シンセサイザー

【DTM】Xfer Records社のシンセ「SERUM」の使い方 コンプリートガイド #14 役に立つ便利機能

今回は、Xfer Records社のシンセ「Serum」で使える便利な機能をまとめました。

「Serumを持っているけどイマイチ使いこなせていない」「もっとSerumをカンタンに使いこなせるようになりたい」という方には必見の内容ですので、ぜひ目次から気になるTipsに飛んでみてください!

最新版「Serum2」の新機能の解説はこちら↓

関連記事

Serumの音作りに関する便利機能

ここでは、音作りに関する便利機能をご紹介します。

Serumでシンプルなサイン波・スクウェア波・ノコギリ波・三角波の音を出す方法

Serumでシンプルなサイン波(Sine)、スクウェア波(Square)、ノコギリ波(Saw)、三角波(Triangle)を出すには、OSCのウェーブテーブルから「Basic Shapes」を選び、「WT POS」のパラメーターを変更します。

Serumでシンプルなサイン波・スクウェア波・ノコギリ波・三角波の音を出す方法

「Basic Shapes」にはウェーブテーブルポジションが全部で4つあり、それぞれがベーシックな波形となっています。

1番目:サイン波(WT POSが1)
2番目:三角波(WT POSが2)
3番目:ノコギリ波(WT POSが3)
4番目:スクウェア波(WT POSが4)

Serumでアルペジオを作る方法(自作のアルペジエイター)

Serumにはアルペジエイターの機能はありませんが、LFOを使って自作のアルペジエイターを作ることができます。

1.LFOを各OSCのピッチに使う
2.LFOのGRIDの幅やRATEを調整しながら、音程を調節する

※GRIDを12に設定すると、1GRID=半音1個分になり、よりカンタンにアルペジオを作ることができます

LFOのグラフの書き方などは#4「LFO」で解説しています

アルペジオの作り方参考動画

Complete Guide To Master Serum| #17 Arpeggios

Serumで音にビブラートをかける方法

1.LFOを各OSCのピッチに使う
2.LFOのGRIDの幅やRATEを調整しながら、音程が動く幅を調節する

ビブラートのかけ方参考動画

Serum Tutorial - Vibrato How To

Serumでヴィンテージシンセのようなサウンドを作る方法

1.OSCでアナログ感のあるウェーブフォームを選択する(”Analog”メニューから選ぶなど)
2.同じOSCを同時に鳴らし、それぞれをDETUNE(もしくはピッチのFINE)を少しだけズラす
3.ピッチに少しだけモジュレーションを加える(LFOなど)
4.MATRIX画面でSourceを「NoteOn Rand」にするなどして、OSCのボリューム等をランダム化する

※より”デジタルな”ウェーブフォームを選ぶよりも、アナログをエミュレートしたウェーブフォームを選んだ方がよりヴィンテージシンセ感が出ます

ヴィンテージシンセ風サウンドの作り方参考動画

How To Make Serum Sound More Vintage

Serumでヴィンテージ感・LoFiサウンドを作る方法

1.NOISEオシレーターでノイズを少しだけ足す
2.OSC画面の「FILTER」やFX画面の「Filter」エフェクトで、ローパスフィルターを使う
3.FX画面の「Distortion」エフェクトで、「Downsample」を選択してダウンサンプリングする
4.FX画面の「EQ」エフェクトで、ハイカットとローカットをする

※前述の「Serumでヴィンテージシンセのようなサウンドを作る方法」を併用すると、さらにヴィンテージ感・LoFi感が増します

ヴィンテージ感・LoFiサウンドを作る方法参考動画

SERUM | How To Make A Simple But Beautiful Lofi Analog Synth

Serumのインポート/エクスポートに関する便利機能

ここでは、Serumのインポート/エクスポートに関する便利機能をご紹介します。

Serumでオーディオファイルをインポートする方法

Serumでオーディオファイルをインポートするには、OSC画面の各OSCにオーディオファイルをドラッグ&ドロップするか、ウェーブテーブルエディター(使い方は#12参照)の「Import」メニューからインポートします。

Serumでオーディオファイルをインポートする方法


※OSC画面のインポートメニュー(オーディオファイルをドラッグ&ドロップするときに表示されます)

Serumでオーディオファイルをインポートする方法


※ウェーブテーブルエディターのインポートメニュー

インポート/エクスポートメニューの詳細

各インポート/エクスポートメニューの詳細については、「#12 ウェーブテーブルエディター」「Importメニューの一覧」「Exportメニューの一覧」をご覧ください↓

Serumと通常のサンプラーの違いとは?

