfZb

VCA(ブイシーエー)タイプのコンプレッサーは、かなり強くコンプレッションをかけることができるタイプのコンプレッサーです。

どちらかというと、音をならす(平坦にする)のが得意と言えます。

多くのコンプレッサーは電圧制御アンプが付いていますが、VCAタイプの電圧制御アンプはIC(集積回路)の中に収容されています。

これにより、音の劣化(ディストーション、歪み)を最小限に抑えてコンプレッションをすることができます。

大きくコンプレッションをしても(大きなゲインリダクションを得ても)音が崩れにくいため、大きくコンプレッションをしたいときにおすすめです。

VCAタイプのコンプレッサーで有名な製品には「SSL Channel Compressor」や「SSL G-COMP」「dbx 160A」「api2500」などが挙げられます。

4タイプのコンプレッサーの違いと使い方を解説!【Optical・Tube (Variable Mu)・VCA・FET】

https://youtu.be/BKLMKTPfb8Q?si=k0V1rTRwnKe2sfZb

4タイプのコンプレッサーの違いと使い方を解説!【Optical・Tube (Variable Mu)・VCA・FET】

https://youtu.be/BKLMKTPfb8Q?si=k0V1rTRwnKe2sfZb

4タイプのコンプレッサーの違いと使い方を解説!【Optical・Tube (Variable Mu)・VCA・FET】

https://youtu.be/BKLMKTPfb8Q?si=k0V1rTRwnKe2sfZb

VCA(ブイシーエー)のおすすめの使い方

VCAタイプのコンプレッサーは、パンチのある音を出すときに効果的です。

・ドラムなどのパーカッシブな音にパンチを出したいとき
・AttackやReleaseを細かく調整しながら音に歪みを出したくないとき(特にBus使用時)

VCA系のおすすめDTMプラグイン

「SSL Channel Compressor」や「SSL G-COMP」「dbx 160A」「api2500」をエミュレートしたプラグインがおすすめです。

WAVES / SSL 4000 Collectionを購入する(サウンドハウス)
E-Channel、G-Channelの両方が同梱されています

コンプレッサーの違い4:FET(フェット)タイプ

4タイプのコンプレッサーの違いと使い方を解説!【Optical・Tube (Variable Mu)・VCA・FET】

https://d2ijz6o5xay1xq.cloudfront.net/account_3142/urei-1176-blue-stripe-rev-b-front_4fde7e65721cc2306ea877d5429639cb_1000.jpg

FET(フェット、エフイーティー)タイプのコンプレッサーは、たくさんの倍音成分を出し、よりパンチの効いた音を出すことができるタイプです。

動作が速く、Attack Timeを遅くしても、OpticalやTubeタイプよりも速く動きます。

このタイプのコンプレッサーは、コンプレッションをするためにトランジスタを使っています。

前述のチューブ(真空管)よりもトランジスタの方が安価なため、さまざまなコンプレッサーに使われ始め、その結果これまでにたくさんの素晴らしいコンプレッサーが誕生しました。

最も有名なのは「Bluestripe 1176」でしょう。

4タイプのコンプレッサーの違いと使い方を解説!【Optical・Tube (Variable Mu)・VCA・FET】

https://d2ijz6o5xay1xq.cloudfront.net/account_3142/urei-1176-blue-stripe-rev-b-front_4fde7e65721cc2306ea877d5429639cb_1000.jpg

FETタイプのおすすめの使い方

FETタイプのコンプレッサーは、ボーカル、ベース、ドラムなどさまざまな楽器に使えるほか、Busに使ってまとまりを出すのにも向いています。

また、Opticalタイプのコンプレッサーと併用するのもおすすめです。

FETタイプはパンチのある音を出すのに長けていますが、一方でOpticalタイプは自然でナチュラルな音を出したいときに向いているため、両者を上手に使い分けてみるとよいでしょう。

FET系のおすすめDTMプラグイン

「Bluestripe 1176」をエミュレートしたプラグインがおすすめです。

Waves社の「CLA Classic Compressors」は、1176系コンプレッサーの他にLA-2A系のコンプレッサーなども同梱されていますので、非常にお得でおすすめです↓

Waves社「CLA Classic Compressors」の購入はコチラ(サウンドハウス)

Waves社「CLA Classic Compressors」の購入はコチラ(Rock Online)

関連記事

Logic Pro付属のコンプレッサープラグインはこれらを網羅している

Logic Pro付属のコンプレッサープラグインは、これら4タイプのコンプレッサーを網羅しています。

4タイプのコンプレッサーの違いと使い方を解説!【Optical・Tube (Variable Mu)・VCA・FET】

今回の記事と重複する部分もありますが、Logic Proの方は全部で7種類あります。

こちらについては以下の記事で1つずつ詳しく解説しています↓


以上で解説は終了です。

当サイトでは他にもコンプレッサーに関する記事をまとめていますので、ぜひこちらもご覧ください↓


人気記事

1

https://youtu.be/f0FhmTvdYYA?si=voPGFHl2leoVKF1_ 今回は、数々のモニタースピーカーを販売しているAdam Audio社が解説する「自宅スタジオ~3レベル ...

2

https://www.youtube.com/watch?v=A8rvn7o33Lo 今回は、Sage Audioが教える「カリッとしたボーカルにするためのMIXテクニック」をまとめました。 全部で ...

3

音楽におけるアップビート、ダウンビート、オンビート、オフビート、バックビート… 似たような言葉だけど、何が違うの?覚えられない… 今回はこのようなお悩みにお答えする内容です。 「アップビート」「オフビ ...

4

今回は、「Sonarworks SoundID Referenceの使い方」をまとめました。

DTMをするなら絶対に持っておきたいこの製品について、なぜこの製品がおすすめなのか、どの種類を買うべきなのか、具体的な使い方と測定方法をご紹介します。

5

世界的にヒットしている曲の構成ってどうなってるの? 「ヒット曲の公式」みたいなのがあるといいんだけど… 今回はこのような疑問にお答えします。 https://www.youtube.com/watch ...

6

今回は、人気音楽プロデューサーのVirtual Riotが解説する「Serum 2の全新機能の解説」をまとめました。Xfer Records社「Serum2」で新しく追加されたプリセットの制作にも携わったVirtual Riotが、新機能17項目を徹底解説します。

7

この記事では、世界中の作曲家・音楽プロデューサーが使っているおすすめのブラス(金管楽器)音源をご紹介します。同じ楽器でも音源によって音色が少し異なりますので、複数持っていると使い分けることができるほか、レイヤーしたときもリアルさと壮大さを増すことができます。

8

今回はAudio Universityが解説する「Universal Audio社 Apollo Twinのレビュー」をまとめました。他社では2万円程度の製品がある中で、Apollo Twinは約10万~20万円です。この記事では、Apollo Twinは値段相応の価値があるのかについて解説します。

9

今回はAdam Audio社とIn The Mixが解説する「スピーカーは縦置き or 横置きのどちらがいいのか?」をまとめました。 多くのスピーカーは正方形ではなく長方形であることが多いですが、縦置 ...

10

今回はChris Selimが解説する「Pultec EQの使い方」をまとめました。DTMにおいて「有名なEQ」としてよく名前が挙げられるのが「Pultec EQ」です。この記事では、なぜこのEQは世界中のDTMerに愛されているのか、その魅力と使い方を解説していきます。

-ソフト・プラグイン・機材