通常のサンプラーはオーディオファイルをそのままサンプルとして(1つの音)として使えるのに対し、Serumはオーディオファイルをサイクルレベルで読み込むので、波形を1サイクルごとに区切って使用することができます。

※1サイクルのみのオーディオは「シングルサイクル」、複数サイクルあるオーディオは「マルチサイクル」と呼ばれます

Serumと通常のサンプラーの違いと

例えば、上記のようなキック(バスドラム )のサンプルをSerumでインポートすると、ウェーブテーブルエディター(使い方は#12参照)では下記画像のように取り込まれます。

Serumと通常のサンプラーの違いと

Serumで作った音をオーディオ化(バウンス)する方法

Serumでは、直前に鳴らした音をそのままオーディオ化(バウンス)することができます。

1.Serumでオーディオ化したい音を出す(単音でもフレーズでもOK)
2.Serumの画面左にある「Serum」の文字(ロゴ)の左上付近にマウスを当て、うねった矢印のマークを出す

Serumで作った音をオーディオ化(バウンス)する方法
Serumで作った音をオーディオ化(バウンス)する方法

3.うねった矢印のマークを、DAW上にドラッグ&ドロップする

MIDIで打ち込まずにSerum画面下のピアノで出した音でも、MIDIキーボードでなんとなく演奏したフレーズでも、そのままオーディオ化できます。

ワンショット(One Shot)のオーディオサンプルを作るのにも便利な機能です。

Serumのプリセットに関する便利機能

ここでは、Serumのプリセットに関する便利機能をご紹介します。

Serumで自作のプリセットを保存する

Serumで自作のプリセットを保存する

自分で作ったSerumのプリセットは、PC内の「Serum Presets」のフォルダーに保存することができます。

Xfer Records/Serum Presets

例えばフォルダー「Noises」に保存すると、NOISEオシレーターのプリセットとして保存され、NOISEオシレーターのプリセット一覧に表示されるようになります。

NOISEやLFOなどの特定の機能のプリセットではなく、通常のプリセットとして保存したい場合は「Presets」フォルダーに保存しましょう。

SerumでFX(エフェクト)情報を保存する方法

SerumのFX(エフェクト)画面で作った情報は、「エフェクトチェイン」のプリセットとして丸ごと保存することも、リバーブやディレイなど1つ1つのエフェクトを個別に保存することもできます。

「あのとき作った、あのリバーブをもう一度使いたい!」というときなどに便利な機能です。

エフェクトチェイン保存方法参考動画

Serum Pro Tip - Save Individual FX Presets

Serumで作ったFX(エフェクト)チェインをプリセットとして丸ごと保存する方法

Serumの画面右上の「MENU」→「Save Effect Chain」

Serumで自作のプリセットを保存する


もしくは

エフェクト一覧(エフェクト名)を右クリック→「Save Effect Chain」

Serumで自作のプリセットを保存する

※「エフェクトチェイン」として保存すると、FXの各パラメーター情報や順番もすべて保存されます

Serumで保存したエフェクトチェインをロード(読み込み)する方法

Serumの画面右上の「MENU」→Load Effect Chain

Serumで保存したエフェクトチェインをロード(読み込み)する方法

もしくは

エフェクト一覧(エフェクト名)を右クリック→「Load Effect Chain」

Serumで作った各FX(エフェクト)をプリセットとして保存する方法

各エフェクト名の右側に出ている黒い下向き三角形をクリック→「Save Effect Settings」


Serumで保存したエフェクトチェインをロード(読み込み)する方法

Serumで保存したエフェクトチェインをロード(読み込み)する方法

各エフェクト名の右側に出ている黒い下向き三角形をクリック→保存したFXプリセット名を選択(この例では「Hyper FX Preset 1」)

Serumのプリセット保存先のフォルダーを確認する方法

Serumのプリセット保存先のフォルダーを確認する方法

Serum画面右上の「MENU」→Show Serum Presets Folder

Serumのプリセットを保存する方法

Serumのプリセットを保存する方法

Serumで作ったプリセットを保存するには、Serum画面中央上部にあるディスクマークをクリックします。

Serumのプリセットを保存する方法


※GLOBALタブと現在使用しているプリセット名の間にあります

Serumで保存したプリセットを再読み込みしてすぐ使えるようにする方法

自作で作ったプリセットや外部サイトからダウンロードしたプリセットは、プリセットフォルダー内に保存した後すぐにロードされないことがあります。

そのため、一度PCディスク上をスキャンしてプリセット情報を読み込み直す必要があります。

Serum画面右上の「MENU」→Rescan folders on disk

Serumで保存したプリセットを再読み込みしてすぐ使えるようにする方法

Serumの見た目に関する便利機能

ここでは、Serumの見た目に関する便利機能をご紹介します。

Serumのスキン(見た目)を変える方法

Serumのスキン(見た目)を変える方法

Serumでは、スキン(見た目)を変更することができます。
※上の画像はデフォルトで入っているスキン「Promethium」

Serumのスキン(見た目)を変える方法

Serumの画面一番左上の「Serum」の文字(ロゴ)をクリック→Skin→好きなスキンを選択

デフォルトでは「Default」と「Promethium」の2種類ありますが、スキンを販売・配布しているユーザーもいますので、ぜひチェックしてみてください。
(「Serum Skin Download」などで検索)

Serumの画面の大きさを変える方法(Zoom In / Out)

Serumの画面の大きさを変える方法(Zoom In / Out)

Serumの画面一番左上の「Serum」の文字(ロゴ)をクリック→表示倍率(〇〇%)を選択

Serumで使えるその他の詳細設定

GLOBAL画面では、OSCやチューニング、Serumをより便利に使うための設定をすることができます。

GLOBAL画面の使い方については#11で解説していますので、こちらをご覧ください↓


人気記事

1

今回は、アメリカのプロデューサーNathan James Larsenが解説する「僕のお気に入りのボーカルチェイン」をまとめました。「どんな曲であっても、ミックスの83%はこのボーカルチェインを使っている」というぐらい汎用性が高い内容ですので、ぜひお試しください。

2

今回は、Doctor Mixが解説する「歴代のシンセサイザーTOP10」をご紹介します。みなさんがよく耳にする「あの音」は、実はこれらのシンセサイザーの音かも…!?「聞いたことある!」「あの音って、このシンセの音だったんだ!」と驚くこと間違いなしです!

3

今回は、これからDTMをはじめたいという方向けに「Amazonで買えるDTM初心者セット」を3つご紹介します。「これからDTMをはじめたいけど、何を買ったらいいかわからない」「とりあえずこれさえ買っておけばOKみたいなセットはない?」このような方のための記事ですので、ぜひ参考にしてください。

4

今回は、音楽で使うスピーカーに付いている「謎の穴」について解説します。いろいろなスピーカーを見てみると、前面下側に細長く穴が空いていたり、側面に丸い穴が空いてあったり、中には背面に穴が空いていることがあります。この謎の穴は、いったいどのような役割があるのでしょうか?

5

K-POPっぽい曲って、どうやったら作れる?K-POPの特徴って何?今回はこのような疑問にお答えします!海外プロデューサーが教える「K-POPの全体的な特徴」について徹底解説!これを前提に作曲していけば、よりK-POPっぽい曲が作れるようになります。

6

今回は、Big Zが解説する「SKRILLEX(スクリレックス)レベルでミックス・マスタリングする方法」をまとめました。SKRILLEXのように「音にパンチ・厚み・パワー」がありながら音圧を上げるには一体どのようにすればいいのでしょうか?DTMをしている全ての方、必見の内容です!

7

今回は、LANDRが解説する「DIベースとは?」をまとめました。音楽に親しんでいる方でも、「DIベース」とは何か、DIベースのレコーディングで使われる「DIボックス」とは何か、自分はDIボックスが必要なのかどうかが分からない方も多いでしょう。この記事では、これらについて詳しく解説していきます。

8

当サイトのnoteアカウントにて「楽曲のサビ・Aメロ・Bメロ・Cメロ・ポストコーラス・イントロ&アウトロの作り方」をそれぞれアップしました。 「曲を作るときに何から始めたらいいかわからない」「 ...

9

今回は、Audio Universityが解説する「音響心理学を活かしたミキシングテクニック」をまとめました。この記事ではそのうち、多くの人がミキシングで悩む「マスキング問題」とは何か?について解説しています。

10

今回は、さまざまなジャズのジャンル・種類をまとめました。「ジャズ」と言ってもいろいろなスタイルがあり、それぞれ特徴が異なります。この記事では18種類のジャズスタイルをご紹介しますので、ぜひお気に入りのスタイルを見つけてみてください。

-シンセサイザー